シリカ

シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)のことです。代表的な例は石英(クォーツ)が挙げられます。石英は、私達の大地を構成する重要な鉱物です。私達は通勤や通学のとき、舗装されてない小道を歩くことも多いと思います。その小道には大小の石英が必ずあります。私達はいつも石英を踏んで歩いていることになります。石英とは気付かずに私達は石英と接しています。
小道にある石英は、宝石レベルのものはほとんどありません。多くは小さな粒ですので、宝石としては使用できません。

半貴石と貴石

シリカ・グループに属する石は、私達が比較的多く耳にするものが多いです。石英の他に水晶、アメシスト(紫水晶)、シトリン(黄水晶)、メノウ、カルセドニーなどがあります。これらの石はすべて半貴石と呼ばれています。ダイヤモンドやルビーは貴石と呼ばれています。
宝石の三条件である美しさ、希少性、硬さの視点で石英とダイヤモンドを比較すると、
特に希少性、硬さの点で石英はダイヤモンドに及ばないと言えます。そこで、石英は半貴石に分類しようという考えがあります。半貴石は準宝石と考えてもよいと思います。
シリカ・グループの中にオパールもあります。オパールは貴石に分類されます。オパールはシリカ・グループの中の例外的な石です。
半貴石と貴石の間に明確な基準はありません。ひとつの目安として、硬さで分けようという考えもあります。

遊色効果

シリカ・グループの中に日本人に好まれる石があります。その石はオパールです。オパールを詳しく観察すると、部分的に違う色が見られます。橙色や黄色、緑色、青色などいろいろな色が見られます。虹色のように多彩な色が見られる現象は遊色効果と呼ばれています。オパールの魅力は遊色効果にあります。右の写真は10倍に拡大して観察したオパールです。

斑(ふ)

オパールの魅力は遊色効果を持つことにあります。
遊色は橙色、黄色、緑色、青色などの領域に分かれています。この部分部分は斑(ふ)と呼ばれています。オパールは極微細な球(シリカの球)の集合です。この球が比較的大きいサイズの場合は赤色系の発色となります。この球が比較的小さいサイズの場合は青色系の発色となります。

プレシャス・オパールとコモン・オパール

オパールには遊色効果が見られるものと見られないものがあります。前者はプレシャス・オパール(貴オパール)、後者はコモン・オパール(普通オパール)と呼ばれています。宝石として売買されるオパールは、遊色が見られるプレシャス・オパールです。
通常見られるコモン・オパールは、白色の半透明な魅力に乏しい石です。半貴石に分類される石です。
しかし、遊色効果を示さないが、魅力的なオパールもあります。それはメキシコ産の赤色やオレンジ色の透明な美しいオパールです。ファイア・オパールと呼ばれるこの美しいオパールは、ほとんど遊色効果を示さないので、分類上はコモン・オパールになります。しかしながら、この美しいファイア・オパールは例外的にプレシャス・オパールに入れようという専門家もいます。比較的少ないですが、ファイア・オパール中には遊色効果を示すものもあります。

結晶と非晶質と潜晶質

シリカ・グループに属する石は、大きく3種類に分けられます。結晶と非晶質と潜晶質です。結晶の例としてアメシスト、非晶質の例としてオパール、潜晶質の例としてメノウが挙げられます。
結晶とは原子が規則正しく整列している状態をいいます。シリカの結晶ではケイ素(Si)元素と酸素(O)元素が規則正しく整列しています。
非晶質とは元素が不規則に分布している状態をいいます。シリカの非晶質の例はオパールです。オパールではケイ素元素と酸素元素が不規則に分布しています。
潜晶質とは小さな結晶の集合体をいいます。小さな結晶のサイズは光学顕微鏡でようやく観察できるほどです。

メノウ(瑪瑙)

メノウはシリカ・グループに属し潜晶質です。そして縞状の外観を示すものをいいます。縞状外観を示すものはメノウと呼ばれていますが、さらにいくつか細分された名称が使われます。黒色と白色の縞を持つメノウはオニキスと呼ばれ、赤褐色と白色の縞を持つメノウはサードニクス(サードオニキス)と呼ばれています。
その他、地色(本体の色)が青色で縞模様を持つ場合はブルー・アゲート、地色が緑色で縞模様を持つ場合はグリーン・アゲートと呼ばれています。アゲートはメノウの英語表記です。

カルセドニー(玉ずい)

潜晶質のシリカで、外観が均質の場合、カルセドニーと呼ばれています。カルセドニーは英語表記ですが、日本語では玉ずいと呼ばれています。しかし玉ずいという表現は余り使われません。通常はカルセドニーといいます。

マシーブ(塊状)

シリカ・グループは大きく分けると、結晶系、非晶質系、潜晶質系になります。シリカ・グループの石について、原石の形状を観察すると違いがあります。結晶系の石英の産出状態を見ると、六角形をした柱状であり、平面を持っています。一方、非晶質のオパールや潜晶質のメノウなどは、平面を持っていません。塊状で産出します。この塊状のことをマシーブといいます。

カメオ

メノウや貝殻などに人物像を浮き彫りに加工したものはカメオと呼ばれています。しばしばメノウが使われます。特にメノウの縞模様、赤褐色と白色の2層を利用したものが多いです。これはストーン・カメオと呼ばれています。