ミントガーネット、あまり聞いたことがないガーネットかもしれません。しかしジュエリーとして比較的よく加工されるガーネットであり、深い紅とは全く異なるペールグリーンが特徴のガーネットです。

まるでティーカップに添えられるミントのような、そんな爽やかなカラーを見せるガーネット。今回はミントガーネットの魅力について紐解いていきたいと思うので、新しい側面でガーネットの多面性をご紹介できればと思います。

ミントガーネット、ライトグリーンカラーの特徴と価値を検証

爽やかな風を運んで来てくれそうなネーミング、ミントガーネット。ガーネット種の中ではレアな種として知られるミントガーネットですが、比較的ジュエリーには加工される傾向も高く人気があるガーネットの一つです。

ここではミントガーネットの特徴をご紹介しながら、その価値や注目ポイントをわかりやすくまとめて行きたいと思います。

ミントガーネットはグロシュラライトガーネットの一種

ガーネットは大きく分けて6種類のガーネット、プラスいくつかのガーネットが固溶体として混ざることもある非常に複雑なグループを作る鉱物として知られています。

今回ご紹介するミントガーネットは、カルシウムを含むウグランダイトガーネットの中で、グロシュラライトガーネットと呼ばれる一種です。グロシュラライトガーネットはガーネット族のなかで鉄、クロムやチタン、マンガンイオンなどがどの程度含有するかで、緑やオレンジ、赤、ピンクなどの色合いを決定していきます。

ミントガーネットは同じグロシュラライトガーネットの中で、ティファニーがその鉱物名を命名したツァボライトとは異なる緑色を呈するガーネットです。そのペールグリーンは主にクロムと若干の鉄イオンに起因し、ツァボライトとは異なる発色要因があることを覚えておきましょう。(ツァボライトはクロムまたはバナジウムが透明度の高い緑色を発色させます。)

ミントガーネットとライムガーネットは同一種なの?

ミントガーネットはツァボライトと比べて、薄い緑~黄緑、黄色の石があり、一概に必ずミント色を呈するという訳ではありません。その為まるでライムのような黄緑色の石はミントガーネットと同様に、コマーシャルネームとしてライムガーネットと呼ばれることもあります。

日本ではツァボライトとミントガーネットまたはライムガーネットを別の石として認識していますが、海外の小売店、鉱物フェアなどでは同じグリーン系グロシュラライトガーネットとして同一視される場合も少なくありません。

基本的にミントまたはライム様の色の相違に関しては含有するイオンの違い、量によっても異なりますが、よく輝く濃いグリーンのガーネットはツァボライト、薄い緑、黄色、黄緑のものはミントまたはライムガーネットと考えるとわかりやすいですね。

ただし同じウグランダイト系のアンドラダイトガーネットにも黄緑色、黄色のトパゾナイトや分散力がダイヤモンド同様に高いグリーンのデマントイドガーネット等もあるので、それらの鑑別は目視だけでは難しいのが現実です。

気になる天然ミントガーネットの価値から相場まで

ミントガーネットはアルミニウム系のパイラルスパイトガーネットとは異なり、希少性の高いガーネットの内の一つです。

ケニア、タンザニア、ブラジルやマダガスカル等で産出しますが、その量は決して多くなく、小粒の石が大半なので、1カラットを超えるミントガーネットは大変貴重でその市場価格も高く設定されます。

ミントガーネットに限ったことではありませんが、希少な種のガーネットでも合成石は少なく、なおかつ加熱や放射線による人為処理はあまりされないので天然無処理の石として販売される場合がほとんどです。(デマントイドガーネットはしばし加熱処理が行われます。

相場に関してはピンキリですが、色の薄いもので1カラットないような小粒ルースは1万円程度から見られますが、ミントカラーが美しいものは5万円程度、更に珍しいUVタイプもミントガーネットは数十万円で取引される場合も少なくありません。基本的にミント色はライム色のものよりも高く評価される傾向があります。
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超希少!メレラニミントガーネットの蛍光性が話題

ミントガーネットの中でもタンザニアのメレラニ鉱山で採掘されるものは、非常に高価で取引される傾向があります。

ここではそんなタンザニア産のメレラニミントガーネットの特徴について解説していきたいと思います。

タンザニアのメレラニ鉱山で採掘!ピンクに光るミントガーネットの秘密

タンザニアと言えば多くの宝石が地中に眠る宝石の宝庫。特にタンザナイトで有名ですが、メレラニ鉱山には特殊な性質を有したミントガーネットが産出することでも知られています。

他の国のミントガーネットと同様の色合いですが、タンザニア産の石は紫外線ライトを照射するとピンク、薄紫色に蛍光反応を示す石が採掘されています。この蛍光反応はルミネセンスと呼びますが、強いピンク色の蛍光を示す石は、前述で述べたように非常に高価で取引されています。

全てのタンザニア産のミントガーネットに見られる現象ではありませんが、含有するクロムの含有量によってその蛍光の強さが決まると考えられています。

紫外線を当てることで不思議な光を発する宝石は数多くありますが、ミントガーネットに関してはこの蛍光性を見せるメレラニ鉱山で産出される、メレラニミントガーネットはその美しさ、希少性の高さで一目置かれる品質と希少性を誇っているのです。

ミントガーネットと思しきガーネットを見かけた際は、ぜひブラックライト下に置き蛍光性があるのか確かめ見てください。ぼんやりピンク色に輝き出せば、それはタンザニア産の希少なミントガーネットの可能性が高いと言えるでしょう。
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まとめ

今回はグリーンガーネットの中でも、日本でも比較的知名度のあるミントガーネットについて解説していきました。

ツァボライト、デマントイドガーネットとは異なる、どこかマイナスイオンを感じられそうなミントグリーンが美しいミントガーネット。

大粒カラットの石は少ないですがジュエリーとしても楽しめる硬度、美しさを誇る宝石なので、ちょっと変わり種の石を!という方は、ぜひタンザニア産のメレラニミントガーネットをおすすめいたします。

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