貴石、半貴石、美しい宝石は意外なほどに多くのネーミングを持っていることがあります。あれっ、こんな魅力的なネーミングのある宝石あったっけ?という経験がある方は多いはず。
今回は宝石における通称、フォールスネームについてお話しをして行きたいと思います。

宝石のフォールスネームとは?消費者を惑わずややこしい通称の正体

フォールスネーム、英語で書くとFalse Nameになります。つまりは異なった、偽り、または正しくない名前と訳すことができますが、このフォールスネームはジュエリーや宝石を購入する際には注意を払わなければなりません。

まずは紛らわしいそれらの名前の意義について解説していきたいと思います。

フォールスネームの目的について

フォールスネームとは本来与えられている鉱物学的な宝石名ではなく、宝石やジュエリーを売る側が好き勝手に命名をした商業上の名称のことです。

それぞれの宝石の色合いや特徴などを参考に、「購買意欲」をそそる名前に変換したものがフォールスネームであり、いわゆるビジネス上でよく使われます。

基本的にフォールスネームは消費者に誤解を与える名前が付けられることが多く、安価な宝石をより市場価値の高い宝石のように売られることが非常に多く、とても厄介でトラブルの元凶にもなりかねないものと認識されます。

なお全ての宝石にフォールスネームがあるわけではありません。これは非常に否定的な見解が多いのは事実ですが、その多岐にわたるネーミングを見てみると、「はは、そうきたか!」と思わせるようなイマジナリーなネーミングも少なくありません。

宝石のフォールスネーム命名の傾向とは?

宝石のビジネスネームであるフォールスネーム。こちらの名前の命名に関してはある種の傾向があります。

先ほども説明した通り、いかに安価な宝石を高価な宝石の類と思わせる、勘違いさせて売るのが目的であるので、フォールスネームにはその宝石とは関係のない高価な宝石名が語尾に付くことがほとんどです。

またフォールスネームには、地名が付くことが非常に多いのも特徴と言えるでしょう。

その例は次項で多く紹介したいと思いますが、1つわかりやすい例を挙げるとハーキマーダイヤモンドが挙げられます。

こちらは透明感溢れる単なる水晶ですが、ニューヨーク州ハーキマーで産出される為、ハーキマーダイヤモンドと呼ばれるのです。勿論クォーツですからダイヤモンドとは一切因果関係がありません。

宝石にある程度の知識があれば、「これはダイヤモンドじゃないよね……」と一目瞭然ですが、あまり宝石に詳しくない方はそんな種類のダイヤモンドなのかな?と勘違いして購入してしまう負の連鎖が起きてしまうんですね……。
Pt900 ダイヤモンド ピアス

(こちらはダイヤモンドになります)

こんなにあった!有名な宝石のフォールスネーム一覧

ここではそんな気になるフォールスネームをドドンとご紹介していきたいと思います。知らないという無知が後悔を生まぬように、こちらでまとめるフォールスネームはしっかり頭の中に入れておいてくださいね!

面白い!だけどタチが悪い!よく聞く宝石のフォールスネームまとめ

特に海外で魅力的なネーミングの宝石、またはそれらがセットされたジュエリーを見かけたら要注意!

ここではよく聞く宝石のフォールスネームをご紹介していきたいと思うので覚えておいてくださいね!

① シベリアダイヤモンド……無色のトルマリン
② セイロンダイヤモンド……無色のジルコン
③ バラスルビー……レッドスピネル
④ アリゾナルビー……パイロープガーネット
⑤ シトリントパーズ、スパニッシュトパーズ……シトリン
⑥ ウォーターサファイア……アイオライト
⑦ カンディスピネル……アルマンダイトガーネット
⑧ ウラルエメラルド……デマントイドガーネット
⑨ イブニングエメラルド……ペリドット
⑩ オーストラリアジェード……クリソプレーズ

このように比較的メジャーなフォールスネームをざっとまとめてみましたが、みなそれぞれ地名や国名と同様、語尾にある宝石名が付いているのが分かると思います。

フォールスネームはそれこそ宝石の数ほど存在しているといっても過言ではないので、その点には十分留意が必要です。

ただフォールスネームのネーミングに関しても、そもそも宝飾史が基になっているものもあり、宝石の価値はさておき、その箔が付いた名前がどのような背景で付けられたのかをさぐってみるのは面白いかもしれませんね!
K18YG ペリドット ネックレス

(こちらはペリドットになります)

まとめ

本来ならばそこに大金を支払う価値がないのに、知らなかったが故に不当に高額な料金を支払う方も少なくありません。

勿論クーリングオフ制度などを利用すれば期間内であれば返金可能なケースはあります。

しかし魅惑的なフォールスネーム、本来の宝石とは違う価値のある宝石であると勘違いしたままそれらを愛でてしまう方も残念ながらいらっしゃいます。

言葉の力は強く、時に人を欺くことがあることをしっかり心に刻み、きらびやかでユニークな名称を見かけたら、もしや?と思う危機感を持って購入の可否を決定しましょう。

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