バレエは素晴らしい踊りのほかに美しい音楽とストーリーが相まって心に残る作品となります。音楽に合わせた踊りに気持ちをのせて表現する様子はまさに芸術。心が動かされる瞬間があります。
ただしバレエにはセリフがないので、あまりに複雑なストーリーだと展開についていけない…なんてことも。今回ご紹介するバレエ作品「人形の精」はそれほどメジャーではないかもしれません。でも老若男女誰が見ても理解でき、ちょっぴり心が温かくなるようなシンプルなストーリーと可愛らしい世界観が際立つ名作です。
「妖精の精」あらすじ
とある町に、まるで人間のようにも見える人形を売るおもちゃ屋さんがありました。そこで働く見習いの少年は、よく失敗やいたずらをするので、毎日のように店主に怒られていました。
ある日、お金持ちのお客様がやってきました。店主はお店にある様々な人形を動かしてお客様に次々と見せていきます。お客様の子どもたちは人間そっくりの精巧な人形を見て大喜び。
そこで店主は店の奥からとっておきの人形を出してきました。それは貴重でとても美しいフェアリードール(人形の精)と呼ばれているものでした。子どもたちはフェアリードールをひと目で気に入り、お客様はその美しい人形を注文して帰っていきました。店主は高価な人形が売れたことを喜び、店じまいをして帰宅の途につきましたが、疲れた見習いの少年は店内で眠ってしまいます。
その日真夜中を過ぎた時刻。フェアリードールの合図で店内の人形たちが次々と目を覚まし、たくさんの人形が一晩中舞い踊ります。そして夜が明けるころ、人形たちはそれぞれの場所に戻ります。そこへ店主が入ってきました。
店主は眠り込んでしまっていた見習いの少年に気が付き、怒ろうとします。すると再び人形たちが動き出し、店主は驚くのでした。
作品の見どころは?
この作品は1888年のウィーンで発表されたヨーゼフバイヤーの作品です。今でもウィーン国立歌劇場で定期的に上演され、国民に愛されているバレエのひとつです。
華やかで明るい内容となっていて、終盤で繰り広げられる人形の精とハレ―キン(ピエロ)2人によるパドトロワ(3人の踊り)がハイライトとなっています。
そんな店主とっておきの人形フェアリードールですが、ほかにもたくさんの人形が作品中に出てきます。陶器でできた人形やレースをふんだんにあしらった人形などはお衣装で表現されていて目を引きます。また日本でも似たようなものがある小さな太鼓を打ち鳴らす動物人形、まるで赤ずきんを被った置き上がりこぼしを連想するようなコミカルでチャーミングな小さい人形。そして世界各国の扮装を纏った個性豊かな人形。その中には日本人形も出てきます。海外から見た日本人形の印象もまたおもしろいです。
妖精は身近な存在?!
日本ではあまりなじみのない妖精。ですが海外では日常的な習慣を始め、文学や映画作品などでも頻繁に登場します。西洋で一般的な日常の妖精をご紹介したいと思います。
子どもから大人になる段階で人は歯が生え変わりますよね。20本あった乳歯は5歳ころから少しずつ生え変わり始め、親知らずを含むと全部で32本になります。それではその抜けた歯をどうしていますか?日本ではきれいに生えそろうように願いを込めて「下の歯は上に、上の歯は下に投げる」という言い伝えがあります。そのほか近年抜けた歯を取っておくケースも人気で記念に残す人も多いようです。
ですが西洋では抜けた歯を枕元に置いておくと、「トゥースフェアリー」と呼ばれる妖精が夜中にこっそり持って行ってお礼に硬貨をお返ししてくれるのだとか。持って行った歯は何に使うのかしら…空想するのもまたおもしろいものです。
このように妖精たちは自由に日々生き生きと暮らしていて、それは私たち人間とフィールドが近いので、私たちの想像力に触れてくるのかもしれません。
一度は着けたいメルヘンジュエリー!大人かわいいネックレス
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まとめ
今回はバレエ作品「人形の精」を取り上げました。バレエには「白鳥の湖」「くるみ割り人形」など一度は耳にしたことがあるようなメジャーなものから今回ご紹介した「人形の精」のように少々マニアックなものまで、たくさんの作品があります。その中にはストーリーがシンプルで小さな子どもでも理解できるようなものもあるので、気軽に観劇するチャンスがあったらいいなと思います。日常とは違った世界に触れたとき、またひとつ人生を豊かにしてくれることでしょう。