日本には全国各地において古来より伝わる年中行事がいくつもありますよね。一般的に広く親しまれているような行事もあれば、地域的に継承されたその土地ならではの行事もあります。
特に京都や奈良では年間を通してたくさんの行事があり、今でも粛々と執り行われ歴史を刻み続けています。今回は古都奈良において有名な年中行事の中から、伝統と歴史の重みを感じる「お水取り」についてまとめてみました。

お水取りってなに?

「お水取り」は東大寺が行う仏教法会のこと。正しくは「修二会(しゅにえ)」といいます。仏教発祥の地インドでは旧暦の2月がお正月でした。そのため2月上旬に行われていた法会という由来で修二会と呼ばれています。
旧暦の2月は今の暦で3月です。修二会は3月1日~14日にかけて東大寺奥にある二月堂という国宝建造物で行われています。二月堂には絶対秘仏のご本尊があります。そのご本尊にお供えされているお香水をくみ上げる様子を「お水取り」と呼んでいます。
奈良では「お水取りを終えるまでは寒い」と言われています。暮らしに根付いた行事として大切にされ、春を告げる風物詩となっているのです。

お水取りの歴史

由緒ある奈良の行事だけあってお水取りの歴史は古く天平時代にさかのぼります。752年に初めて執り行われて以来一度も絶えることなく続けられてきた伝統ある行事のひとつなのです。戦争中など夜に火を灯すことが難しかった時代も、多くの苦労と工夫でつないできました。752年は「奈良の大仏」として有名な盧舎那仏の大仏開眼と同じ年にあたります。1300年近く時代を超えても願いは同じ。天下泰安や五穀豊穣、疫病退散など人々の幸せを願って続けられています。

お水取りとお松明

修二会とは大きく二つの行事に分けられます。水を扱うお水取りと、火を扱うお松明です。およそ2週間に及ぶ行事ですが、特に人気なのが毎年3月12日に行われる籠松明です。お水取りとお松明の日時・場所をご説明します。

【お水取り】二月堂下の閼伽井屋(あかいや)にある若狭井から二月堂のご本尊に供えるお香水をくみ上げます。閼伽井屋にはごく限られた人しか入ることはできませんが、奏楽の音色が響く中くみ上げられたお香水が二月堂まで運ばれる様子を拝見することができます。修二会の中心行事となります。
日時:3月13日に日付が変わった深夜午前1時から30分程度
場所:閼伽井屋から二月堂にかけて

【お松明】僧侶が二月堂の欄干から松明を振り回して火の粉を振り撒きます。闇夜の中燃え盛る松明から飛び散る火の粉がシャワーのように降り注ぎ圧巻です。火の美しさや力強さが感じられる、とても厳かな行事です。この火の粉を浴びるとその年を無病息災で過ごすことができると言われて人々が火の粉を被りに欄干の下へと集まります。
また燃えカスを祀ると厄除けや無病息災などの利益があるとされていて、無料で配られています。毎年たくさんの人がいただいて帰ります。
期間:3月1日~14日19:00~20分程度。最終日の14日は18:30~10分程度になります。3月12日のみ籠松明と呼ばれる特に大きなお松明が使われます。19:30~45分程度。
場所:二月堂欄干近辺。

お松明観覧のポイント

長期間にわたってお水取りは開催されますがとくに人出が多いのは一段とダイナミックな籠松明が灯される3月12日です。毎年欄干の下までたどり着くのが難しいほどの人出となります。
お松明はあくまでも祈願であり、火を使ったダイナミックな様子を楽しむイベントではありません。フラッシュや三脚の使用は基本的に厳禁です。歴史ある仏教行事に立ち合っていることに感謝し、心安らかに祈願しましょう。大人のマナーと節度を持って観覧したいものですね。

お松明の炎が映える!闇夜の美しさを讃えたジュエリー

お水取りを観に行くのは夜です。煌々と闇夜の中で輝くお松明の灯り。なんとも神秘的なきらめきで周りの暗さと相まって荘厳な趣が感じられます。轟々と燃え盛る火には恐ろしいほどのパワーがあります。そんな炎のパワーを受けてより一層輝きを放つのがジュエリーです。今回は闇夜のような静かな美しさが際立つジュエリーをご紹介したいと思います。
K18YG アイオライト ピアス

神秘的な輝きを放つアイオライトは深い闇夜の美しさを讃えているようなジュエリーです。星のようにも見えるデザインからも夜の雰囲気が感じられます。シックなブルージュエリーながらかわいらしさも秘めたデザインです。
K18YG サファイア ティアドロップピアス

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濃密なブルーサファイヤに雫型に縁取りが入り、余白の美しさも計算されたデザインになっています。ブルージュエリーの輝きが水の煌めきにも似て、まさに一滴を大切に取り扱うお水取りにふさわしい一品です。

まとめ

今回取り上げた2つのブルージュエリーは適度な大きさで気品があり、お参りにもおすすめできる一品です。闇夜のような静かな輝きを放つピアスを身に付け、古都奈良に春をもたらす東大寺の「お水取り」を一度見てみませんか?悠久の歴史の中で今一度普段の幸せや健康を祈願する背筋の伸びる時間を過ごすことができますよ。

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