ホワイトサファイア、最近よく見かける宝石です。ダイヤモンドと思いきや、実はホワイトサファイアだった、なんてこともよくあるパターン。
今回は昨今人気が急上昇のホワイトサファイアの魅力を徹底解剖!無色透明のサファイアも、実はこんなに愛らしく価値ある宝石だったんです。
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ホワイトサファイアってどんな宝石?
紺碧のブルー、かつては聖職者によって愛でられ、そして聖母マリアの象徴とされたサファイア。私たちはサファイアと聞くとブルー一択と連想しがちですが、実は様々なカラーバリエーションが存在する宝石だったのです。
ここではまずサファイアという鉱物の特徴から、その魅力を解説していきたいと思います。
カラーバリエーション豊富なサファイアのカラーレスバージョン!
サファイアはルビーとともに、コランダムに属する鉱物です。コランダムとは酸化アルミニウムによる鉱物であり、ダイヤモンドに次ぐ硬さを誇り、そのモース硬度9と非常に硬い宝石です。
つまり非常にジュエリー加工に向いている鉱物と言え、古来から様々な形でジュエリーに応用されてきました。
非常にざっくりとした説明ですが、赤いコランダムをルビー、そしてブルーのものをサファイアと大別可能で、更にサファイアはその付加元素の違いによって、様々なカラーバリエーションを呈することでも知られています。
昨今大変人気なパパラチアサファイアは、オレンジピンクが美しく、英国王室のユージェニー王女が婚約指輪として選んだほど、セレブリティーにも人気がある宝石です。その他にもヴァイオレットサファイア、オレンジサファイア、イエローにグリーン、そして無色透明なものまで様々。
その中でも色がない無色のものをカラーレスサファイアもしくはホワイトサファイアと呼んでいるのです。
ホワイトサファイアの特徴とその産地について
ホワイトサファイアを含むサファイアは、世界各地で採掘されており、主にオーストラリア、アメリカモンタナ州、スリランカ、タイやナイジェリア、モザンビークなどが産地として知られています。
取れるサファイアが全て宝石品質の良質なものではありませんが、各地で取れるサファイアのカラーはまさに自然の賜物。どんなカラーリングを呈するかは発掘するまではわからず、更に年月を寝かすことで、そのカラーが変化することもあるそうです。
その中でも不純物のないホワイトサファイアは特に貴重であると言われ、カット次第でその魅力を開花する宝石として人気を博しています。
ダイヤモンド同様に、インクルージョンや表面に傷がないものは高価で取引されており、あえてホワイトサファイアをセンターにセッティングしたジュエリーも登場するくらい。
ホワイトサファイアは無色透明であるがゆえ、他のパステルカラーのサファイアに比べて知名度や大衆的な人気はまだまだの部分もあります。しかし宝石好きにとっては、本当にクリアで透明度の高いホワイトサファイアは、一目置かれる存在として大人気ということも付け加えておきましょう。
因みに9月の誕生石であるサファイアは、色別に異なる石言葉があり、ホワイトサファイアの場合、「輝く知性、聖なる力」を意味する、非常に神々しくありがたい石言葉を持っています。
K18YG/WG アコヤ真珠&ホワイトサファイア ピアス
ホワイトサファイアがジュエリーとして人気の秘密とは?
ホワイトサファイアのジュエリーを持っている方はあまり多くはないと思います。ダイヤモンドでもクォーツでもない透明度を持つホワイトサファイア、ここではジュエリーとの相性の良さ、そしてその人気の秘密について迫ってみましょう。
無色透明の輝きがアンティークジュエリーにも多用されてきた
無色透明のホワイトサファイア、時に加熱処理を通してブルーサファイアにされてしまう事も多いホワイトサファイア。
しかしコランダムという鉱物的性質から、宝飾史でも無視できない存在感を持つ宝石として知られ、アンティークジュエリーにもホワイトサファイアが多く使われています。
カット方法こそ様々ですが、ホワイトサファイアは色石との相性がよく、センターセッティングだけではなく、脇石としてセットされることも少なくありません。
宝飾史の様式から言うと、エドワーディアン~アールデコに作られたエンゲージメントリングに多く見かけられ、贅沢なカラット数のホワイトサファイアが花嫁の薬指にはめられていきました。
ダイヤモンドと異なり、そこまで市場価値が飛びぬけているわけではないので、ジュエリー用の加工もダイヤでは考えられないデザイン、カットで制作できるため、より華やかさが増す、それがホワイトサファイアの婚約指輪の人気の秘密と言えるでしょう。
ダイヤモンド類似石としての人気も!
婚約指輪として加工されることも多かったホワイトサファイア。つまりホワイトサファイアはそのモース硬度、そしてダイヤモンド並みのクリアな色合いがゆえ、いわゆるダイヤモンド類似石として、その地位を確立していくことになるのです。
ダイヤモンド類似石とは、ダイヤモンドに見える天然もしくは合成の宝石のことを指しますが、化学的、物理的な特性はダイヤモンドとは全く異なる宝石のことを言います。例として挙げれば、キュービックジルコニア、モアッサナイト、ジルコンやホワイトサファイアなどが挙げられます。
ダイヤモンドと比較することでその鉱物的価値が上がるわけではありません。しかし時代を問わず女性を虜にするダイヤモンドのような輝き、カラーを、手の届きやすい価格で、しかも大粒カラットで楽しめる、それがホワイトサファイア最大の魅力なのです。
ダイヤモンドと比べて、その煌き、派手さは抑えられますが、あえてホワイトサファイアのジュエリーを愛用する方も少なくありません。サファイアの中では比較的地味な存在に見えるかもしれませんが、これからのジュエリー市場でより存在感をあらわにしていくポテンシャルを持っているのが、ホワイトサファイアなのかもしれませんね!
K18YG ホワイトサファイア ピアス
まとめ
今回は昨今人気のカラーレスサファイア、通称ホワイトサファイアの魅力に迫ってみました。サファイアの代名詞カラーのブルーも勿論素敵ですが、あえてホワイトサファイアを選ぶのも素敵です。
煌きこそダイヤモンドには負けますが、そんな奥ゆかしく控えめな輝きこそ、落ち着いた淑女の魅力を底上げする、それこそホワイトサファイアが女性に支持される秘密なのかもしれません。
K18WG ホワイトサファイア ピアス