その輝きで太古の昔から人々を魅了し、資産としても重宝されてきた「金(ゴールド)」。ジュエリーの世界でも、プラチナと並んで不動の人気を誇る貴金属です。
ところで、あなたが手にしているそのゴールドジュエリー、本当に「金」でしょうか?それとも「金メッキ」や「金張り」でしょうか?これらは見た目が似ていても、構造や価値、耐久性が全く異なります。
ジュエリーを長く愛用するためには、この違いを理解しておくことがとても大切。知っておけば、お手入れの方法や、購入時の賢い選択にも繋がります。
この記事では、「金メッキ」「金張り」「ヴェルメイユ」という3つのゴールド加工技術の違いを分かりやすく解説。あなたのジュエリー選びがもっと楽しく、確かなものになる知識をお届けします。
金メッキ(GP)|手軽に輝きを楽しむ技術
金メッキ(ゴールドプレーテッド)は、真鍮や銅といったベースとなる金属の表面に、電気分解などの方法でごく薄い金の膜をコーティングする技術です。最も手軽にゴールドの輝きを楽しめる加工法として、多くのアクセサリーに用いられています。
金の層は非常に薄く、一般的に0.175ミクロン程度(1ミクロン=0.001ミリ)から。長年使用していると摩擦でコーティングが剥がれ、下の地金が見えてしまうことがあります。しかし、専門店で再メッキを施せば、再び美しい輝きを取り戻すことが可能です。
刻印は「GP」や「GEP(電気メッキの場合)」と表記されます。K18の金でメッキした場合は「18KGP」、金の層が5ミクロンなら「5M」と表記されることもあります。
金張り(GF)|耐久性と美しさを両立
金張り(ゴールドフィルド)は、真鍮などのベースメタルに、熱と高い圧力を加えて厚い金の層を圧着させる技術です。薄い膜をコーティングするメッキとは異なり、「厚みのある金の板を貼り合わせる」というイメージが近いでしょう。
規定により、総重量の5%(1/20)以上に金を使用する必要があり、その層は一般的に20ミクロン以上と金メッキに比べて数十倍から100倍も厚くなります。そのため、摩擦に非常に強く、長期間使用しても剥げてくることはほとんどありません。見た目や質感はK14やK18のジュエリーと遜色なく、高級感があります。
刻印は「GF」と表記され、「14KGF」や「1/20 14K」のように、使用されている金の品質と重量が示されます。宝飾品のほか、高級万年筆や眼鏡のフレームなど、耐久性が求められる製品にも使われています。
ヴェルメイユ|シルバーを纏う特別な金張り
ヴェルメイユは、金張りの一種ですが、そのベースメタルに**純銀(SV925/スターリングシルバーなど)**を使用した、より価値の高いものを指します。フランス語で「紅色の銀」を意味し、古くから高級品に用いられてきました。
芯となる地金自体が貴金属であるため、通常の金張り(真鍮などが芯)よりも資産価値が高いのが最大の特徴です。金の層も厚く剥げにくいため、アンティークやヴィンテージのジュエリー、高級腕時計のケースなどにも見られます。
地金がシルバーであるため金属アレルギーも起こしにくく、K18などの無垢の金よりも価格を抑えながら、リッチなゴールドの風合いと品格を楽しめる、まさに「いいとこ取り」の素材と言えるでしょう。
無垢の金(ソリッドゴールド)という選択肢
ここまでご紹介した加工技術とは別に、中まで全てが金合金でできているものを「無垢の金」や「ソリッドゴールド」と呼びます。K10(10金)やK18(18金)などがこれにあたり、コーティングではないため、もちろん剥げる心配はありません。世代を超えて受け継ぐことができる資産価値も魅力です。
まとめ
今回は、よく似ているけれど全く違う「金メッキ」「金張り」「ヴェルメイユ」の世界を解説しました。金の層の厚さや、ベースとなる金属によって、耐久性や価値が大きく変わることをご理解いただけたかと思います。
それぞれの特徴を知ることで、デザインや価格だけでなく、素材という新たな視点からジュエリーを選べるようになります。お手持ちのアクセサリーにどんな刻印があるか、ぜひ一度確かめてみてください。そこには、意外な発見があるかもしれませんよ。
薄い膜。安価だが剥げやすい
厚い層。高価だが耐久性◎
地金が銀。価値と品格が高い
