なぜダイヤモンドは美しいのか

多くの人はダイヤモンドを見て「美しい」と感じます。美しいと感じる原因のひとつに「ファイア」が挙げられます。
ファイアとは、白色光(太陽光、白熱光など)が赤色、橙色、黄色などに分かれることを言います。具体的な例ではプリズムによる虹色現象です。小学校や中学校の理科の実験で行われています。

右図の通りです。
プリズムを通して白いスクリーンに太陽光線を導きますと、上から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の各色が現れます。

太陽光線やペンライト(白熱電球)は元々七色で構成されています。七色が混じっている場合は、人の眼では無色透明に見えます。プリズムは無色透明な太陽光線やペンライトの光線を7色に分ける力があります。
このように光がもの(プリズムやダイヤモンド)に当たり、その中に入って、光りが分かれる現象をファイアと言います。ファイアは、物理の世界では分散とも言います。

輝きの程度は数値化できる

ファイアの程度はもの(物質、素材)によって違います。その程度は数値で表示できます。例えば、ダイヤモンドは0.044という数値です。比較的大きな数値です。キュービック・ジルコニアは0.060です。ダイヤモンドよりも少し大きい数値です。
ファイアの測定は、国際的に紫色の光(G線、波長431nm)と赤色の光(B線、波長687nm)を使用します。この両波長を使ってダイヤモンドの屈折率を測定しますと、ファイアの数値が得られます。

431nm →  2.4514
687nm →  2.4073
差0.0441 → 0.044
実際、ダイヤモンドに上から光が入射しますと、右図のように分散現象が見られます。(ファイアが見られます。)
下図では、赤色光線と青色光線の動きを示しています。ダイヤモンドの中でこのように光が分かれますと、ダイヤモンドから出てくる光の中に、私達の眼は七色(赤橙黄緑青藍紫)を見ることができます。

ダイヤモンドのラウンド・ブリリアント・カットにおけるベゼル・ファセット(カイト・ファセット)は、ファイアをより引き出すために必要と言われています。

本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社