ティアラは礼装時に付けるヘッドジュエリーです。
よく目にするのはロイヤルファミリーの社交の場や、結婚式のときでしょう。
ティアラは神々の住む星空へ、祈りや誓いを届けるものと言われています。
そのため、神聖な場所で使われることが多いですね。
ティアラの歴史
ティアラは頭に飾るジュエリーです。
現在一般では洋式の結婚式で付けられる、花嫁の憧れのジュエリーでもあります。
ティアラの歴史は古く、古代エジプトのミイラの棺の中に、死者への敬意を示して金のティアラを頭に乗せたのが始まりと言われています。
そして、ギリシャにもティアラは伝わり、美しく宝飾された形になっていったのです。
後に、フランスの皇帝ナポレオンが、宮廷で女性にもティアラを装着するように命じました。
宝石をちりばめた豪華できらびやかなティアラは、富と地位を表していたこともあり、宮廷を格式高いものにしたかったとも伝わっています。
世界の王室・皇室のティアラ
ティアラを見る機会があるのは、一般人なら結婚式ぐらいでしょうが、世界の王室や日本の皇室でも、ティアラを付けている機会をよく見かけます。
特にヨーロッパにある王室には、歴史のあるティアラがたくさんあり、現代にも受け継がれています。
現在使用されているティアラで世界最古と言われているのが、スウェーデン王室の「カメオ・ティアラ」です。
1809年に、ナポレオンから妻ジョゼフィーヌに贈られたと言われているティアラです。
なぜスウェーデンにあるかと言うと、ジョゼフィーヌの孫のユセフィナ・アヴ・レウクテンベリが、スウェーデン・ノルウェー国王に嫁いだ際に持参したからです。
カメオ・ティアラと言われるのは、7つの繊細に彫られたカメオの周りにパールを施した金のティアラだったからです。
とても大ぶりで存在感のあるティアラで、最近でも結婚式などで装着しています。
そもそも、女性が身に着けるティアラは、礼装時に着用されます。
特に注目度が高いのが、イギリス王室でしょう。
イギリス王室は、普段からファッションなどの注目度が高いですね。
王子たちの結婚相手がどのティアラを着けるのかを、予想するニュースもありました。
日本の皇室にティアラが登場したのは、明治時代でした。
当時、急激に西洋化を進めていた背景から、皇族の方も洋装をする機会が増えたためです。
その頃のジュエリーは、海外からの取り寄せ品が主で、日本の宝飾店では、皇族の方のジュエリーを扱っていませんでした。
日本のジュエラーが採用されたのは、大正時代になってからです。
明治時代に作られたティアラは、「第一ティアラ」として、今でも皇后に受け継がれています。
大正時代に作られた菊の花のデザインのティアラは、「第二ティアラ」として、こちらも現代に受け継がれています。
現代は、女性皇族の方が成人したら新しくティアラを作る習慣になっています。
結婚式でかぶるティアラの由来
もともとティアラは富と地位を表していましたが、現代では少し意味が違ってきています。
中世ヨーロッパの時代、星空は神々のいる場所と考えられていて、愛の誓いを立てるのもその場所だと考えられていました。
人は重要な決断をするときには、星空の下で誓いを立てたのです。
そして、星空をモチーフにしてきらびやかなシャンデリアができ、誓いの場は外ではなく、屋内に変化していきました。
やがてシャンデリアを見立てて作られたのが、王冠やティアラだったのです。
王冠やティアラを授かる戴冠式は、星空の神々から祝福されて、繁栄の加護を授かる神聖な儀式へと進化していきました。
結婚する花嫁に神々の祝福が授かれるように、結婚の誓いを立てる結婚式でティアラをかぶるようになったのです。
ティアラは、星空への祈りや誓いを届けてくれるものと言われています。
結婚式でかぶるティアラの選び方
結婚式でティアラをかぶりたいと思っても、種類があって選び方に迷いますよね。
そこで代表的なモチーフからティアラの選び方をご紹介します。
ティアラは主に4種類の形があり、モチーフごとにも意味があります。
・プリンセスティアラ
プリンセスティアラは、王道といえるティアラです。
全面にふんだんに宝石をちりばめていて、まさにお姫様気分を味わえます。
柄の部分の伸び縮みができないものが多いので、サイズが合ったものを選ぶことが重要です。
・クラウンティアラ
クラウンティアラはその名の通り、王冠を模した円形のティアラです。
大ぶりなクラウンティアラをかぶると豪華さを演出でき、小さめのクラウンティアラはキュートな印象にできます。
・カチューシャティアラ
カチューシャティアラはその名の通り、半円系のカチューシャタイプのティアラです。
簡単に取り外しができます。
細目でカジュアルなデザインのものが多いので、カジュアルな二次会向けのアイテムです。
・コームティアラ
コームティアラは、くしの部分が付いた、髪に差し込むタイプの小ぶりなティアラです。
控えめな印象のティアラなので、大きめの髪型にしたいときのワンポイントにすることも可能です。
ティアラは、形だけでなく、モチーフにも意味があります。
・ハートモチーフ
ハートのモチーフのティアラは、その名の通り永遠の愛を表現しています。
・リボンモチーフ
人との縁をつないで結び付け、絆を深くする思いを表現しています。
・フラワーモチーフ
昔は、生花を冠にしていました。その名残で代表的なモチーフです。
花言葉によって意味が異なるので、気に入るものを選ぶと良いです。
ティアラによく使われているダイヤを日常の装いに
ティアラには、たくさんの宝石がちりばめられていますが、特に多いのがダイヤモンド。
ダイヤモンドは、女性の憧れのジュエリーでもありますね。
日常でもダイヤモンドのジュエリーを身に着けると、ぐっと装いも華やかになります。
まとめ
ティアラは、古代より伝わっていたヘッドジュエリーでした。
世界の王室では、長年受け継がれたティアラが現代でも活躍しています。
日本の皇室でも、明治時代から受け継がれたティアラがあります。
ティアラは礼装時に着用するジュエリーなので、ロイヤルファミリーが身に着けているのをよく目にしますね。
一般の人がティアラを着けるのは、結婚式のときでしょう。
ティアラには、神々が住む星空への祈りを届ける役割があると言われているからです。
ティアラを着ける際には、意味を考えながら選ぶとまた楽しいですね。