宝石を選ぶときに、モチーフに惹かれて選ぶ人も多いですよね。
モチーフにはそれぞれ意味があり、選ぶ人やプレゼントしたい相手の意図や目的に沿ったものになっています。
モチーフには、お守り的要素や魔よけなど、身につけるときの祈りとともに愛されて来た歴史があります。
「百合の紋章」のモチーフもその1つ。
男女問わず人気が高い「百合の紋章モチーフ」は、世界中で愛されるモチーフの一つです。
3つの剣のような花びらと個性的なデザインである百合の紋章は、ファッション界でも目にする機会が多く、ブランドシンボルとしても見かけますが、実はこの百合の紋章には、とても深い意味合いがあるのです。
そこで今回は、世界中で愛され、今もなお人気が高い百合の紋章の意味合いや歴史的背景について見てみましょう。
Contents
百合の紋章モチーフとは?
男性からも女性からもファンが多い百合の紋章モチーフ。
百合の紋章についている3枚の剣状の花びらは「神」「創造」「王権」を意味しているといわれますし、キリスト教徒にとっては「三位一体」「聖母マリアの純潔」「大天使ガブリエル」の象徴だともいわれています。
そして、フランスでは王家の紋章として使われているなど、百合の紋章は世界中いろいろなシーンで使われて来た歴史があり、とても奥深いシンボルマークなのです。
百合の紋章(フルール・ド・リス)の歴史
百合の紋章のシンボルはフルール・ド・リスとも呼ばれ、ヨーロッパ各地、北米でも使われていますが、フランス王家としての紋章として広く知れ渡っており、フランスの切手でも使われているなどとてもポピュラーなシンボルです。
フルール・ド・リスとは、百合として伝わっていますが、正確にはアイリスの花を様式化したものだそう。
この百合の紋章の歴史はとても古く、5世紀まで遡ります。時は493年、メロヴィング朝のクローヴィス1世が争いに苦戦していたときに、彼の目の前に天使が現れ、天使から百合の花を渡されたことで勝利を勝ち取ったという伝説があります。
その後、クローヴィスはキリスト教に改宗する際、フルール・ド・リスをフランスの王家の紋章として最初に採用し、宗教的純血の象徴としたのです。
ヨーロッパ名門一族のブルボン家も、白百合を非常に大切にしており、「王家の権力の印」として百合を飾りました。歴代の君主たちは、金色の由梨の刺繍が描かれた衣装を着ており、ブルボン家のシンボル=百合の紋章、王家の紋章として広く知られています。
歴代の王たちは、クローヴィス1世の頃より伝わる宗教的意味が強い百合の紋章がシンボルとなることで、フランス絶対王政の権力と聖人さを人々に印象付けたのです。
歴史上では、ルイ9世が十字軍遠征のときに百合の紋章を旗に掲げていたり、ジャンヌダルクの持つ旗に百合の紋章が描かれていたり……百合の紋章は、フランスの歴史背景には欠かせないシンボルとなっています。
フランス王制から共和制に移行したあと、百合の紋章は公式採用ではなくなったのですが、百合の紋章のモチーフジュエリーを身につけて、ひっそりと王政を支持した人たちもいたそうです。
そして、今でも変わらずフランスの国花は百合の花。フランスと百合、そして百合の紋章はとても深い結びつきがあるのですね。
宗教的見地から見た百合の紋章(フルール・ド・リス)
中世ヨーロッパでは、百合の紋章は、宗教や芸術分野でも使われることが多いシンボルです。聖母マリアや大天使ミカエルの象徴として使われることが多く、受胎告知の絵画でもマリアと白い百合の絵が描かれているものや、マリア像の周りに百合が添えられているものなどが見られます。
また、百合の茎にはマリア様の忠誠心が、百合の花はマリア様の純潔・処女性が、百合の花の香りにはマリア様の神々しさ、そして由梨の葉っぱにはマリア様の謙虚さが現れているとも。マリア様のシンボルと云われる百合の花は、キリスト教において、まさしく純潔の象徴なのですね。
キリスト教では百合の花は「永遠の愛・清らかな愛・最上の幸せ」と言われており、聖人や聖母に百合の花が捧げられるため、祭壇に飾られています。
百合の紋章の3枚の花びらは、三位一体の意味合いも込められています。この三位一体は、「神(父)・神の子(子)・聖霊」という意味合いの他にも、「生・死・再生」、「過去・現在・未来」など3つが1つの大きなくくりであることを示すとも云われています。
百合は花を咲かせたあと球根を取って、その球根が花を咲かせるというサイクルがあるように、永遠に続く1つの円環のようなエネルギーも持っているのでしょう。
時を超えて多くの人に愛され続ける百合の花の紋章は、宗教的見地から見ても非常に奥深いものですね。
ジュエリーとしての百合の紋章
百合の紋章は、古代より多くの人たちからジュエリーモチーフとしても愛されてきました。シンメトリーな百合の紋章は、そのフォルムもとても上品。
フランス王家の人たちの紋章である百合の紋章は、誰でも身につけられるものではなかったのですが、ベルエポック時代にはアンティークジュエリーのモチーフにもなっています。
今でも世界中おおくのひとたちから愛される百合の紋章は、高貴さや上品さ、そして強い意志を感じることもできる特別なモチーフですね。
「心葉」の百合の紋章ネックレス
ジュエリーローラのオリジナルブランド「心葉」の百合の紋章ネックレスは、ゴールドの鍵モチーフの中に百合の紋章が組み込まれています。鍵モチーフは、ヨーロッパでは幸運を運ぶアイテムとしてとても人気があります。鍵の中に百合の紋章、そして中央には、高貴さをさらに高めてくれるダイヤモンドが。
百合の紋章ネックレスは、「幸せになってもらいたい」と願う大切な人への贈り物に最適です。
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まとめ
百合の紋章は、一言では言い表せない、フランスの長い歴史を見守ってきたモチーフであり、マリア様のシンボルとしても知られています。そして今では、ヨーロッパだけでなく、世界中で愛されるモチーフとなった百合の紋章は、数あるモチーフの中でも、多くの歴史的背景を見せてくれる特別なモチーフだと言えるでしょう。