古来から高貴な色として親しまれてきた紫という雅な色彩。一見地味に見えながらも、どんな服装や季節にも映える色合いから、紫を代表するアメジストは女性にとっても非常にポピュラーな宝石です。

クリアな藤色が特徴のアメジストですが、皆さんはカラーチェンジアメジストという珍しい宝石をご存知でしょうか?今回はあまり聞いたことのない変色効果が楽しめるアメジストにスポットライトを当てていきたいと思います。

アメジストの変色効果!その秘密に迫る

カラーチェンジと言えばアレキサンドライト、またはカラーチェンジガーネットが代表的です。でもアメジストの変色効果なんて聞いたことがない、という方も少なく無いはず。

ここではまさかのアメジストの変色性の理由からその採掘可能な鉱山までを解説していきたいと思います。

カラーチェンジアメジストの特性と変色の理由は?

宝石がなぜ特定の色に輝くようになるのかを説明すると非常に難しい話しになりますが、かいつまんで説明すると特定の不純物が含まれることで、代表的な宝石の色を呈するようになります。

例えばルビーはクロム、エメラルドならばクロムまたはバナジウム、そして今回お話しているアメジストの場合は鉄が不純物として混入し魅惑的な紫、青紫色を呈するようになるのです。

アメジストが変色を見せる理由としては紫色の元になる鉄分だけでなく、赤色を導くクロムが若干含有するからであり、通常の白熱光では紫、暖色系の光の下では赤紫、ピンク色を呈するようになるのがカラーチェンジの秘密。

皆さんもお手持ちのアメジストを見ていただければわかると思いますが、全てのアメジストが変色性を持っているわけではありません。アレキサンドライト、カラーチェンジガーネットも希少ですが、そもそも変色性を伴うアメジストは産出地が限られており、なかなか目にすることが少ないレア宝石として知られています。

超レア!カラーチェンジアメジストが産出する場所はココ

カラーチェンジガーネットが産出する場所は主にブラジル、ウルグアイやミャンマーなどの限られた鉱山でしか採掘されません。大きな原石が取れることは非常に少ない為、通常市場に並ぶのは小粒のルースばかり。

基本的に産出する場所に限らず変色を見せるカラクリは先ほど説明した理由からですが、特にブラジルのカシャライ鉱山から採掘されるアメジストは非常に品質の高い色と変色性を見せます。

カシャライ産のアメジストは既に閉山していることもあり、現在出回っているものは還流品です。このカシャライアメジストは鑑定機関泣かせのアメジストとして知られ、赤外線の吸収特性が合成アメジストの吸収特性を見せる為、本物であるにも関わらず合成アメジストとして判断されたこともあったのです。

そもそも合成アメジスト自体があまり多くはないのですが、このような独特な吸収特性を持ち、なおかつ強い変色性を持つこともあり、他鉱山よりも高く評価されているアメジストとして知られています。
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気になる!カラーチェンジアメジスト、ルースにジュエリーの価値はどれくらい?

ある光源では美しい紫色、しかし異なる光源下でみせる姿はまるでピンク色になったり、赤紫になったりと豊かな表情を見せてくれるカラーチェンジアメジスト。

ここでは何かと気になるその価値と市場価格について分析してみたいと思います。カラーチェンジアメジストのジュエリーを身に着けたいと思っている方は、ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。

閉山したカシャライアメジスト、変色が強いものは特に高騰!

カラーチェンジガーネットは一般的に通常のアメジストとは異なり、非常に高価で取引されています。最近はウルグアイなどで色合いが強く、神秘的な変色効果を見せるアメジストも見られるようになりましたが、やはり伝統的にもカシャライアメジストは貴重な石として認知され、ジェムショーでも高額で取引されています。

他の宝石と同様にその藤色が強く、ハッキリとした変色を見せるものほど価値が高まりますが、その市場価値は産出場所、色合い、カラットでも異なりますが、数千円から大粒のものになると50万円を超えるルースも……。

その価値を下げる要因にもなり得るインクルージョン自体はアメジストには少ないですが、基本的に鑑定機関ではカラーチェンジアメジストと鑑別はされないので、鑑別書の有り無しがその価格を決める要因にはなり得ません。

ジュエリー加工済みの変色アメジストはあまり流通せず

メーカー商品としてのカラーチェンジアメジストジュエリーは、正直とても少ないのが実情です。そもそも供給鉱山が少なく、なおかつ宝飾品としての見栄えがする品質のものとなると更に入手が難しい為、変色性のあるアメジストを使ったジュエリーは通常のアメジストと比べ高額であることは言うまでもありません。

また少ないながらも希少石利用を売りにしているジュエリーデザイナー作品で、しばし大粒のカラーチェンジアメジストを利用したものも見かけます。ただし全てが受注生産ということもあり、お気に入りのデザインのものが見つかるとは限りません。

基本的にカラーチェンジアメジストが利用されたジュエリーはそこまで強い変色性を示さないものが多いので、どうしてもという場合はルースのみ購入してフルオーダーでジュエリーを制作することをおすすめいたします。
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まとめ

いかがでしたでしょうか?

変色性というよりも、演色性というべきだという声もあるカラーチェンジアメジスト。鑑別機関も特にカシャライアメジストの鑑別には苦労をしたという逸話も残る、カラーチェンジアメジストは市場には殆ど姿を見せないかなりレア度が高い宝石です。

数十万超えのルースも少なくなく、リングやネックレスに加工される変色アメジストは多くありませんが、品質の高い物はそれこそ目を見張る色の変化で楽しませてくれます。アメジストラバーの方は、カラットだけではなく、今度はアメジストの変色性に着目して愛でてみるのもいいかもしれませんね!

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