ルベルライト＝レッド・トルマリン
ルベライトとは赤色トルマリンをいいます。ですから、表示はレッド・トルマリンでもよいです。宝石市場では一般にルベライトという名前で流通しています。
ルベライトの赤色は、ルビーほどの鮮やかさはありません。かなり品質の良いルベライトでもやや暗赤色です。現在、ナイジェリア（アフリカ）産のルベライトが最もルビーの色に似ていると言われています。
トルマリンは多くの色で産出することで知られています。赤色（ルベライト）、ピンク色、緑色、黄色、青色、鮮青色（パライバ・トルマリン）、紫色、黒色などです。
特に鮮やかなネオン・ブルーのパライバ・トルマリンは人気が高く、産出量が限られていますので、今、市場では高価格で取引されています。
宝石の鑑別（ある石が何であるか、本物か偽物か、天然か合成かを判定すること）の視点から、ルベライトとルビーを識別できる眼力、ルーペ力を持っておくことは大切です。
ここで、ルビーのひとつの特性を知っておくと、鑑別に大いに役立ちます。「ルビーはどんな種類の光（例えば、豆球ペンライト、ＬＥＤペンライトなど）を当てても色は赤色を保ったままです」
ルベライトとルビーの識別方法
- ペンライト照射法
- 二色性観察法
- 二色鏡（携帯器具）使用法
- 分光器（携帯器具）使用法
- カラー・フィルター（携帯器具）使用法/li>
ルベライトでは褐色または黒色です。ルビーは真っ赤な色に見えます。
外観が同じように見えるルベライトとルビー（合成）の２石にペンライトを上から当てます（照射します）。ルベライトは薄い赤色に変化します。ルビーは強い赤色のままで変化はありません。むしろ光で強い赤色に見えます。
１０倍のルーペで石の側面（ガードル側）から観察します。ガードルの両側に現れる色を観察します。ある部分のファセット（平らな研磨面）に現れる色を観察します。
ルベライトでは紫赤色とピンク色。ルビーでは紫赤色と橙赤色（わずかに橙色味を帯びた赤色）が観察できます。
二色性を観察する携帯器具が二色鏡です。ルベライトでは紫色味のピンク色と極薄いピンク色です。ルビーでは紫赤色と橙赤色です。
ルベライトには明確な吸収ラインや吸収バンドはありません。ルビーでは赤色スペクトル（分光帯）の部分に黒い吸収ラインまたは白い蛍光ラインが見られます。