花嫁がバージンロードから入場してくるシーンは、結婚式でも感動的なシーンの1つです。実はバージンロードには、奥深い意味や由来があるのをご存じでしょうか。バージンロードの背景について深く知ると、結婚式がより感慨深いものになりますよ。
今回は、結婚式のバージンロードについて詳しくご紹介します。
チャペルのバージンロードとは
結婚式で、チャペルの入り口から祭壇まで花嫁が歩くバージンロード。この「バージンロード」という言葉は実は和製英語で、英語名では「ウエディング・アイル」(Wedding Aisle)、「アイル」(TheAisle)、「ウェディングロード」(Wedding road)など呼ばれています。直訳すると「花嫁の道」という意味合いになり、花嫁が生まれてからこれまでの一生を表しているといわれているのです。
まず、バージンロードを歩く前には、新婦の母親やこれまで新婦を見守ってきた大切な人が花嫁のベールを下ろす「ベールダウン」の儀式が行われます。このベールダウンは、これまで育ててきた最愛の娘を送り出す「最後の身支度」といわれているほか、ベールダウンを行った後は「母親のおなかの中に一度戻る」という意味合いもあるのです。
その後チャペルの扉を開けた瞬間に、花嫁が誕生。ここから、彼女の人生が始まります。そして、歩み続ける1歩1歩は「1年」と考えられており、1歩ずつ人生を噛みしめるように進んでいくのです。
扉から聖壇までは、花嫁の「これまでの人生」。ここまでは、新婦の父親と歩くケースが多いですが、母親、祖父母など大切に育ててくれた人と歩く人もいるでしょう。
そして、神父が待つ聖壇は「現在」を表しており、聖壇でパートナーと愛を誓い、そこから2人で歩く道は「これからの人生」を表しています。こうして、バージンロードを歩く花嫁はこれまでの人生を振り返りながら、新しい人生へと進んでいくのです。
バージンロードを歩く新婦は、これまでの人生を振り返りながら、そしてこれから進む新郎との新しい未来に思いを馳せていきます。その姿を見ている新郎や招かれたゲストたちは、まるで新婦のタイムラインを共有してもらっているような感慨深い気持ちになるでしょう。
バージンロードの由来は?
バージンロードの由来はいくつかありますが、その歴史は古代ローマ時代にまでさかのぼるともいわれています。
当時より、教会の通路は神聖なエリアといわれていましたが、西洋では「床下に潜む悪魔が、幸せで純真な花嫁に嫉妬してさらいにくる」という言い伝えがありました。そこで、悪魔から花嫁を守るために床下に白い布を敷いて魔除けとしたのが、バージンロードの始まりだといわれています。
また、バージンロードを歩く前のベールダウンの儀式にも「新婦を悪いものから守ってくれるように」という意味合いが込められていました。神聖な結婚式では、花嫁を守るためにお清めや魔除けとしての準備もしっかり行われていたのですね。
バージンロードの色について
バージンロードといえば、赤や白を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。バージンロードの色は、宗派によって使われる色が異なり、カトリックのバージンロードは赤や緑、プロテスタントは白が使われています。
赤いバージンロードは「精霊の祝福」や「命を共に歩む、命をささげるほど深い愛情」という意味合いがあります。赤には深い愛情や祝福のイメージもあるので、これから新しい歴史を刻み続ける2人にピッタリです。
緑のバージンロードには「希望」という意味合いがあります。「2人のこれから先の人生が希望で満ち溢れていますように」と願いを込めて緑のバージンロードをチョイスするのもおすすめです。
白いバージンロードは、「純真無垢」という意味のほか、「輝き」、「喜び」、「勝利」という意味合いも持っています。1歩1歩あるくごと、神聖さが感じられる白いバージンロードは、ウェディングドレスの白とも良く似合うため、白いバージンロードを希望するカップルも多いです。
最近では、赤、緑、白に加え、青いバージンロードも人気があります。とくに、海が見えるチャペルなどでは、バージンロードから一直線に海や空へ続く道ができるようなイメージになるので、青いバージンロードがあるチャペルを探す人も増えてきました。
また、番外編として、手作りのバージンロードを設置するケースもあります。先にご紹介したように、バージンロードは花嫁の人生を表していることから、バージンロードに花嫁の人生の年表を記載して、これまでの歴史をかみしめながら歩んでいくのもおもしろいですね。
ただ、式場によっては結婚式への持ち込み不可となっていることもありますので、手作りのバージンロードを持ち込む場合は、事前に式場に確認しておきましょう。
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まとめ
今回は、結婚式でおなじみのバージンロードの意味や由来についてご紹介しました。バージンロードは、花嫁にとってこれまでの人生を振り返り、そして新しい人生の扉が開かれるという意味合いが込められている神聖なセレモニー。その背景や意味を知ることで、新郎新婦にとっても参列するゲストにとってもより感動が深まりますよ。