【宝石講座051】ダイヤモンドの故郷

長い時をかけて地球の中で育つダイヤモンド

ダイヤモンドはどこで生まれ、どこで育ったのでしょうか。そしてダイヤモンドは何才くらいになるのでしょうか。
ダイヤモンドは千年前にインドで発見されました。そのダイヤモンドは地表に転がっていたものと思われます。その後、ブラジルや南アフリカで発見されました。
地表に転がっていたダイヤモンドは、どこから来たのでしょうか。宇宙から飛来したものでしょうか。それとも地球の内部から飛び出して来たのでしょうか。
南アフリカでは、地中深く掘り進んで、ダイヤモンドを採掘していました。その結果、巨大な人工の穴が出現しています。
このようにダイヤモンドは地中の深くまで分布していることから、地球の内部で生まれたことが推測されます。
その後の研究で、ダイヤモンドは数千度の高い温度と数万気圧の高い圧力の下で、生まれ育つことが判りました。この高温、高圧の環境は、地球の奥深い場所になります。
補注：私達が住んでいる地表部は１気圧です。

奇跡の星で生まれる奇跡の石

ダイヤモンドが生まれた地球の深い場所は、地下１５０ｋｍ～２５０ｋｍと考えられています。地球の直径は約１２，７００ｋｍ（半径は約６，３５０ｋｍ）です。

地下１５０～２５０ｋｍは、地球の大きさと比較しますと、比較的浅い、表面に近い場所と言えます。右図参照。
この場所で顕微鏡サイズの小さな小さなダイヤモンドが生まれ、１カラット程度の大きさまでに育つには、何年を要したのでしょうか。正確な資料はありませんが、数千万年を要したものと推測されています。

そして私達が手にするダイヤモンドは、何年前に生まれたものでしょうか。数千年前、数万年前ではありません。遠い遠いはるかに遠い昔です。ダイヤモンドに含まれているある種の元素（サマリウムなど）を調べることで、年齢が予測できます。ダイヤモンドの年齢研究資料によりますと、ダイヤモンドが誕生した時期は１０億年前～３０億年前です。ダイヤモンドは遠い遠い昔に生まれ、地球の火山活動、造山活動によって、地下１５０ｋｍ～２５０ｋｍの地点から一気に地表に噴出したものと推測されています。