ファンタジーが好きな方は、きっとどこかでカーバンクルという言葉を聞いたことがあると思います。実はカーバンクル、なかなか興味深い出自を持っているのです。

今回はいつもの宝石談話に少しだけ幻想的ロマンを付加して、カーバンクルという宝石の真実、そして伝承についてご紹介していきたいと思います。

カーバンクルとは?実はあの深紅の宝石のことを言うのです!

カーバンクルなんて宝石聞いたことがないという方も少なくないと思います。その理由として考えられるのは、ただただカーバンクルという鉱物自体がこの世に存在していないからに尽きます。

???と脳内にクエッションマークが付く方もいると思うので、ここではそんなミステリアスカーバンクルの基礎知識についておさらいしていきたいと思います。

カーバンクルとはどんな宝石?ガーネット、それともルビー?

まず結論を申し上げると、カーバンクルはいわゆる紅い色を呈する宝石の総称のことを言います。つまりルビーもガーネットもスピネルも、カーバンクルであると言えば広義の意味では正解です。

しかし最もメジャーな定説はガーネットがカーバンクルとして認知されており、その中でもカボションカットを施したまん丸ガーネットがカーバンクルとして扱われています。つまり研磨の仕方によりファセットカットの物は非カーバンクル、カボションカットの物が正規カーバンクルというわけですね。

まず現代の宝石業界ではガーネットのことをカーバンクルとは呼称しませんし、あえてその用語を使う場合は、アンティークジュエリー業界くらいでしょうか……。

カーバンクルという名前自体はそれこそ非常に古くから知られており、中世以降の文学作品には、頻繁にガーネットではなくカーバンクルとしての記述が目立ちます。

なお気になるカーバンクルというその名前は小さな炭、石炭を意味するラテン語の「carbunculus」に由来すると言われています。燃え盛る炎を作り出す石炭を、真っ赤な宝石の総称、またはガーネットになぞらえたと言えば、その名前の由来に関してもシックリきますね。

カーバンクルが持つとされる効能について

カーバンクルは不思議な魔力を持つと言います。現代でもガーネットはパワーストーンとしてあちらこちらで目にすることからも、ある種の強いパワーがあることはもはや容易に想像できますね。

ここでカーバンクルが持つと云われているパワーをご紹介していきたいと思います。

① 魂の浄化と悪霊を払いのける
② 疫病や感染症などを防ぐ
③ 人生における目的達成を助ける
④ パニックや不安を和らげる
⑤ 自己肯定、インスピレーションを向上させ、困難を乗り切る力を与えてくれる
⑥ 経済的な成功を導く
⑦ 友人、恋人の間の争いを解消し、円滑な人間関係を築く

もはや現代人が渇望して止まないような素晴らしきパワー群に、思わず喉から手がでてしまいそうになってしまいます。

宝石が持つ力というものに科学的なメスを入れることはできませんし、その信ぴょう性に関しては議論の余地があるのかもしれません。しかし辿ればノアの箱舟の松明として利用されてきた悠久の歴史を誇るカーバンクル、このような不思議な力があるとされても決して不思議なことではありません。
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カーバンクルが持つ伝説を徹底検証!額に宝石を埋め込んだ生物とは?

なかなか興味深い歴史を誇るカーバンクル。皆さんも知らず知らずにカーバンクルのジュエリーを身に着けている方も多いかもしれませんね。

ここではカーバンクル伝説の一つ、あの伝説の生物とカーバンクルの不思議な関係に迫ってみたいと思います。

未知の南米の生物の額にある石こそがカーバンクルなり?

カーバンクルには同姓同名の鉱物ではない親戚がいるのをご存知でしょうか?これもまた空想的というかロマン溢れる話題になってきますが、時は16世紀の南米大陸にまで遡ります。

スペインが南米を植民支配においていた時代のこと、現在のパラグアイに当たり密林地帯で、スペイン人探検家Martín del Barco Centenera が未知の生物に遭遇します。皆さんももうピンと来たと思いますが、こちらの謎の生物がカーバンクルだと伝えられています。

彼の著書にも「額に石炭のような輝く鏡を埋め込んだ小動物」という記載がありますが、結局のところ彼以外にその未知なるクリーチャーを発見した者はいません。

この噂は南米だけでなくスペインでも噂が噂を呼び、その額の鏡は鏡ではなく、丸く研磨されたガーネット、つまりはカーバンクルであると流布されました。未知の生物が額に埋め込んだその宝石は、富と名声と呼ぶと信じられ、それは多くの探検家が珍獣カーバンクル発見に奔走しましたが結果は惨敗……。

このようなUMA(未確認動物)の真偽は、噂が伝承となり、そして後世へ伝説として受け継がれていくわけですが、もしそこでカーバンクルが見つかっていたのなら、今のガーネットの扱いはどう変わっていたのか、その点は若干気になるところです。

因みにカーバンクル、つまりガーネットはスペイン語で「Granate」、日本と同様に柘榴を意味し、柘榴の木があちらこちらに自生しているスペインでは非常に人気の高い宝石で、歴史的にも質の高いカーバンクルジュエリーが多く作られてきました。
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まとめ

カーバンクルは宝飾史上の観点からは、カボションカットを施したガーネットとして扱われ、巨大なカボションガーネットをはめ込んだジュエリーは特にルネサンス期、そして19世紀のネオ・ルネサンス時代に用いられました。

果たして本当に未知の生物の額にカーバンクルが光っていたのかは謎ですが、あながち不可思議な魔力がある宝石としての説得力はありそうですね!

皆さんもガーネットジュエリーを身に着ける機会は多いと思いますが、丸く研磨されたガーネットを愛用するときは、ぜひ今回のコラムを思い出し、少しのロマンに浸りながらその美しさを堪能してみてくださいね!
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