当たり前のように宝石に囲まれた生活をしていると、どんな石が宝石として扱われるのか?ということを改めて考えることがなくなります。

価値のある資産価値の高い宝石から、コストパフォーマンスのよい宝石まで、好みに合わせてそれらを楽しむことができますが、ここでは初心に帰り、宝石の定義そして貴石、半貴石の違いについて解説していきたいと思います。

宝石の定義とは?異なる石が宝石として認知される条件

ルビー、サファイア、エメラルド、あなたはどんな宝石がお好みですか?ダイヤモンドは女性の憧れですし、最近はパライバトルマリンやタンザナイトなどが大変な人気を博していますが、ここではまず宝石として認知されるその条件に付いて考察してみたいと思います。

宝石の定義は大きく分けて3つに分かれる!

まず宝石にはこれら3つの条件を満たす必要があります。

① 希少性……自然界で取れる産出量のことで、市場価値を決定する要因になる。
② 耐久性……硬度や靭性など、石としての傷のつきにくさ、割れにくさなど。
③ 美しさ……各石が持つ視覚的な効果、つまり色合い、透明度、輝きに分散力など。

とてもシンプルな要素ではありますが、宝飾品に宝石として加工されるにはこれらの条件を満たさなければなりません。

宝石学の中では加熱、放射線処理等を施すことで色合いを美しくしたり、合成宝石をラボで作ることも大変メジャーですが、これらは天然の石よりも価値が低くなります。

宝石の見た目の美しさと希少性ばかりに目が行きがちですが、宝石としての耐久度もジュエリー加工の際に大変重要な項目になることも忘れてはなりません。

宝石の分類分けについてみてみよう

宝石として認識される為の条件はその硬度、美しさに希少性にあることがわかりました。また更に、CIBJOという機関が制定したルールによって、宝石は以下の区別分けが可能になります。

① 天然鉱物

自然の中で産出しラボで作られたものではなく、大きく分けて金属を排除した無機物の鉱物、または動植物が由来となっている有機物などの天然の鉱物を指します。

なお有機物でありながら天然の宝石として扱われるものは、サンゴやアンバー、真珠、鼈甲などがその例です。

鉱物学的な観点から言うと、鉱物は無機質で結晶内に規則的な原子配置、一定の化学組成を持つものと定義され、有機物は鉱物ではないと認知されます。つまり有機物は宝石になり得ないわけですが、鉱物とは異なる生物が生きてその過程で生まれた独特の美しさがゆえ、宝石として認知されます。

② 合成鉱物

字のままですが、部分的または全過程で人間がラボで作り出した鉱物のことを言います。自然と同様の化学構造、物理構造を持つ合成宝石、自然界には存在し得ない人造宝石や模造石、タブレット宝石などのことを言います。

その他にも宝石の分類に関してはいくつかパターンがありますが、天然であっても合成であっても基本的に宝石として扱われるということを覚えておきましょう。
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貴石って何?輝石との違いは?また半貴石という分類も検証

宝石の分類について簡単に解説してみました。ここではその宝石の価値に大きく影響を与えるであろう、貴石と半貴石の違いについてクローズアップしていきたいと思います。

貴石>半貴石>飾り石という分類の相違点について

まず大きな枠組みとしてこの貴石、半貴石の違いについて述べていきたいと思います。諸説ありますが、基本的に貴石は半貴石よりも価値が高い宝石として認識されているのです。

例えば世界四大宝石であるダイヤモンド、ルビー、サファイアにエメラルドは勿論貴石に分類されます。

半貴石がどこまでの範囲で決定されるのかについてですが、貴石よりその宝石としての価値が低いと考えられるものが半貴石です。飾り石、または装飾石というものはあまり聞きませんが、シンプルに説明をすると半貴石よりも価値がない宝石のこと。飾り石の例としては、ソーダライト、マラカイトや黒曜石などが挙げられます。

なお変換の際に輝石という言葉も出てきますが、こちらはケイ酸塩によるガラス光沢の輝石という鉱物を指しており、貴石とは全く意味合いが異なる点にも注意してください。

気になる輝石と半貴石の基準はそれぞれ異なる!

前述で例として世界四大宝石が貴石であると述べましたが、これはその市場価値を希少性に重きを置いたものです。その為世界五大宝石としても知られるアレキサンドライトがそこに含まれることもあります。

またその美しさを注視してオパール、ヒスイを貴石とする考えも存在しています。

その他にも世界で最も産出量が多い宝石として知られる石英の硬度(モース硬度7)を基準として、石英よりもその硬度が高いものを貴石、それよりも低いものを半貴石と判断することも可能です。

なおタンザナイトやパライバトルマリンなど非常に美しく、なおかつ市場価値が高い宝石などは半貴石として認知されていますが。しかし一方で貴石として取り扱われることもあるので、これらの分類はあってないようなものであり、非常に流動性に富んだものだということを分かって頂けたはずです。
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まとめ

今回は宝石とは?、そして貴石と半貴石の違いについて解説してみました。

あまり考えることがなかった宝石としての定義ですが、国際機関や国、それぞれのバイヤーによってもその価値の基準は異なる為、厳密さはそこにはありません。

しかし宝石を愛でる者として、知っておいて決して損をする内容ではないので、ぜひ頭の片隅にこれらの定義を覚えておいてくださいね!
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