京都の人たちから「嵐電」(らんでん)という呼び方で親しまれている京福電気鉄道の嵐山本線(あらしやまほんせん)・北野線は、京都市内の観光にピッタリの鉄道です。嵐電は京都市内の住宅街を通ることもあり、京都市民の移動手段としても重宝されているのですが、京都の世界遺産巡りで利用するのもとてもおすすめです。
そこで今回は、ジュエリーローラの最寄り駅「北野白梅町」から常盤への旅をご案内します。

常盤駅から徒歩3分「源光寺」

常盤駅で下車して、東南方向へ歩くと3分で源光寺に着きます。源光寺は、臨済宗天龍寺派の尼寺で、本尊は観音菩薩です。
もともとこの場所は、平安時代の後期に嵯峨天皇の皇子である左大臣の源常(みなもとのときわ)の山荘があったと伝えられており、源義経の母である常盤御前が生まれた場所であるといわれています。

常盤御前ってどんな人?

常盤御前(ときわごぜん・1137〜)は、源義経公の母親です。平安時代後期、久安6年に出された宮中の皇后募集の際に、1,000人の中から選ばれた美女だったそう。義経記にも「常盤と申すは日本一の美女なり」と書かれているほど、美しい女性だったのでしょうね。

常盤御前はこの常盤の地で生まれ、晩年もこの源光寺の境内で静かに暮らし、亡くなったと伝えられます。
境内には、「常盤御前の墓」と言い伝えられている石塔も。静かに眠る常盤御前に手を合わせることができます。

16歳の時、源義朝の側室となった常盤御前は、今若・乙若・牛若(源義経)3人の子どもを産みました。
しかし、時は戦乱の世、1159年の平治の乱で義朝が敗れた際に、常盤御前は3人の子らと平清盛の追手から逃れていきます。しかし、絶世の美女だった常盤御前は清盛に見初められてしまい、子どもたちの命を救うために自ら清盛の妾となったのです。
その後も子どもを産み育てた常盤御前ですが、時は過ぎ、晩年は自分のルーツである常盤に単身で戻り、静かに亡くなりました。
「常盤御前は悲劇のヒロインだ」という人もいますが、自分の決断で人生を決めてきた、とても意思の強い女性だったのでしょう。

源光寺に祀られる常盤地蔵

源光寺には、京都六地蔵巡りの1つである「常盤地蔵」が祀られており、京都六地蔵巡りの「常盤谷(ときわだに)地蔵」を安置しています。この常盤地蔵は、因縁を解決し、霊障や根深い因縁を良い縁に変えてくれるとの信仰があり、多くの人がお参りに訪れます。
自分にとって悪い因縁と感じる人間関係は、今世だけではなく、前世からずっとカルマとして続いているものも多く「自分では打つ手がない」と思ってしまうことも多いです。そんな時は、因縁のカルマ解消について、常盤地蔵にお願いしてみるのもよいかもしれませんね。

京都六地蔵巡りとは?

京都六地蔵巡りは、約800年もの間続いている伝統行事で、毎年8月22日・23日の両日に街道の6カ所にあるお地蔵さんに参って、1年間の無病息災や家内安全を祈願します。
この京都六地蔵巡りの1つの地蔵に、源光寺の「常盤地蔵」があるのです。

この京都六地蔵巡りが生まれたのは、ちょっと不思議なお話から。平安時代初期に宮廷に仕えていた、非常に優秀な官吏の小野篁(おののたかむら・802-853)という人がいました。この小野篁はとても不思議な人で、日中は帝に仕えていたのですが、夜になると地獄の閻魔大王の裁判の手伝いをしていたという伝説があります。小野篁は閻魔大王の補佐をしていたというので、とても優秀だったとのこと。
そんな小野篁は、ある時一度命を落として冥土へ行ってしまいます。その時生身の地蔵菩薩に出会い、教えを請うて現世に甦ってきました。その後、一本の大木から六体の地蔵菩薩を刻んで、六地蔵として大善寺に祀ります。
それからしばらく経った平安時代の末期、1157年に京の町で疫病が流行しました。その際、時の天皇である後白河天皇が「この6体のお地蔵様を、京へ出入りするための街道口に1体ずつ祀るように」と平清盛に命じます。平清盛は西光法師に命じ、都を行き来する旅人たちの安全と、人々の疫病退散や福徳招来を祈願して、都への街道の入り口に地蔵堂を建てたのです。これが、六地蔵巡りの風習の始まりで、源光寺にも常盤地蔵が分祀されたのでした。

今でも6つのお地蔵様が祀られている寺社が多い理由とは?

6つのお地蔵様というのは、今でもあちこちの寺社でもよく見かけますよね。なぜ6体のお地蔵様なのでしょうか。

実は「六地蔵」とは、仏教の教えである「六道輪廻」の「六」に由来していると云われます。
六道輪廻とは、この世に生まれたすべてのものは、天道(てんどう)、人間道(にんげんどう)、修羅道(しゅらどう)、畜生道(ちくしょうどう)、餓鬼道(がきどう)、地獄道(じごくどう)の6つの世界で生と死を繰り返し迷い続けるということで、この迷い苦しみを救ってくださるのが、六地蔵だと云われています。

京都六地蔵巡りをして、すべての道の苦しみから解放されて、幸せな人生を送りたいと願うのは、いまも昔も変わらない思いなのですね。

その中でも、人間の思う苦しみとは、お金のこと・体のこと・人間関係の3つに絞られ、中でも人間関係が一番人を悩ますと云われます。
良縁に恵まれたい、因縁を良縁に変えたいという思いは、私たちの誰もが思うことなのでしょう。ぜひ常盤地蔵を訪れて、良縁に恵まれる人生になるようにお祈りしたいところですね。

良縁を引き寄せたい人にぴったりの宝石は?

「良縁を引き寄せたい!」「素敵な人と出会いたい!」という人は、こちらのピンクトルマリンとダイヤモンドの組み合わせのネックレスがおすすめです。
もともとトルマリンには人間関係を円滑にする力があると云われていますが、ピンクトルマリンは、良縁や素敵な人との出会いを引き寄せるパワーを持つ宝石で、女性のお守りがわりのジュエリーとしても最適です。

自分へのご褒美に、ご縁を大切にしたい女性へのプレゼントにもおすすめです。
ピンクトルマリン ダイヤモンドネックレス

まとめ

嵐電の常盤駅が最寄り駅である源光寺は小さなお寺ですが、常盤地蔵や、常盤御前のお墓があるなど、深い背景を感じることができるお寺です。
悪い因縁を良縁に変えてくれるご利益があると云われる源光寺。夏の六地蔵巡りの時もおすすめですが、ひとりで静かにお祈りするのも良いですよ。

源光寺

住所:京都府京都市右京区常盤馬塚町1
電話:075-881-6807
常盤駅より東南へ徒歩3分

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