ブルー系の宝石の中でも、アイオライトは昨今よく耳にする宝石の1つです。ラベンダー色に揺れる輝きはまるでサファイア。サファイアに比べて知名度こそあまりありませんが、実はとってもクリアで美しいブルーを呈する宝石なんです。
今回はそんなアイオライトの魅力をご紹介していくので、ぜひ皆さんもアイオライトの紺碧の青の虜になって頂ければ幸いです。
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別名ウォーターサファイア！アイオライトの秘密をメス入れ！
様々な青石がありますが、アイオライトはそれらと比べても透明度が高く、どんなカットをしても美しく映える宝石です。アイオライト？という方もいると思うので、ここではアイオライトの宝石としての特徴から、その美しさの秘密を検証していきましょう。
アイオライトの鉱物的特徴まとめ
アイオライトの和名は菫青石（きんせいせき）で、その名前の通り、非常にクリアな青色を呈する宝石です。ブルーと一言で言っても、サファイアのような青色から、タンザナイトのような青紫色に呈するものまで様々。
産出する場所は主にスリランカ、インド、ミャンマーですが、安定した産出量を誇るので、決してレアストーンではありません。アイオライトは「ウォーターサファイア」とも呼ばれ、特に透明度が高く青色が濃いものは高く取引されています。また無色透明のホワイトアイオライトは別名「ホワイト・コーデェライト」と呼ばれ、レアストーンとして鉱物マニアに人気です。
またアイオライトは強い多色性を示すことでも知られており、のぞき込む角度によっては無色、黄色または褐色などに見えることがあり、視覚的にも楽しめる宝石と言えるでしょう。
この多色性はカットの仕方に依存することが多く、中にはそのグラデーションにネガティブな印象を持つ方もいますが、一つの宝石のパーソナリティーと考えれば非常に興味深い宝石と言えますね。
アイオライトは先ほど説明した通り、珍しい宝石ではないため、カラット数が大きくなっても、その市場価格は大きな動きを見せないため、コストパフォーマンスにも優れている点も見逃せないメリットになり得ることも付け加えておきましょう。
アイオライトの伝説が面白い
皆さんはオーストリア皇后エリザベートに愛されたお菓子、すみれの砂糖漬けをご存知でしょうか？アイオライトはそんな高貴な菓子にも似た、濃いすみれ色を呈します。
サファイア、タンザナイトにパライバトルマリン、青色石の人気は続きますが、すみれの花の色と形容できるようなアイオライトは、身に着ける者を引き立てる強い存在感を与えてくれるはず。
このアイオライトはギリシャ語でイオス（青紫）、ライト（石）を意味する言葉から命名されており、その群青ブルーの存在感に負けない位の面白い伝説を持っています。
多くの鉱物が様々な言い伝え、伝説を持ち、神話やキリスト教と密接な関わり合いがありますが、アイオライトの伝説はなんと北欧のヴァイキングに由来するのです。
つまるところアイオライトをスライスした断片を用いて、今現在太陽がどこにあるのかを認識するため、偏光フィルターとして使っていたという言い伝えが残っています。
実際に北欧の学者が調査したところによると、多色性、複屈折性という特徴を用いた偏光フィルターの役割は、ほぼほぼ太陽の現在地を測定することができると結論付けたそう……。
まさかアイオライトが大航海時代のヴァイキングたちによって、非常に論理的に利用されてきたと思うと、なんだか石の魔力やロマンを感じずにはいられませんね。
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アイオライトを楽しむために気を付けたいポイント
宝石はそれぞれ鉱物的に異なる特徴を持っていますが、果たしてアイオライトのデイリーユースにはどのような注意を払えばいいのでしょうか？
中には放射線処理をしたものも……
アイオライトはその融点が低いため、その発色を強めるための加熱処理は一般的に行われません。そのためほとんどのアイオライトは化学処理がされていない天然石であることは、大きなメリットになり得ます。
しかし最近は放射線を照射することで、その色味を強めるケースも出てきているので、宝石の価値に重点を置く場合は、放射線処理をしているのか否かをしっかり把握してから購入してくだい。
サファイアの名前で売られることも
その別名、そしてその色合いからもわかる通り、アイオライトはサファイアと間違われやすいことには要注意。つまり小売業者がアイオライトをサファイアと偽装するケースが、少ないながらも確認されています。
つまり高品質で美しい青色をしたアイオライトは、しばしば高価なサファイアとして販売されることもあるので、特に海外業者のオンライン購入時には注意が必要です。（いくら美しい発色のアイオライトでも、サファイアの方が市場価格は高額！）
極度の温度変化や衝撃に注意！
アイオライトのモース硬度は比較的高く7～7.5程度。そのため様々なジュエリーに加工が可能ですが、ある一方向に割れやすい劈開（へきかい）性を持っているのでその点には注意が必要です。
特に衝撃が加わりやすい指輪にアイオライトがセッティングされている場合には、付けっぱなしの着用はあまり推奨できません。また急激な温度変化にも弱い点も覚えておきましょう。
どうしても汚れが気になる場合は、ぬるま湯の石鹸水に入れ、優しく歯ブラシで掃いお手入れをしてください。
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まとめ
約1000年前のヴァイキングとの関連性があるとは、アイオライトもなかなか興味深い歴史がある宝石ですね。
他の青色宝石の中ではあまり目立たない印象を持つアイオライトですが、実際この目でクリアなすみれ色を眺めてみると、思わずハッとする美しさに驚くはず。
多色性、そして値段もそこそこに大粒カラットを楽しめる、そんな特色を最大限利用して、ぜひアイオライトの輝きに酔いしれてみてはいかがでしょうか？朝の陽光に映えるだけでなく、夜に妖しく光るその煌きも、女性の気品を際立たせること間違いなし！
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