カラーゴールド、皆さんも意識することなく色の異なるゴールドジュエリーを身に着けているかもしれませんね。今回の主役は宝石ではなく、悠久の歴史に彩られ高貴な人たちに愛されたゴールドにスポットライトを当ててみたいと思います。皆さんは紫の金、そんな一風変わったゴールドをご存知でしたか?

聞いたことない!パープルゴールドの謎を徹底検証

パープルレインにパープルヘイズ、忘れてはならないJPOPの名曲パープルタウン、耳馴染みよい名曲にパープルの名がつくことは少なくありません。しかし指馴染みの良いリングに、首元のアクセントになるネックレスなどのジュエリーに、しばしパープルゴールドが利用されることもあります。

でもパープルって何!?

ここでは誰もが疑問に思う紫の金なんて存在するのか、という疑問を考察していきたいと思います。

カラーゴールドは割金をする金属によって色が決まる!

まずその解答を答えてしまうと、パープルゴールドとはそのネーミングのままパッと見の色合い、艶が高貴な紫の金のことです。通常金は加工のし易さ、強度を調整する為に、他の金属を混ぜて、一種の合金としてジュエリーに加工していきます。

私たちに馴染み深いイエローゴールドは通常、75%を金、25パーセントを銀や銅を混ぜてその独特のハニーイエローの色合いを作り出します。ホワイトゴールドは25%ほどパラジウムを混ぜる、もしくは銀、銅、パラジウムに亜鉛などを混ぜてもホワイトゴールドになります。ただしホワイトゴールドの場合は通常ロジウムコーティングを施すことで、より美しく仕上げるのが常。

このようにゴールドにいくつかの金属を混ぜ合わせることで、イエロー、ホワイトまたはピンクにブラック、ブルー、グリーン、そして今回ご紹介するようなパープルゴールドなどのカラーゴールドが出来上がるのです。

また金の純度の差によっても、同じカラーゴールドでもその色合いは異なる点も覚えておきましょう。

パープルゴールドは金にアルミニウムを混ぜた合金

世の中には私たちが知らない未知なる金属が多く存在していますが、金のような身近な貴金属であっても、付加する金属とその割合が異なるだけで、紫色のゴールドもできてしまうんですね!

視覚的に紫に見える金をパープルゴールドと呼び、その妖艶な紫の美しさからアメジストゴールドやヴァイオレットゴールドとも呼ばれています。

2000年代初めにはこのパープルゴールドが開発され、ジュエリーとして加工されていきました。ただしこのパープルゴールドというものは大変不安定で、他のカラーゴールドができるような加工がしにくいという大きな欠点と持っているのですが、World Gold Councilにも立派なカラーゴールドの1つとして認証されています。

通常このカラーを作り出すには、約20~25%ほどアルミニウムを混ぜることで、落ち着いた色合いの紫色を呈するようになりますが、その不安定な脆さがゆえにジュエリーとして加工するのが難しい点は否めません。

しかし昨今はホワイトゴールドのように、ゴールド表面に被膜を形成することでその変色や脆弱さをカバーすることに成功しており、少ないながらもまるでアメジストのような美しい色合いのパープルゴールドジュエリーが作られています。

中までパープル!紫の金はジュエリーシーンでも激レアだった!

ここではなかなか見かけないパープルジュエリーの魅力について解説していきたいと思います。一体どのようなパープルゴールドジュエリーが作られているのか、気になるところです!

金の常識を覆した!紫の金属が持つオリジナリティー

まるでエナメル細工を施したゴールドのよう、思わず異端を感じずにはいられない美しさは、どこか高潔な香りが漂ってくるほど。日本や海外などでも極々少数のジュエラーやメーカー等がパープルゴールドのジュエリーを制作していますが、衝撃に弱く加工しにくいという特質から予測できる通り、アグレッシブなデザインには対応できません。

ゴールド人気が高い欧米などでは、モダンでアイコニックなアメジストとパープルゴールドを合わせたソリティアリングや、パープルゴールドで出来た薔薇などのロマンティックジュエリーも見かけますが、それらは非常に限定的です。

通常パープルゴールドは、リング、ネックレス、ピアスにしろ、宝石の代わりにパープルゴールドをアクセントにしたデザインがほとんどで、ダイヤモンドや色石とのコラボレーションは少ないのが現状です。

パープルゴールドのジュエリーのお手入れと注意点は?

実際パープルゴールドのジュエリーを日常的に使用しているという方は少ないと思いますが、ここでその取扱いの注意点についても少し触れておきたいと思います。

前述の通りパープルゴールドは、ゴールドの中では耐久力に欠ける点は否めない為、強い衝撃がかかるスポーツをする時などは装着しない方がベター。また変色の可能性もあるので、アフターケアもしっかり行っている信頼のおけるジュエリー、メーカーで購入することをオススメいたします。

基本的にパープルゴールドのようなレアカラーゴールドは街の宝飾店や小さな工房では、サイズ直しや変色に対する処置に対応していないところがほとんどなので、その点には留意しなければなりません。

まとめ

今回はなかなか見かけることのない、アヴァンギャルドゴールドの代名詞、パープルゴールドについてお話してみました。正直パープルゴールドのジュエリーというものは、日本だけでなく海外でもなかなか見かけない、大変レアなゴールドです。

ダイヤやその他の色石に頼らずして、ギランギランな存在感を放つパープルゴールドジュエリー。まだその安定性に課題があるとは言え、今後宝飾市場で見かけることは多くなるかもしれません。

ジュエリーとして加工できるデザインに幅こそ広くはありませんが、人目につくオリジナリティーの高さはピカイチなので、パープルゴールドを見かけた際はぜひその手にとりその色合いを堪能してみてくださいね!

本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社