五大貴石もいいけれど、シックな装いにはもっと落ち着いたカラーの色石を身に着けたい!素敵に年齢を重ねていけば、ふと気づく宝石の好みの変化……。

今回はそんな淑女に送りたい、シトリンの魅力を徹底解説。比較的地味な宝石かもしれませんが、あの琥珀色の魅力は一言で形容できない深い魅力があるのです。

レモン色からコニャックカラーまで!シトリンってこんな石!

トパーズと並び、11月の誕生石に指定されているシトリン。シトリンって、あれっ、どんな宝石だっけ?と思う方も少なくなく、宝石の中でも比較的地味な印象を持たれがち。

しかし純度の高いはちみつのように深い橙色は、派手さこそないものの、どこか心を落ち着かせるような不思議な力がある気がします。

ここではそんなシトリンの特徴について改めてご紹介していきたいと思うので、ぜひシトリンという宝石のリアルを楽しんでいただければと思います。

実はアメジストの親戚です!シトリンの鉱物的特徴とは?

そう、何を隠そうシトリンはアメジストの親戚なんです!何をわけのわからないことを言っているの?と思う方もいることでしょう。

その理由は両者の化学組成にあり、アメジストもシトリンも二酸化ケイ素を主成分とする鉱物種クオーツに分類されるから。クオーツは和名で石英ですが、透明度が高いものも多く産出され、それぞれ水晶、紫水晶や黄水晶、ローズクオーツなど多種多様な宝石に別れています。

つまるところその付加元素の違いにより紫色の水晶がアメジスト、黄色の水晶をシトリンと区別し、それぞれ異なった宝石として独立しているのです。

因みにシトリンのうっとりするような飴色は、水晶に鉄が付加されることに由来しています。シトリンカラーは淡いレモン色からゴールドカラーまで幅があり、神秘的な太陽エネルギーの力で腎臓病を治癒するという伝承が言い伝えられています。

なおクオーツはあちらこちらで産出されますが、シトリンに限るとブラジルやマダガスカル、モザンビークやザンビアなどで見つかっていますが、その産出量はアメジストに比べて少なく、私たちが想像するシトリンカラーのナチュラルな原石は想像以上にレアなのです。
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ほとんどのシトリンは、実はアメジストだった!?

シトリンはメジャーな宝石に見えますが、実はあのシックな秋色はなかなか見られるものではありません。ここではそんなビックリな理由と、アメジストとの切っても切れない関係について迫ってみたいと思います。

天然シトリンはほとんど産出されない!

天然カラーのシトリンはブラジルで若干産出されますが、私たちが手に取って購入できるシトリンの多くは、いわゆる加熱処理をしているものなんです。

この加熱処理は宝石の色合いを強めることで施される人工処理のことですが、アメジストを約450度で加熱すると、高貴なパープルから、あっという間に薄いイエローに変色します。

天然カラーのシトリンが少ないからこそ、当たり前のように加熱処理が行われていますが、基本的に変色した色は変わることがないため、そのシトリンは生涯美しいコニャックカラーを維持することができるのです。(ただしザンビア産のものは、アメジストを加熱してもシトリンカラーになりません。)

なお加熱処理は、あくまでエンハンスメントと呼ばれる、その宝石が持っている性質を人工的に引き出すという意味なので、決してそれが天然ものではない!という意味ではないので誤解しないでくださいね!

アンティークジュエリーに見るシトリン

前述のようにジュエリークオリティーのシトリンは少なく、半貴石の中でもナチュラルシトリンは非常に高価に取引される宝石として知られています。

これは数百年前からも同様で、薄い色のシトリンをいかにしてコニャック色に見せるかに注視して、ジュエリーが制作されました。(勿論その時代は加熱処理という技術はありませんでした。)

今現在伝わるアンティークジュエリーに使われているシトリンは、主にインタリオやフォブシールに使われ、リングやネックレスに加工する際は、シトリンの下にシトリンカラーの金属箔を敷きクローズドセッティングで石留めして、その色合いを強調していきました。

つまるところ加熱処理をする代わりに、フォイルバックと呼ばれる色調に変化を与える処置をすることで、より味わい深いカラーと反射を楽しんでいたのです。

現代のシトリンは加熱処理したシトリンが多く流通していますが、ナチュラルのシトリンを楽しみたい方は、アンティークジュエリーにセッティングされたシトリンを購入してみるのもいいかもしれません。

こんなレアシトリンも!アメトリンって知ってる?

アメジストとシトリン、似て非なる宝石が実はこんなに興味深い関係を持っていたなんて驚きですね!なおアメジストにはなかなか面白いレアストーンがあり、それをアメトリンと呼びます。

つまるところアメジストなのに半分シトリン、という一粒で二度おいしいバイカラーの宝石のことです。薄紫と橙のグラデーションが美しく、現在はバイカラートルマリンに次ぐ人気を誇るレアストーンとして知られています。
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まとめ

今回は美しい橙が自慢のシトリンについて解説してみました。市場価格はなかなかお買い得で、シトリンってそのルックスの割にはお手軽!と思った方は、その理由が「加熱処理」にあると分かって頂けたと思います。

ただし前述のように、加熱処理のものでも列記とした天然石なので、加熱、非加熱にこだわらずに、お気に入りのシトリンを身に着けて楽しんでみてはいかがでしょうか?
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