京都の三大祭りである「葵祭」「祇園祭」「時代祭」に加えて、夏の終りを告げる一台イベントでもあるのが「五山の送り火」です。
五山の送り火は「大」、「妙法」、「舟」、「左大」、「鳥居」と5つの炎が灯され、京都の町を静かに照らします。
五山の送り火は、その昔「精霊の送り火」と言われていたこともあり、お盆に帰って来たご先祖さまを再び天界へ送るために足元を浄化する光となると云われています。
今回は、最初の灯火となる「大文字」についてご紹介します。

五山の送り火

五山の送り火は、「大文字」、「妙法」、「舟形万灯籠」、「左大文字」、「鳥居形松明」と5つの送り火から成っています。
昭和初期までは、「い」、「ー」、「竹の先に鈴」・「蛇」、「長刀」などのモチーフも送り火として灯されていたのですが、現在は上記の5つ。5つになってから「五山の送り火」という名前も定着していきました。
しかし、この五山の送り火の起源や由来については未だ謎のままなのです。

一般説では、五山の送り火は、お盆の期間に里帰りされた祖先の霊を無事に、あの世へ送り届けるための灯火であり、大いなる火の光でこの世から、あの世までを照らし続けるという意味合いを持っていると伝えられています。

祖先を敬う気持ちや感謝の気持ち、その一人ひとりの気持ちの集大成が五山の送り火となって、京都全体を包み込むような5つの炎となっていくのですね。

五山送り火の大文字

五山の送り火のスタートを飾るのは、大文字山に灯される「大文字」。この「大」の字にも様々な意味があると言い伝えられています。

魔除けの五芒星を象っている説

「大」という文字の端を線で結ぶと、五芒星になることから、「大」の文字は、悪魔を除去するための星をかたどったものという説があります。
安倍晴明も五芒星を使っていたことことで知られていますが、5つの角がある五芒星は、奈良時代に入ると儀式などでも用いられるようになり、天災や疫病を沈める意味合いとして活用されていました。
もちろん、日本だけでなく、世界的に見ても有名な魔除けのモチーフとして知られていますが、共通認識としては「五芒星の5つの角を邪気が嫌がる」として、結界のような意味合いがあると云われています。
また、五芒星は一筆書きで描くことができるため、邪悪なものを封じ込める力があるとも云われており、世界共通で邪気を避けるモチーフとして使われているのですね。

北極星を象っているという説

謎の多い大文字の「大」の文字は、北極星をかたどったものだという説もあります。
昔は星の灯りで位置を見ていたこともありましたが、星の中でも北極星は1年を通して位置が変わらないことから、北極星のことを「神の化身」と呼ぶ人たちもいたと云われています。
その北極星をかたどって、しっかり安定した山に灯したことが、大文字焼きの起源ではないかとも云われています。

弘法大師が関わっている説

大の字の起源には、弘法大師は空海が大の字型に護摩壇(ごまだん)を組んでいたことから、「大」の形にしたのではないかという説もあります。
古くから伝わる密教である護摩供は、護摩壇の火の中に護摩を入れ、護摩壇の炎や煙が立ち上る煙を仏様に届けて願いを叶えるというもの。平安時代の京都で疫病が大流行した際に、空海が京都全体の浄化をするために護摩供で願いをかけようとしたことなども背景にあると言い伝えられています。

大の字は人間を象っているという説

「大」という字は、漢字の「一」と「人」に分けられると考えられ、「大」野地の中に一人の人の命が宿っており、無病息災を願うために「大文字焼き」が行われたという説もあります。
また、「大」という字については様々な宗教でも「人」として考えられる説があり、人が手を広げた形だという見方もあります。
京都でも、男の子が生まれると、赤ちゃんの額に大の字を書いてお宮参りをするという風習がありましたが、この「大」の字には色々な願いが込められているのですね。

五芒星モチーフのピアス

五山の送り火の「大」の字の由来では?と云われている五芒星にちなんで、星型のジュエリーのご紹介です。
星型モチーフのジュエリーは、魔除けとラッキーアイテムとして世界中で愛されています。

こちらのピアスは、星型の中に宝石が散りばめられたピアス。
18金ホワイトゴールドの地金に、ルビー・エメラルド・サファイアが詰まったピアスは、耳元で輝き、お顔全体の印象を華やかにしてくれます。

「3つの宝石から選ぶのが難しい」という場合は、宝石が持つ意味合いから選ぶのもおすすめです。
それぞれの宝石の意味合いは、次のようになります。

ルビー:情熱の炎、生命力、活力、愛、エネルギーをチャージする
エメラルド:心に平和を、安らぎ、人間関係の安定、スペースの確保、正直さ
サファイア:真実を見る力を取り戻す、本当の関係性である相手との絆を深める、自分の本心とつながる

星型は、多くの女性から愛されるモチーフであり、幅広い年代の人に似合うことから、プレゼントとしても最適です。
自分へのご褒美として、大切な彼女や奥様への贈り物として、こちらの五芒星モチーフのピアスを選んでみてはいかがでしょうか。

可愛らしい星型のジュエリーだからこそ、本物の輝きがあることで上品さを増してくれますよ。
K18WG ダイヤモンド スターピアス

普段使いにも、パーティーなどの集まりの時でも、活躍の場が広がるジュエリーになります。

まとめ

今回は、五山の送り火の中でも「大」の字についての言い伝えについてご紹介しました。
京都市登録無形民俗文化財にもなっている五山の送り火は、夏の京都の芸術作品とも言えるでしょう。
新型コロナウイルスが流行した2020年は、五山の送り火が中止になってしまうのでは…という心配もありましたが、規模を縮小して実施されました。
「歴史は繰り返す」という言葉があるように、コロナウイルスも何度も繰り返されてきた疫病の歴史と似ています。しかし、人々の願いや様々な対策によって乗り越えてきたという歴史も積み重なっています。
そんな多くの人たちの願いや祈りが紡いできた五山の送り火は、これからも送り火を見る人の心を静かに内省するように導き、平和へと近づいていくよう浄化してくれるでしょう。

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