クォーツとはクォーツ時計の呼び名にもなっている、立派な鉱物の種類です。ジュエリーにも多用されるクォーツですが、そのネーミングにピンと来ない方も多く、ジュエリー加工頻度に比べて、知識が追い付いていない方も少なくありません。

今回はそんなクォーツの特徴からその人気の秘密を紐解いていきたいと思うので、ぜひジュエリー選びの参考にしてみてくださいね。

クォーツってどんな宝石?えっ、あの高貴な紫の宝石もクォーツなの!?

クォーツ、うーんやはり宝石よりも時計が頭に浮かんでしまいます。しかしクォーツは思いのほか私たちの生活の中に馴染んでいる宝石なんです。

ここではそんなクォーツという鉱物の謎めく正体にクローズアップし、その魅力を発掘していきたいと思います。

和名の方が知名度高し!クォーツ=石英

クォーツは二酸化ケイ素を主とする鉱物の総称で、和名を石英と呼びます。石英、石英なら聞いたことがある、という方は多いはず。クォーツは透明度が高いものから低いものまで存在しますが、世界中で最も産出される鉱物として知られています。

特にブラジル産のクォーツはその質、量ともに追随を許さないレベルのものが採掘されています。

またクォーツは大きな結晶状のものも市場でよく見かけ、まさに天に向かうようにそびえ立つ結晶群は宝石マニアたちの眉唾アイテムとしても大人気!

ちなみにクォーツのモース硬度は7で、硬さの面から考慮しても、ジュエリーに加工しやすく、デイリーユースできる気軽さも人気の一つです。

水晶との違いは?

石英=透明な白い宝石と認識していますが、厳密にいうと石英は透明度の高い、低いに関係なく二酸化ケイ素を主とした鉱物全般のことを指します。

その中でも特に透明度が高く、結晶として認識できるレベル、つまりはジュエリーへの加工に適したものを水晶と呼んでいます。水晶はしばしロッククリスタルとも呼ばれ、世界中でアクセサリーやジュエリーに加工されており、パワーストーン用に数珠状へと研磨されることも多いのが特徴です。

また最近はニューヨークで発掘される水晶を、ハーキマーダイヤモンドと呼び、複雑なカットを施して、そのネーミングにあやかった商品展開もしています。(もちろん本物のダイヤモンドではなく、水晶であることには変わりありません。)

実はアメジストもクォーツの一種だった

多くの鉱物が付加元素の違いによって様々なカラー展開を見せますが、クォーツに関してもそれは多くの種類が確認されています。

有名なものでヴァイオレットカラーが美しいアメジスト、コニャックカラーのシトリン、思わず恋愛の種が開花しそうなローズクォーツ、そして金運アップの代名詞タイガーアイもクォーツの一種です。

厳密には石英属にはロッククリスタル、アメジストにシトリンに代表される水晶種、ローズクォーツなどの石英種、そしてカルセドニーやアゲートの玉髄種に分かれており、その成分や透明度などによって、3つの種に分かれることも覚えておきましょう。
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クォーツの歴史は深い!古代エジプトにまで遡るクォーツの装身具

えっ、この宝石もあの宝石もクォーツなの?と目から鱗の宝石、それがクォーツなんです。またこのクォーツに関しては非常に古くからジュエリーとして加工されていることも知られています。

アメジストが古来からジュエリーとして使われる理由とは?

石英といえば、無色透明の水晶(ロッククリスタル)と思う方も多いと思いますが、最も人気が高く、そして歴史が深い宝石と言えばアメジストの右に出るものはいません。

アメジストも色合いが薄いもの、濃いもので随分その価値も異なりますが、アメジストの紫は昔から呪術的要素の強い石として愛用されてきました。

キリスト教における宗教的霊力との関わりも無視することができない宝石であり、特にローマ教皇、枢機卿などが好んでアメジストをセットしたリングを身に着けてきた歴史もあります。

また古代エジプトでは、スカラベ(フンコロガシ)を模したアメジストの装身具が多く作られ、死後の世界での復活を願い着用されてきたのです。

宝石の力は時代、場所を問わず叫ばれ、そして伝わってきましたが、面白いものとして、アメジストは「酒に酔わない」魔力を持つ宝石としての効能もあるそう……。

単にアメジストとワインの色が似ているからでは?と勘ぐってしまいますが、ついついお酒に飲まれがちという方は、この言い伝えにあやかりアメジストをお守りにするのもいいかもしれませんね。

クォーツの代名詞ロッククリスタルはダイヤの代用として使われた!

アメジストと同様に大きな存在感を見せてきたクォーツとして、ロッククリスタルが挙げられます。まるで凍った水のように冷ややかな姿形は、特にリングに加工されることが多く、高価であったダイヤモンドに代わる宝石として愛用されていきました。

また18世紀に流行したグランドツアーと呼ばれるイタリアなどの旅行用に、盗難されても泣き寝入りする必要がないよう、トラベル用のロッククリスタルジュエリーも多く作られ、王侯貴族の必需品となることも多かったようです。

ロッククリスタルはその透明度を生かして、インタリオジュエリーにも応用されたこともあり、古い時代のアンティークジュエリーは、ロッククリスタルの登場回数が意外に多いことには驚かされますね!
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まとめ

今回はクォーツという鉱物の特徴から歴史、その魅力についてお話してきました。

水晶、アメジストにシトリン、ローズクォーツにタイガーアイまで、一言でクォーツと言っても、様々な種類の宝石に大別されるため、それらの魅力の全てをここで伝えることはできません。

それぞれの宝石についてはまた別の機会にお話したいと思うので、まずはあなた自身がクォーツを手に取り、その美しさの魅力を再発見してほしいと思います。

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