普段何気なく使っている言葉であっても、それが持つ意味を正確に把握せず使っていることは少なくないはず。
さて皆さんはネックレスとペンダントの違いを明確に区別することはできますか?同一に見えても似て非なるネックレスとペンダント、今回はそれに加えてチョーカーとの違いについても検証していきたいと思います。
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混同注意!ネックレスとペンダントの違いはコレ!
ネックレス、ペンダント、うーん、どちらも正直同じ意味としか思えません。実際宝飾業に従事している方でも、それらをごちゃ混ぜに混同してしまう方も多いのです。
大きな差異こそありませんが、ジュエリーを末永く愛でて生活を豊かにしていく為にも、しっかりその違いを把握していきましょう。
ネックレスとは?
首元のお洒落として欠かせない、女子力向上アイテム、それがネックレス。さてここでネックレスの定義を整理してみると、基本的に首元、または首全体を覆う装飾品の総称です。
首に下げているアクセサリー、ジュエリーの総称といってもイマイチピンと来ないと思うのでここで例を挙げてみます。
①ゴールドのチェーンネックレス
②パールやビーズの一連、二連ネックレス
③宝石が散りばめられた首飾り
上記のものはネックレスのわかりやすい例ですが、つまりチェーン単体、またはチェーンプラス装飾部分が一体化してあるものがネックレスと考えて差し支えありません。
ネックレスは大変古い時代から人々を彩る装飾品として扱われ、今から3000年以上前もビーズを繋げたネックレスなどが作られ、装身具プラスαの魔除けアイテムとして身に着けられていきました。時代時代によって、その流行が敏感にネックレスに反映されてきたことは言うまでもなく、19世紀ヴィクトリアン時代のデザインや仕様は現代のネックレスに色濃く反映されています。
ペンダントの場合
さて一方ペンダントはというと、ネックレスとは異なり主にチェーン部分とその下にある装飾部分が別個になっているものを指します。
簡単に例を出してみると、チェーン部分に下がっているものはペンダントヘッドといいますよね! つまりチェーンとそれに繋がる装飾部分(例えば宝石や地銀のペンダントヘッド)が独立してあるものがペンダントです。それらが個別に売られていることもありますし、それらがセットになって売られる場合もあります。
しかし広義の意味合いで捉えると、ネックレスの一部をなすのがペンダントとも言え、個人によってはネックレス=ペンダントと考える方もいます。
補足としてペンダントの歴史を紐解くと、ルネサンス以降ネックレスの需要と感心が高まると共に、ペンダントのデザインや豪奢さも一際大きなものになりました。特にハンス・ホルバインが残したペンダントのジュエリー画はそれを物語るもので、数世紀を経た19世紀にはその原画を基にした貴石、半貴石とエナメルで装飾したペンダントが多く制作されました。
メンズにもお馴染み!チョーカーとネックレスの違いも検証
首飾りの中にはネックレスとペンダントがあり、ペンダントはチェーンにぶら下がるものを定義し、しかしそれ自体もネックレスという枠に収めることができるということをお話してきました。
さて、ここで「はて?チョーカーはどの属に当てはまるのか?」という疑問を持つ方もいると思います。どちらかというとアクセサリーよりのチョーカー、果たしてこれはネックレスとどのような相対関係があるのでしょうか?
チョーカーとは一体?
チョーカー、こちらはもはや若者にお馴染みのアクセサリーですね。懐メロを聞いていても、この単語が出てくるくらい。
チョーカーとは和製英語ではなく、あくまでChokerという英語をそのままカタカナ読みしたものです。辞書で調べてみると、「首にピッタリとした首飾り」と意味することが記されています。
つまりチョーカーとはネックレスやペンダントと比べても、首への密着度が高い装身具の一つで、特にレザーやビロードのものが一般的です。それ単体で身に着けたり、ペンダントトップを吊るして楽しみます。
宝飾史の中でも18世紀には多くの女性がシルクのリボンをくびに巻いていたり、そこに小さなミニアチュール、カメオ、ロケットなどを吊るしたり、パールで装飾したものを身に着けてポージングしています。フランス革命時は豪奢なネックレスやペンダントの代わりにシンプルなチョーカーが流行しました。
ただし現代ではチェーンの長さが短めのピッタリしたタイプをチョーカータイプのネックレスと形容することもあるので、その点も覚えておきましょう。
まとめ
今回はジュエリー雑学あるあるの疑問点、ネックレス、ペンダントの違いについて解説してみました。
ネックレスはチェーン単体、または装飾部分が一体となっているもので、ペンダントはチェーン部分に吊るされる装飾部分が別個にあるタイプ。チョーカーは皆さんの想像通りレザーなどの長さが短い密着度の高い首飾りのこと。
これらの違いは比較的小さなものですが、装身具の歴史を振り返るとやはり区別されているので、ぜひ皆さんもそれらの定義を頭に入れてジュエリー選びをして頂ければ幸いです。