7月の誕生石として知られ、それこそ世代を超えて愛されるルビー。多くの女性がルビーに憧れ恋焦がれ、そして一つはそのピースがジュエリーボックスに眠っているのではないでしょうか?

今回はそんなルビーの中でも格別の色合いを見せる、ピジョンブラッドルビーについてお話していきたいと思います。ルビーの基本的性質や記憶に留めるべき面白い逸話も紹介していくので、ぜひルビーの美しい魅力に浸ってみてくださいね!

ルビーの赤の秘密は何?ピジョンブラッドと形容される赤色とは

ルビーは非常にメジャーな宝石で、ダイヤモンド、エメラルド、サファイア(ブルー)とアレキサンドライトと共に世界5大宝石を構成する貴石です。

他のどんな色にも染まらない、そんなベルベッドレッドが眩しいルビーですが、ここではルビーの鉱物的特徴からその色合いについて検証していきましょう。

ルビーは赤いコランダムのこと

ルビーはコランダムという鉱物種の一つで、モース硬度9を誇る非常に硬い宝石です。コランダムは酸化アルミニウムを含む鉱物の事で、その色の範囲によって命名される宝石は異なります。

つまり赤い色を呈するコランダムをルビー、青いものをサファイア、薄いピンク色のものはパパラチアサファイアなど、赤色のもの以外は全てサファイアと呼ばれているのです。例えば赤い色が薄いコランダムは、決してルビーとは呼ばれません。そしてルビー、ブルーサファイア以外のコランダムは総称して、ファンシーカラーサファイアと呼ぶことも覚えておきましょう。

ルビーは主にモザンビーク、ミャンマー、タイなどで産出されますが、発色をよくするために加熱処理されていることも多く、資産価値の面でルビーを購入する場合は非加熱のものを購入しましょう。

決してレアストーンではありませんが、産出する場所によってその色味やカラットもずいぶん異なり、特にミャンマーのモゴック地域で取れるルビーはその色の濃度、透明度が素晴らしく高値で市場に流通しています。またこの地域で取れるルビーは紫外線に対する傾向性を示すため、この特性がミャンマー産ルビーを識別するポイントにもなっています。

昨今モザンビーク産のルビーの存在感が大きくなってきましたが、モゴック産ルビーと比べるとその採掘の歴史、橙色を帯びたその色合いから、市場ではまだ安定した人気は定まっていないのが現状です。

希少性を示す赤色ピジョンブラッド

ピジョンブラッドという言葉はよく目にしますが、これは最高の品質を誇るルビーに着けられる最大限の賞賛であり、価値を保証するネームバリューです。

ピジョンブラッドは、英語でハトの血を意味しますが、つまりは彼らの滴る血のように真っ赤な濃度を誇るルビーのことで、ルビーの中でも大変高価な分類のものを示します。

ピジョンブラッドと形容されるルビーは大粒のカラットで加熱処理が行われていない、そしてモビック産のルビーであることが求められます。

ただしピジョンブラッドの色の定義は非常にあいまいであるため、各鑑別機関が定義するピジョンブラッドルビーのカラーは一概に一定ではありません。

私が想像するピジョンブラッドは、それこそ透き通るようなワインレッドですが、ルビーによってはピンク、または紫がかったようなルビーもピジョンブラッドとして扱われることもあります。
K18WG ルビー 1.0ct ダイヤモンド 0.5ct フラワーピアス

英国王室の至宝がルビーではなかった事実に驚愕!

ルビーはイエスキリストが流した鮮血と形容されることも少なくありませんでした。

また旧約聖書には、エルサレムの城壁が12の宝石で飾られ、その中の一つがユダヤ12氏族の一つを象徴とするルビーであったと伝わっています。

このようにルビーには神々しい伝説と関連付けられており、それ以来様々な形でルビーが宗教美術または王侯貴族のためのジュエリーに加工されていったのです。

ここでは数あるルビーの中でも、長い歴史と威厳、そして奇妙な逸話が残されている英国王室の至宝についてご紹介したいと思います。

黒太子のルビーの謎

黒太子のルビー、なんだかファンタジー小説に出てきそうな宝石ですが、こちらは大英帝国のクラウンジュエリーに埋め込まれたルビーの事です。

170カラットにも及ぶ非常に大きなピジョンブラッドを思わせるルビー、重さはなんと34グラムもある、まさに怪物級のルビーとしてイギリス王室に伝わってきました。(この王冠には世界で2番目に大きいダイヤ、カナリンダイヤモンドもセッティングされており、現在ロンドン塔に所蔵されています。)

ネーミングの黒太子とはブラックプリンスの名で有名な王太子エドワードによるもの。フランスとの百年戦争時に大活躍を収めた優秀な軍人でもあるエドワードが、1300年半ばにスペインのペドロ1世から手に入れたものと言われています。

なお黒太子と呼ばれたその理由は諸説ありますが、一つの説によると、百年戦争時に身に着けていた鎧兜が漆黒だったからだそう……。

前置きが長くなりましたが、この黒太子のルビー、実は長い間ルビーだと考えられていた宝石は、実はルビーではなくレッドスピネルだったのです。つまりこのクラウンジュエリーが作られた当時は、レッドスピネル、ガーネットとルビーの違いが判明しておらず、しばしこれらの赤色宝石は混同されてきました。

世界第二の歴史を誇る英国王室のクラウンはピジョンブラッドに相応しい、流石英国王室の王室財産は違うな!と思ったら実はレッドスピネルだったという大逆転ヒストリー。スピネルはスピネルのラズベリーレッドが魅力で、黒太子のルビー同様にカボションカットのスピネルは瑞々しい魅力を放つ宝石です。

単に鉱物の市場価値だけで考えたらルビー>スピネルではありますが、こうしてスピネルがルビーと間違われ後世に伝わった、そんな事実こそが一つの宝飾史として成り立ち、これからも語り継がれていくのでしょう。
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まとめ

今回はルビー、特にピジョンブラッドと呼ばれる最高品質のルビーについて、お話していきました。正真正銘のピジョンブラッドを、手に取り身に着ける機会こそ多くはないと思います。

しかしジュエリー品質のルビーであれば産地に限らず、十分その魅力を感じとることができるはずなので、ぜひ深紅のルビーを身に着けて、優雅なそのカラーを楽しんでみてくださいね。
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