皆さんは婚約指輪のダイヤモンドに、どれくらい強いこだわりを持っていますか?カラット?それともカラー?
しかしダイヤモンド選びのネックになるのはそのお値段。そんな懐事情もあり、昨今はダイヤモンドのような輝きを見せるモアッサナイトに注目が集まっています。

今回はそんなモアッサナイトについてスポットライトを当ててみたいと思うので、ぜひダイヤモンドと比較しながらその魅力を堪能してみてくださいね!

モアッサナイトはダイヤモンド類似石の一つ!

こちらのコラムでもくどいように使っている文句があります。

「ダイヤモンドは永遠の輝き」

非常によくできたダイヤモンドの美しさを捉えたキャッチコピーですが、永遠に輝く宝石はダイヤモンドだけにあらず!ダイヤモンド様に輝くダイヤモンド類似石だって、本家ダイヤモンドに負けない輝きを見せてくれます。

ダイヤモンドとは化学的、物理的性質は異なるけれど、その輝きがどこかダイヤモンドを思わせるものをダイヤ類似石と言い、キュービックジルコニアやジルコン、ロッククリスタルが挙げられますが、今回ご紹介するモアッサナイトもその一つ。

ここではダイヤモンド類似石の中でも、知名度はあまり高くない、そんなモアッサナイトの真実に迫ってみたいと思います。

鑑定士泣かせの宝石モアッサナイトとは?

現在は鑑定技術も向上してきましたが、街の宝石屋さんや質屋に持ち込まれると、かなり高い確率でダイヤモンドとして鑑定された石があります。そうそれがモアッサナイト……。

それだけクオリティーの高いダイヤモンドらしさを見せてくれるのですが、こちらモアッサナイトはダイヤモンドと化学的に似た性質を持つ炭化ケイ素から成る鉱物です。自然界にも存在しているそうですが、実際その量は皆無に近く、市場に流通しているものはほぼ全てが合成モアッサナイト!(ちなみに私の通う鉱物学会の教授曰く、天然モアッサナイトはないと断言していましたが……。)

モアッサナイトはフランスの鉱物学者アンリ・モアッサンが地上に墜落した隕石の中から発見した鉱物で、発見者であるモアッサン氏の名前を取り、モアッサナイトと命名されました。

この新種の鉱物はなかなかハードコアな硬さを誇り、研究室で作られた合成モアッサナイトは、宝石品質ではないダイヤモンドが工業用に使われるのと同様に、工業分野で利用されていきます。

ただしこの合成モアッサナイトはそれこそダイヤモンドと見間違うようなカラー、輝きを誇ることから宝飾品への加工も盛んになっていくのです。巷ではダイヤモンドの偽物というありがたくない形容が付いていますが、簡潔にまとめると、ダイヤモンドとは異なるものの、素晴らしいダイヤモンド様の輝きを楽しめる合成石として扱う分には全く問題はありません。

なお最近はモアッサナイト表面にイオンコーティングしたものも流通しており、ピンク、グリーン、ブルーなどの心トキメクファンシーカラーモアッサナイトも購入可能です。

徹底検証!モアッサナイトとダイヤモンドの違いはコレだ

ちょっと人とは違う婚約指輪を……、とモアッサナイトの巨大ルースをセットしたエンゲージメントリングを贈る方もいるそうです。

例えばキュービックジルコニアの婚約指輪だと「うーん……」となる方もいると思いますが、何故に婚約指輪のような人生の節目を飾るジュエリーにモアッサナイトが選ばれるのか?、そんな疑問についてダイヤモンドと比較しながら、その性質を解説していきたいと思います。

ダイヤモンドより強い屈折率

鉱物界で一番強い屈折率の数値2.41を持っているのがダイヤモンドです。屈折率が高いと入射した光が屈折と全反射を繰り返しながらダイヤ表面に出ていく為、強い虹色(ファイア)を見せるようになります。

今回ご紹介しているモアッサナイトのそれは、なんとダイヤモンドを超える2.65~2.69!という訳でダイヤモンド以上に虹色の輝きを楽しめる、そんな最強の美しさを誇っているのですね!

因みにダイヤモンド類似石の代名詞キュービックジルコニアの屈折率は2.13ほどで、モアッサナイトには到底かなわない数値となっています。

ダイヤモンドより輝く宝石と呼ばれる要因はこの屈折率の高さにあったのです。

硬度はダイヤモンドがより強い

ダイヤモンドはモース硬度が10と全世界で3番目に硬い鉱物として知られています。耐久性に優れたダイヤモンドと比べてモアッサナイトのモース硬度はというと9.5!

若干ひっかき傷に弱いのがモアッサナイトの弱点と言えば弱点ですが、この数値はサファイアやルビーのようなコランダムの9.0よりも、エメラルドの7.5よりも高い数値なので、宝石の中では非常に強い耐久力を持っていることには変わりありません。

ただしダイヤモンドは一方向に割れやすい劈開性を持っていますが、モアッサナイトは劈開が無い為、そのトータルの耐久性はダイヤモンドもモアッサナイトもほぼ同様の強さと考えてもいいでしょう。

徹底的な違いはそのプライス!

モアッサナイトはダイヤモンドと同様に、カラット、カラー、クラリティー、カットの4Cでその品質を判断する場合が少なくありません。勿論本物のダイヤモンドではないため、宝石鑑定機関による鑑定書は出せませんが、宝飾業界でモアッサナイトが注目されている理由は、そのコストパフォーマンスにあり!

希少性こそありませんが、ダイヤモンドのコストの1/10以上でお安く購入できる為、ダイヤモンドでは絶対実現しなかったモンスター級カラットの婚約指輪もモアッサナイトでは可能になるということです。

勿論ダイヤモンドと合成モアッサナイトは似て非なる鉱物なので、単純に値段を比較しても意味がないかもしれませんが、一つの基準として頭の片隅に入れておいてみたくださいね!

まとめ

今回はモアッサナイトについて解説をしてみました。

モアッサナイトのジュエリーは婚約指輪以外にも様々な宝飾品へ加工されているので、興味がある方はぜひネットサーフを楽しみながらモアッサの波に飲まれてみるのもいいでしょう。

ただし婚約指輪を選ぶ際は、独断でモアッサナイトを選ぶと後々愛する彼女とトラブルになることもあるので、お付き合いしている方の意見を汲んで慎重にリングは選んでくださいね!
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