トパーズは「青?」「黄色?」えっ!これもトパーズ?!

トパーズは何色? と尋ねられたら、若い人は青色と答える人が多いと思います。年配の人は黄色と答える人が多いと思います。
トパーズの日本名(和名)は黄玉(おうぎょく)と呼ばれ、年配の人には黄色のイメージが定着しています。確かにトパーズは黄色や無色の産出が多いです。
しかし、最近、流通しているトパーズのほとんどは青色です。鮮やかな青色が多いです。
そのトパーズは手頃な価格で若い人も購入しやすいです。
トパーズは多彩な色で産出します。黄色を筆頭に橙色、ピンク色、赤色、淡青色、淡緑青色、褐色、そして無色です。トパーズの変化に富む色は、トルマリンやガーネットの多彩色に似ています。

シェリー酒の色「インペリアル・トパーズ」

トパーズの中で最も高価な色は、古くから「シェリー酒の色」と言われ、この色のトパーズは「インペリアル・トパーズ」と呼ばれています。
右上の写真はグラスに注がれたシェリー酒の色を示してい
ます。
右下の写真はインペリアル・トパーズの一例です。(写真:GIA)
インペリアル・トパーズの色を表現する言葉として、レディッシュ・オレンジ(赤色味を帯びた橙色)が使われます。実際には少し褐色味を帯びた色までも含まれます。
百貨店の宝石フロアや街中の宝石専門店には、インペリアル・トパーズやレッド・トパーズが並んでいますが、一般にこれらのトパーズの色に出会う機会は少ないです。

青いトパーズはもともとレアストーン

私達が普段に出会うトパーズの色はほとんど青色です。その青色は、アクアマリンと比較して、より鮮やかでより濃く、より美しい魅力的な青色です。そして手頃な価格ですので、市中にブルー・トパーズがあふれています。
なぜこれほどブルー・トパーズがあふれているのでしょうか? 自然に産するブルー・トパーズは比較的淡い青色で、産出も希です。産出量が非常に少ないのに、ブルー・トパーズが身近にたくさんあります。
不思議な現象ですが、1970年代後半からブルー・トパーズに激変が起こったのです。
この頃、無色透明なトパーズ(カラーレス・トパーズ)に放射線を照射し、その後加熱処理すると、無色から青色に変化することが発見されたのです。
宝石の歴史の中でも、ブルー・トパーズの改変(無色→青色)は特筆すべきことです。この発見によって、世界の多くの女性の指や耳、首元に美しい青色の宝石が輝くことになったのです。
カラーレス・トパーズは放射線照射と加熱処理で青色に変化します。この放射線照射に多少の不安を抱かれる人も居ると思われます。しかし、心配は要りません。私達が日常で自然界から受ける放射線の量と比較して、身に付けているブルー・トパーズから受ける放射線の量は、はるかに少ないです。安心して装着できます。
カラーレス・トパーズは比較的多くの国(例えば、スリランカなど)で産出します。このカラーレス・トパーズは主にドイツに送られて放射線照射と加熱処理が行われ、ブルー・トパーズに改変されています。

濃さの違う3種のブルー・トパーズ

市中で見られるブルー・トパーズの色は三種類に分類されます。ひとつはスカイ・ブルー、そしてスイス・ブルー、さらにロンドン・ブルーです。スカイ・ブルーは明るい淡い空色です。スイス・ブルーは明るい濃い青色です。ロンドン・ブルーは藍色味を帯びた濃い青色です。右の写真は上から順にスカイ・ブルー、スイス・ブルー、ロンドン・ブルーの例です。
スイス・ブルーとロンドン・ブルーの名称は、当初、レブロン社(アメリカ、化粧品メーカー)の青色系アイシャドーに使われていました。宝石業界がこの名称をブルー・トパーズにあてました。

カラーレス・トパーズに放射線を照射して加熱処理を行うと、ブルー・トパーズに変化します。放射線を照射する時間によって、色が決まります。スカイ・ブルーの色が最も照射量が少なく、ロンドン・ブルーの色が最も照射量が多いです。
コスト(製造原価)を比較すると、照射量が最も多いロンドン・ブルーが高いと言えます。市中の販売価格もロンドン・ブルーがより高いです。
次にドイツで放射線照射と加熱処理されたトパーズの原石写真を下に示します。左からスカイ・ブルーの原石、スイス・ブルーの原石、ロンドン・ブルーの原石です。
ドイツ企業の実験、努力によって、今では希望するブルーの色を造り出せると言われています。(原石写真:GUNTER MEELIS)

カラーレス・トパーズが放射線と加熱によって、美しいブルーの色に変化することは驚くべきことです。何かのきっかけで偶然に発見したと推測されますが、発見者は世界の宝石業界に大きな貢献をしたと言えます。美しいブルー・トパーズは、今日も世界中の女性を輝かせています。