日本人は世界屈指のプラチナ好きと知られています。そんなプラチナ大国日本においても、やっぱりゴールドジュエリーの人気は高し!艶やかなで、まったりとした輝きを見せるゴールドですが、その品位によって色合いや硬さなどの特徴が大きく異なります。
今回は地銀として使われるゴールドに焦点を当て、その純度の違いや特性についてご紹介していきたいと思います。ゴールドってこんなに深くて、面白い金属だったんです!
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18K?24K?ゴールドのKカラット表記の意味を、もう一度整理してみよう!
当たり前のように18K、24Kという言葉が氾濫している昨今、その意味を何となくでしか理解できていない方も多いことでしょう。しかし実際にそれらの違いを細かく追及していくと、地銀としてのゴールド選びはずいぶんと面白くなってくるものなんです。
今回はあえて宝石ではなく、地銀としてのゴールドの魅力についてお話してみたいと思います。
ゴールドのKとは何を意味するもの?
まず地銀として利用されるメタルというものは、その美しさだけでなく、耐久性、希少性そして加工性に優れた金属でなければなりません。ジュエリーで利用されるメタルの代表例として、金、銀、プラチナ、パラジウムなどが挙げられますが、これら貴金属(プレシャスメタル)と呼ばれます。
その中でも人類が最初に見つけたと呼ばれる金は、古来からジュエリーに多く活用され、安定した市場価値を誇ってきました。
しかし金が純度100%で使われることは少なく、ジュエリー加工に適した硬さにするために、他の金属と混ぜ合わせる必要があります。
つまりジュエリー制作に適応させるために、他の合金を混ぜて金の純度を変える必要があり、その品位を示す単位こそが18K、24KなどのKで表される「カラット」なのです。
24カラットが純度100%のゴールドであり、この24を起点として、不純物の割合によって22K、18K、14K、10K、9Kなどの各種純度の異なるゴールドが作られていくのです。
ダイヤモンドのカラットとは根本的に意味が異なる!
金の純度を示す単位がカラットですが、似たような言葉を聞いたことがある!という方も少なくないはず。
そうダイヤモンドジュエリーを購入するときに、よく耳にするカラットですね!ダイヤモンドはその品質統制をするための評価基準が厳格に決められており、それらを4C(カラット、カット、クラリティー、カラー)と呼び、その基準の一つがダイヤモンドの重さを表すカラットです。(ちなみにダイヤモンドの1カラットの重さは、200㎎と制定されています。)
ただしダイヤモンドの重量を示すカラットはCtであり、ゴールドの純度を示すKとは違い、その意味合いも全く異なるので、混同しないように注意しましょう。
カラットが異なると変わるゴールドの特性とその価値について
ゴールドの含有量を表す単位がK(カラット)であること、そしてダイヤモンドのカラットとは全く異なる意味合いを持っていることをわかって頂けたでしょうか?
それではここでもっと深くゴールドの品位が変わることで生じる変化、特徴についてお話してみたいと思います。
ゴールド品位の特徴まとめ
金の純度が低くなればなるほど、価格も安くなり、経済的にゴールドジュエリーを手にすることができます。
しかし日本ではあまり低品質のゴールドがメジャーではなく、特に18Kや14Kのゴールドが大半を占めています。
まず18Kに関してですが、これは100%のゴールドの内75%がゴールドであり、残りの25パーセントが合金であることを示します。(18/24を計算すると、0.75になります。)
14金に関しても同様の計算で、58.5%のゴールドを含有し、残りの41.5%は合金であることが分かるはず。
一般的に金の純度が高いほど錆びにくくなり、生体親和性もよく金属アレルギーも起こしにくいという特徴があります。また混ぜる合金(割金といいます。)の割合を変えることで、ゴールドの色合いも微妙に変化し、イエローゴールド、グリーンゴールド、ピンクゴールドやホワイトゴールドなど多様性に富むカラーゴールドを楽しむことが可能です。
また昨今はグレーゴールド、ブラックゴールドやシャンパンゴールドなどのカラーバリエーションも登場し、性別問わずゴールドジュエリーの選択の幅が広がりつつあります。
因みに混ぜる銀の量が大きくなればなるほどゴールドに白みが帯び、銅の割合が多いと黄色みが出てきます。少しの割金の違いで様々なゴールドカラーを楽しめることは、金の品位を変えることで得られる最大の恩恵と言えるので、自分の好みにシックリくるようなゴールドを比較してみるのも面白いでしょう!
各国で異なるゴールドの含有量の傾向
日本のジュエリー業界では18Kがよく利用されており、ゴールド=18Kが基準のように思えてしまうほど。なぜ18Kがジュエリーに利用されているかを考察してみると、その変色性の少なさや、金属アレルギーを起こす確率が低いこと、そしてジュエリー加工する際のちょうどよい硬さがあるからです。
ただしゴールドの含有量の比率は各国によって異なり、中国や台湾、中東諸国では22K~24Kの高純度のゴールドが好まれる傾向にあります。またアメリカでは14K、イギリスではロイヤルゴールドと呼ばれる低品質の9Kがよく使われています。
ジュエリーの加工のしやすさや普段使いに適しているカラットは9K~18Kと言えますが、なぜ国によってここまで金の純度に開きがあるのか?と不思議に思う方もいることでしょう。
そこには金が持つ普遍的な財産価値が大きく関係しており、特に24Kの純金ジュエリーは携帯可能な財産と見なされ、不動産や仮想通貨とは異なる安定した価値が期待できるからと考えられます。特に中国大陸では24K信仰が強く、純金を携帯することが一種のステータスとなっているのです。
それとは反対に伝統と歴史を愛するイギリスでは9Kゴールドが、最もスタンダードなゴールド品位としてジュエリーに加工されています。王室が発注するゴールドも9Kのものが多く、いかにイギリスが9Kを愛でているのかが分かりますね!
イギリスのように宝飾史の中でも重要視される国においては、14世紀頃からホールマーク制度が確立されていき、1854年には金の含有率が37.5%である9Kもゴールドであると認定されたため、現代も9Kがメジャー品位として利用されているのです。
つまり中国においては金の市場価値が重視され、イギリスでは低品質であってもデザイン性や伝統が重視されている、そのためゴールドの品位に関しての価値観も違ってくるのでしょう。
日本やアメリカはその中間地点でデザイン性も金の価値も重視した品位を好みますが、その国民性やジュエリーに対する価値観が、そのまま金の品位に影響を及ぼしているとは何とも興味深い点と言えますね!
まとめ
今回は金の品位、つまりゴールドの純度についてお話をしてみました。何となくしかK(カラット)の意味を理解していなかった、という方も多いと思います。
一言でゴールドと言っても、いかに多くのバリエーションがあり、そして国によって異なるその価値観がることもゴールドの面白みの一つです。
そしてジュエリーを購入する場合は予算やアレルギーの有無をよく考慮して選びましょう。
特に金属アレルギーの方はどのメタルに対してアレルギーを持っているかを事前に把握することも重要なので、一度パッチテストを受けることを強く推奨いたします。