オリエンタルな宝石として日本でも知名度の高い翡翠。気品が溢れる、どちらかというと年配の女性が身に着けているという先入観がある翡翠ですが、今回は知っているようであまり分からない、そんな宝石としての翡翠の魅力に迫っていきたいと思います。

そもそも翡翠とは?その特徴、種類を見てみよう

勾玉に使われたり、武具やビーズとして使われることの多い翡翠。カワセミの美しい羽色と比較される美しい緑色が特徴の翡翠、ここではまず鉱物としての特徴、その混同しやすい種類について解説していきましょう。

5000年の歴史!勾玉でお馴染みの翡翠の特徴

スペイン語でPiedra de JADEと呼ばれる宝石があります。それが日本で翡翠と呼ばれている石なのですが、この宝石を定義することは若干困難が生じます。

通常翡翠と呼ばれるものは、ジェダイトと呼ばれる石です。硬玉とも呼ばれますが、それと混同されて同一視されてきた石が軟玉のネフライト。

ジェダイトとネフライトは化学組成も異なりますが、前者は翡翠輝石、後者はアクチノライトが主要の構成成分です。名前の通り硬玉の方が硬く、緑色の色彩が類似していることから包括的にこの硬玉、軟玉の2種を翡翠と見なします。広義には翡翠と呼べないような成分の緑色の石をひっくるめて翡翠と呼ぶこともありますが、通常翡翠はジェダイトとネフライトに別れると考えていいでしょう。

これらの異なる種の翡翠を区別する為に、しばしジェダイトのことを本翡翠と呼ぶこともあります。

翡翠は緑色という固定概念がありますが、実際は白、黄色、赤、紫、青、茶褐色に黒色など様々な色合いをみせます。希少価値が特に高いものとして、クロムによってエメラルド様の色合いを見せ、インペリアル翡翠と呼ばれます。それぞれに付加するイオンによって色合いは異なりますが、ダイオプサイドとエジリン輝石を含んだ黒色を含んだ石は、クロロメラナイトと呼んでいます。

実は日本でも採掘可能な翡翠

翡翠は非常に靭性が高い宝石と知られており、モース硬度は決して高くありませんが、簡単には割れない物理的性質があり中国などでは伝統的に彫刻の材料として多用されました。

そもそも中国ではネフライト、つまり軟玉しか採掘されませんでしたが、18世紀にミャンマー北部で硬玉が発見されて以降は多くのジェダイトが中国に運ばれ、それらは神の石として崇められました。

因みに日本でも新潟県の糸魚川の海岸でジェダイトが発見されたことはセンセーショナルな出来事として話題を集め、糸魚川翡翠と呼ばれ多くの翡翠原石が発見されています。

因みに北海道の日高地域ではクロム透輝石を含む美しい緑色の石が採掘され、翡翠様の外観から日高翡翠と呼ばれていますが、こちらはあくまでフォールスネームであり、本物の翡翠ではありません。
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(こちらはラリマーです)

必見!翡翠の価値と購入の際に気を付けたい人為処理

実は翡翠にはかなりその品質に差があることで知られ、人為処理やいわゆる模造品も多く存在します。

翡翠を購入する上で、それらの違いや見分け方を把握することは大切になってくるので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

A貨、B貨、C貨って何?翡翠の価値と見分け方

まず基本的な知識として硬玉の方が軟玉よりはるかに価値が高くなります。しかし後述しますが翡翠には多くの人為加工がなされ、その石の状態によってアルファベットによるランク分けがされるのです。

まず透明度が高い硬玉であること、そしてインクルージョンの少ない緑色をしていれば、その評価ポイントは高まります。

またラベンダーを思わせる美しい色のものも価値が高まることを覚えておきましょう。

その評価の度合いはAからDに別れ、A貨は処理が一切されていないもの、B貨は含浸処理、漂白を行っているもの、C貨は染色を施したもの、D貨はいわゆるダブレットのようなものでサンドイッチ状に真ん中に色石を挟み、上下を低品質の翡翠で接着したものです。

当たり前ではありますがA貨の翡翠は非常に価値が高く、数百万円で取引されるものも少なくありません。

人為処理を施した翡翠、模造宝石の翡翠もあるので購入時には注意

翡翠は非常に多くのケースで、染色、含浸処理が行われています。つまり染料につけて美しい緑、リラ色にしたり、酸や樹脂を利用して審美性を高めるのです。

また塩酸を利用し加熱処理を施すことで、クリアな緑色の翡翠にすることができます。あまり認知されていませんが放射線による処理をすることで、ラベンダー色の美しい翡翠を作り出すことも可能ですが、染色以外の人為処理の真贋はかなり難しいのが現状です。

一つの目安としては最高級の緑色ろうかんを思わせる石は、この手の加工がされている可能性が高いので手を出さない方がベターと言えるでしょう。
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(こちらはクンツァイトです)

まとめ

翡翠はジェダイト(硬玉)、ネフライト(軟玉)の二種類に別れますが、基本的にそれらの構造は異なります。

ぱっと見ただけではその違いは分かりませんが、主要なカラーを包括するヴァリエーションがあり特にアジア圏で人気が高い宝石です。

その価値の基準は4段階に分かれており、消費者にとっては悩ましいところですが、その色合いの割に破格の値段、一切の汚れ、不純物も見当たらないものは、ハードな人為処理を施している可能性が高いので注意が必要です。

翡翠の定義はかなり難しい点は否めませんが、まずはジェダイト、ネフライトに別れ、非常に強い靭性を持っているということは最低限覚えておくといいでしょう。