女心は男知らず……。いったいどんなクリスマスギフトを選んでいいものか?時に自問自答し、オンラインで検索をしてみても、結局どんなギフトがベストなのかはわからない。

そんな悩ましいクリスマスギフト選び、今回はモダン、ブランドによらない、歴史の生き証人アンティーク、ヴィンテージジュエリーを大切なあの人へプレゼントする!をテーマに深い深いジュエリーのお話しをしてみたいと思います。

クリスマスにアンティーク、ヴィンテージジュエリーが喜ばれる理由

「アンティークなんて、ヴィンテージなんて中古品でしょう!」と思う方が残念ながらいるのも事実……。ただし今回お話するアンティーク、ヴィンテージジュエリーというものは、巷にある質屋さんで陳列されているものではなく、あくまで歴史というかけがえのない時間に裏付けされたジュエリーのことを指します。

古いものにある種の固定概念を持つ方もいると思いますが、数十年~数百年経過したジュエリーは、モダンの計算しつくされたデザイン、そして宝石のチョイスとはまた異なる魅力があるのです。

ここではそんな古のジュエリー達が、どうしてクリスマスギフトとして適しているのか?について考察してみたいと思います!

現代では失われた技法が秀逸であり、歴史的価値を有する

モダンにはモダンの、古いものにはそれ独特の良さというものがあります。古い時代のジュエリーと言っても、決して流行遅れのデザインというわけではなく、わかりやすく言えば昭和レトロ、大正ロマンのような懐かしい味わいを感じるはずです。

これはジュエリーだけに限ったことではありませんが、数百年前に作られた美術作品、工芸品は、今では再現不可能な技法が使われていることも多く、ハッとする芸術センスに魅了される方も少なくありません。

ジュエリーといってもピンからキリまでありますが、古のジュエリーは金線細工、彫金技術が優れ、さらに工業化される以前のものは全ての工程が職人の手によるものなので、機械で量産されたものとは異なるアートの息吹を感じることでしょう。

また特に制作されて100年以上たつアンティークジュエリーは、その市場が大きく開拓されており、世代から世代に伝えられる経済価値も一つの魅力であることは言うまでもありません。

ジュエリーに秘められたセンチメンタリティーが女性の心にリンクする

古のジュエリーには、ある種のメッセージ性が込められることも少なくありませんでした。

センチメンタルジュエリーと呼ばれるもので、それぞれの宝石の頭文字をジュエリーに応用し、愛情や敬愛、哀悼などの気持ちを表したものです。

現代も石が持つ石言葉を元にジュエリー選びをする方がいますが、昔の人々は宝石の頭文字で個人の感情を表し、愛する人に送るという美しい文化を持ち合わせていました。

有名なものとしてREGARDタイプで、Rはルビー、Eはエメラルド、Gはガーネット、Aはアメジスト、Rは再度ルビー、そしてダイヤモンドのDで「好意」を表します。

似た種類のものでDEARESTというものもあり(Dはダイヤモンド、Eはエメラルド、Aはアメジスト、Rはルビー、Eは再度エメラルド、Sはサファイア、そしてトパーズのT)、これは「親愛さ」を表しています。

このほかにも忘れな草やハトなどで、心の根底にくすぶる感情をジュエリーという形で、愛する人に送ったのです。

なかなか口に出せない愛の告白も、これらのセンチメンタルジュエリーを用いて、間接的に伝える、そんな伝達方法もロマンがあって素敵だと思いませんか?

宝石のフェイクが少ない

本物のアンティーク、ヴィンテージジュエリーに使用される宝石は、概して天然のものが使われており、昨今多くみられる悪意のあるフェイクはほとんど見かけません。

またそのみかけを良くするための化学的処理もされていないので、鉱物的価値が高い宝石が使われている点も、アンティーク、ヴィンテージジュエリーが支持される大きな要因になっています。

リング?それともブローチ?クリスマスギフトにピッタリなジュエリーはコレだ!

イギリスやフランスのような骨董文化が生活に滲んでいない日本では、まだまだアンティーク、ヴィンテージジュエリーをクリスマスギフトに選ぶ男性は多くありません。

そしてその良さを実感しても、リングがいいのか?ペンダントにするべきか?でまた迷ってしまう方もいることでしょう。

ここではギフトとして選びやすい、そして女性が日常使いできる利便性に優れたジュエリー選びについて、お話してみたいと思います。

時代、素材に限らずネックレスがギフトに適しているのはなぜ?

「おぉ、このリング可愛いかも!」と彼女の喜ぶ顔を思い浮かべても、そういえば肝心のサイズが分からない……というパターンのなんて多いこと!わかっているようでわからない、サイズ直しをすればいい!と思っても、アンティーク、ヴィンテージジュエリーのサイズ直しはモダンのものと異なり難易度がグンと上がります。

また工房では年代の古いジュエリーは、その明確な地金の組成が分からない、またはその経済的価値がゆえの破損を恐れて、サイズ直しを拒否するところも少なくないのです。

そのため、アンティーク、ヴィンテージ物のジュエリーに関しては、サイズに関係なく、日常使いできるネックレスがオススメ!特に年代物のゴールドチェーンは、現在では考えられない緻密なデザインと工程を踏まえて制作されているので、シンプルなデザインだとしても十分華やかさを感じるものです。

彼女の指回り、または腕周りのサイズをキチンと把握している男性は、指輪にブレスレットなどジュエリーの選択肢も広がりますが、その永続性とアレンジのしやすさも考えると、ネックレスが最も失敗が少ないチョイスになる!ということを覚えておきましょう。

アンティーク、ヴィンテージリングをリアレンジしてみよう!

年代の古いアンティークやヴィンテージジュエリーは、しばしルースだけの状態になってしまったもの、または枠だけのジャンクジュエリーも少なくありません。

なんだ、壊れたジュエリーなんて価値がないよ……。と思いがちですが、これらのジュエリーは完品ではないがゆえにお財布にも優しく、なおかつモダン風にリアレンジできる面白みを兼ね備えているのです。

例えばアンティークのローズカットダイヤモンドをスタッドピアスにオーダーしてみたり、枠だけのリングに彼女の好きな宝石や誕生石をセッティングしてプレゼントする。(ただしリングの場合は、事前に相手のリングサイズを知る必要がありますが。)

モダンとアンティーク(またはヴィンテージ)、似て非なるもの同士ではありますが、研磨技術に富んだ現代の宝石と、古い時代の彫金が施された地銀の化学反応は意外過ぎるほどマッチするもの。

完成されたアンティーク(ヴィンテージ)ジュエリーをクリスマスギフトでプレゼントするのもGOOD!しかしそこにモダンの風を吹かせてみるのも、オリジナリティーがあって面白いかもしれませんね。

まとめ

迫りくるクリスマス、年にたった1回の二人の思い出に寄り添うクリスマスギフト。毎年訪れる神聖な夜のプレゼント選びに頭を悩ませている男性も多いと思いますが、今年の冬はちょっとウィットに富んだアンティーク、ヴィンテージジュエリーで、女性の心を奪ってみてはいかがでしょうか?

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