芸能人の歯が白い秘密はハイドロキシアパタイトですが、今回のお話は脱歯磨き粉!皆さんはアパタイトというブルーが非常に美しい宝石をご存知でしょうか?
ここでは宝石としてのアパタイトにクローズアップ!果たしてどんな宝石で、私たちの美的好奇心を満たしてくれるのか、ブルー系の宝石には目がないという貴方は要チェック!
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透き通る青が自慢!アパタイトの特徴、発色の秘密まで
サファイアとはまた異なるメタリックブルー。アクアマリンのような澄んだペールブルーでもない、アイオライトのような紫がかった青でもない……。
今回は鉱物愛好家にも大人気のアパタイトを徹底解説。深い深海を覗くような青、ここでは鉱物的特質からその色合いの秘密に迫っていきたいと思います。
実は豊富なカラーヴァリエーション!アパタイトが見せる色合いの原因とは?
アパタイトという宝石は一般的にブルーのネオンサインを思い起こさせるようなビビッドなカラーとして知られ、目を見張るような美しさを誇る石です。マッチの原料となるリンを含むリン酸塩鉱物の一つであり、ガラス質の外観からファセットカットが施されることがほとんど。
宝石としてのアパタイトは件のブルーを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそれが見せるカラーバリエーションは非常に多いことでも知られています。含有するイオンにより、黄色、緑、青、紫、ピンク、無色に茶褐色など様々な色合いを見せてくれるのです。
なおアパタイトの代名詞であるブルーアパタイトの紺碧の青は、マンガンイオンによる発色が原因です。
アパタイトは多色性を示すことでも知られており、見る角度によって青⇔無色、緑⇔黄緑の色の変化が観察されます。
またシャトヤンシー効果と呼ばれる猫の目を思わせる光の筋が確認されるアパタイトもあり、その珍しさから高値で取引されることで知られています。このシャトヤンシー効果を生む原因は、鉱物に内包するチューブ状のインクルージョンに由来することも覚えておきましょう。
安価なパライバトルマリンと呼ばれる理由
世界で一番珍しく、そしてエクスペンシブ!と謳われるのがパライバトルマリン。ブラジル産のパライバトルマリンは既に枯渇し、ダイヤモンドと比べても圧倒的にその産出量が少ない最高級にレアな宝石がパライバトルマリン。
そんなパライバトルマリンの代用としてしばしば目にするのが、スカイブルー色のアパタイトです。「お金がなくても買える、経済的なパライバトルマリン」、宝飾業界ではこのような不名誉な文句で取引がされているそうな……。
アパタイトが見せる色合いは非常に多い為、アンダリュサイトやトルマリン、トパーズなどと混同しがちですが、特にブルー、グリーンの素晴らしい色合いを見せるアパタイトは故意にパライバトルマリンとして売られることは少なくありません。
複屈折率の違い、そしてアパタイトの吸収スペクトルにはネオジム、プラセオジムと呼ばれる固有元素が選択的に吸収されるので、実験室では容易に両者を区別することが可能です。
しかし普通にパッと見ただけでは、それらの違いを明確に判断することは難しいので、パライバの名前を出したお手軽な宝石を見かけたら、それはアパタイトかもしれないので要注意!
実はパワーストーンとしても大人気!
思わず紺碧の海を思い浮かべるようなブルーアパタイトはパワーストーンとしても人気です。アパタイトは必ずしも透明という訳ではなく、半透明または不透明なものも多く、宝石品質ではないけれど強い青色を呈するものは数珠状にカットされブレスレットへ加工されます。
このタイプのブレスレットはいわゆるパワーブレスと呼ばれる類のアクセサリーですが、若い女性だけでなく男性にも人気が高いパワーストーンとして知られているのです。
アパタイトは「Apate」というギリシャ語に由来し、直訳するとトリック、背信や裏切りというネガティブな意味になりますが、その石には癒しの力があるとされ、身体に蓄積されたストレスや負の感情を解き放つと信じられています。
マイナスイオンを浴びる為に森林浴をできる方はそうそういませんが、そのような感覚で心を休めることができる宝石として、アパタイトは現代人の心のビタミン剤になり得ると言ってもいいでしょう。
パワーストーンとしては比較的レアなタイプの宝石かもしれませんが、男性であってもTPOに合わせることなく身に着けられる色合いということ、そしてパライバトルマリンのような美しさを持ち合わせることからも性別関係なく人気を博しています。
K18WG インディゴアパタイト ハート 一粒ピアス
アパタイトをジュエリーとして身に着ける上での注意点とは?
アパタイトという宝石は宝飾品として加工されることは少ないようです。ここではなぜアパタイトジュエリーが少ないのかという理由から、宝飾品としてのアパタイトを楽しむ上で留意しなければならないことを解説していきたいと思います。
モース硬度の弱さがゆえに留意するべきこと
アパタイトはパライバトルマリン様の美しさと共に、非常に脆い宝石であると知られています。10段階中、その硬度は5ということでジュエリーとして加工するには不十分な強さしか兼ね備えていません。
勿論リング、ピアスにネックレスなど宝飾品としてルースをセットしたジュエリーは見かけますが、覆輪止めなどの比較的容易なセッティングの物が中心です。皆さんの想像通り、複雑なデザインのジュエリーにはその硬度の低さがゆえに、加工が難しいのが原因です。
ジュエリーとして楽しめるデザインの幅は少なく、そしてその脆さがゆえに衝撃が伝わりやすい指輪を着用するときは注意が必要です。一方向への割れやすさを示す劈開性に関しは弱いものの、デイリーユースでアパタイトを身に着けたい方はピアスやネックレスなどを推奨いたします。
前述の通り、パライバトルマリンを思わせるような宝石を清水から飛び込むことなく購入できる点、複雑な加工はできないものの他の色石とのバランスがいいので、ビタミンカラーのジュエリーとして楽しめる点はGOOD!
アパタイトという宝石の耐久力をよく理解して着用すること、そしてその美しさを最大限に活かしたデザインを選ぶこと、それがアパタイトジュエリーについての留意点といえるでしょうか。
K18WG インディゴアパタイト ピアス 18金ホワイトゴールド
まとめ
パライバトルマリンと混同される宝石として有名ですが、比較的多く産出されるので、見た目の美しさ以上にレアな宝石というわけではありません。
ネオンブルー、グリーン、イエローにピンク、一言でアパタイトの色合いを明言することはできませんが、その中でも内包物がなく澄んだ青を示すもの、またはシャトヤンシー効果を見せるものは比較的高値で取引されることもあるので、宝石選びの参考にしてみくださいね。