皆さんはスフェーンという宝石をご存知でしょうか?一度みたら忘れられなくなるミラーボールのようなギランギランの輝き。今回はレア宝石の代名詞、スフェーンの魅力について徹底解説していきたいと思います。
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希少石スフェーンはどんな宝石?その特徴とは
スフェーン、和名で楔石(くさびいし)。形容することが難しい、とても存在感ある輝きを見せる宝石として知られるスフェーンは、鉱物愛好家も一目置くレアストーンとして知られています。
世間一般の認知度こそ低いですが、大変美しい宝石なので、まずはスフェーンの特徴に魅力を皆さんにご紹介したいと思います。
グリーン~イエロー、ギラギラに輝くその秘密
スフェーンの特徴はその輝きの強さです。ダイヤモンドより輝くと言われるその理由は、その分散率の高さ。赤、橙、緑に黄色、様々なカラーの分散光を放ち、まるで宝石の中で打ち上げ花火を見ているような複雑な色相を持っています。
透明度も非常に高い宝石として知られ、ロシア、ブラジルやマダガスカルなどで産出されます。しかしその量は極めて少なく、いわゆるレアストーンとして認知されており、非常に高価な値段で取引されている宝石です。
モース硬度が5~5.5と低いため、従来からジュエリーに加工されることは少なく、いわゆるルースの形でその強烈な存在感を示してきたレアストーンなのです。
なお気になる宝石言葉は「永久不変」、「才能の開花」など、持つ者の力やコミュニケーション能力を引き出す、そんな願いが込められた宝石として知られています。
スフェーンの種類まとめ
スフェーンはブラウン~イエロー、グリーンと覗きこむ角度によっても、その色合いが異なります。代表的な色をあえて言うならばグリーン味を帯びた赤茶色でしょうか。なんとも複雑な色合いを呈するのがスフェーンの魅力ですが、含有する鉄分、アルミニウム、マンガン、クロムなどの原子の配分量の違いにより、その色が決定されます。
中にはスフェーンらしくないカラー、まるでペリドットやブルートパーズのようなカラーのスフェーンもあり、一つの宝石でありながら様々な表情を見せてくれるなかなかユニークな宝石なのです。
スフェーンはその産出量の少なさがゆえに高価で市場に登場しますが、傾向から言うと、イエロー~オレンジ系のものよりも、ザ・スフェーンを思わせるグリーン系統でファイアーの強い物が特に希少!
スフェーンには多くのインクルージョンやひび割れが見受けられますが、他の宝石と同様に内包物が少ない物ほどその価値は高くなります。
Pt900 スフェーン 一粒ピアス
スフェーンを利用したジュエリーは少なく、扱いにも注意が必要!
一度スフェーンを利用した大変古い時代のジュエリーを見たことがありますが、通常スフェーンは他の宝石と比べてもジュエリーとしてセッティングされることはありません。しかしあまりの分散光の強さ、そして存在力ある輝きはルースだけで楽しむのはもったいない!
ということでここではジュエリーとしてのスフェーンの楽しみ方、注意点についてお話していきたいと思います。
そのレア度、硬度の低さがゆえにジュエリー加工が難しい
前述でもお話した通り、スフェーンの硬度はあまり強くないため、スフェーンの石留めはかなりの労力と技術力を要します。そのためまずは石留め職人が、あまり進んで扱いたくない宝石なので、おのずとジュエリー加工されたスフェーンの数は少ないのです。
インターネットを通してスフェーンを利用したジュエリーも販売されていますが、やはり圧巻の美しさを誇ります。ダイヤモンドをサイドに従えたり、同色系のデマントイドガーネットやペリドットなどとの対比を楽しむようにセッティングされたものも少なくありません。
ただしそのお値段は気軽に購入ボタンをポチっとクリックできるプライスではないことが多く、更には時間を置かずに品切れになってしまう場合がほとんど。ほしいと思ったジュエリーが登場したら、即座に購入する瞬発力そして決断力が試されるジュエリーと言えるでしょう。
スフェーンという独特な色合いがゆえに、夏が過ぎ去り秋色に染まる季節には特に指、首または耳元を華やかに彩ります。まだまだ一般的な認知度こそ低いですが、ぜひ機会があれば手に取り、その優雅な輝きに酔ってみてはいかがでしょうか?
スフェーンジュエリーの楽しみ方とお手入れ方法
ホログラム様の美し過ぎる輝き、鉱物の中で一番強い分散力を持つその潜在力、そして希少価値。どれをとっても唯一無二の存在感を誇示して止まないスフェーン。
ジュエリーとしてセッティングされるスフェーンはとても、とても小さな重量のものばかりで、0.1~0.2カラット程度。しかし小粒のルースでも太陽の下、白熱光、または薄暗い部屋の中で覗く度に、揺れる炎のような幻想的な輝きを楽しめます。
着用の際の注意点ですが、何度も口を酸っぱくして説明している通り耐久力があまりないため、衝撃を与えないように意識しなければなりません。ダイヤの婚約指輪のように付けっぱなしで家事をすることは推奨できないので、お出かけ前にジュエリーボックスから取り出し、帰宅したら柔らかい布等で包んで保管してください。
勿論超音波洗浄機での洗浄にも向いていないので、身に着けたその後はメガネ拭きやシリコンクリーナーなど研磨剤を含んでいない布で優しく汚れをふき取ってあげましょう。
まとめ
今回は超希少なレアストーンスフェーンをご紹介しました。なかなか市場に出ることのない宝石なので、その存在自体知らなかったという方も多いと思います。
最近はルースショップやジュエリーショップでもスフェーンを見かけることも多くなってきました。一度その凄まじい輝きと魅惑的なカラーを知ってしまうと、もはやスフェーンの虜になってしまう方も少なくありません。
ただ美しいだけではない、脆弱性を兼ね備えたナイーブな宝石スフェーン。購入して愛でるその際は、しっかりとその特色を把握して、適切なケアを欠かさずに楽しんでいただければと思います。