希少性と、色が人気のピンクダイヤモンド

流通しているダイヤモンドのほとんどは無色透明ですが、時にピンク色をしたダイヤモンドも見られます。産出されるそのダイヤモンドは比較的小さなサイズ(大きさ)が多いです。しかし、ピンク色のダイヤモンドという色相と希少性から人気があります。
市場のピンク・ダイヤモンドの90%~95%はオーストラリアのアーガイル(Argyle)鉱山産です。このアーガイル鉱山はオーストラリアの西北部に位置しています。下の地図中の黒丸印の位置です。

1979年10月2日、アーガイル湖近くの小川で一人の女性(Muggeridge)がダイヤモンドの原石を発見しました。そしてダイヤモンドが大量に眠っている場所をつ
き止めました。これがアーガイル鉱山です。そして1983年から本格的な採掘が始まりました。
このアーガイル鉱山さえもたくさんのピンク・ダイヤモンドが採れるわけではありません。その量はわずかです。

年間に採掘されているデータ(2017年)を見ると、合計17,135,000ct(カラット)が採掘されても、宝石質(宝石として販売できる品質)はおよそ5%しかありません。その5%の中の内訳は、ブラウン(茶色)80%、イエロー(黄色)15%、ホワイト(白色)4%、そしてピンク(ピンク色と緑色、赤色を含めて)1%です。ピンク・ダイヤモンドの産出量はきわめて少量です。
アーガイル鉱山を所有しているのは、世界最大手の資源開発会社・リオ・ティント(RioTinto)社(本社:ロンドン)です。
アーガイル鉱山は、当初、露天掘り(上から鉱石を掘るだけの簡単な採掘方法)でした。その大きさは縦2キロ、横1キロ、深さ0.6キロに達しました。しかし、2014年からは坑道(縦穴、横穴)を掘り進む方式になりました。次第に産出規模が小さくなってきています。
リオ・ティント社は、産出するダイヤモンドの主力を占めるブラウン・ダイヤモンドの販売戦略を練りました。広告宣伝を開始しました。10年間にわたるキャンペーンで一定の成功を得ました。今では、ブラウン・ダイヤモンドがテレビやネットでたくさん売られています。

ピンク・ダイヤモンドにも種類があります

ピンク・ダイヤモンドの美しさ(色の濃さ)は、6段階に分類されています。①ファンシー・ビビッド、②ファンシー・インテンス、③ファンシー・ディープ、④ファンシー・ダーク、⑤ファンシー、⑥ファンシー・ライト。

アーガイル鉱山産のピンク・ダイヤモンドには、ガードル部にアーガイルのマークと出荷番号が刻印されています。
2017年、香港のサザビーズ・オークションで巨大なピンク・ダイヤモンド、59.6カラットが79億円で落札されました。色はファンシー・ビビッドです。
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