そっとダイヤモンドを覗き込んで見ると、あれっ、何かダイヤモンドの中に入っている!こんな経験をしたことがある方は多いと思います。ダイヤモンドに限らず宝石には、その鉱物の生成、成長過程で気泡や傷などが入り込むインクルージョンが見られることが少なくありません。

今回はダイヤモンドにおけるインクルージョンの種類をわかりやすく、いいインクルージョン、悪いインクルージョンに分けてその特徴を紹介していきたいと思います。

ダイヤモンドのインクルージョンとは?希少価値の高い内包物まとめ

皆さんはインクルージョンという言葉をご存知でしょうか?インクルージョンとはその宝石の内部の内包物のことで、その内包物や傷が表面に到達したものをブレミッシュと呼び、ダイヤモンドのクラリティー評価に大きな影響を与えます。

特にインクルージョンは非常に多くの種類が確認され、その品質決定だけでなく天然または合成かを測る大きなヒントにもなってくるのです。ここではそんなインクルージョンの中でも希少価値が高い、レアなダイヤモンドインクルージョンを紹介していきたいと思うので、両目を見開いて目くるめくインクルージョンの世界を覗いていきましょう。

ダイヤモンドの4C評価クラリティーとは?

まず簡単にダイヤモンドの品質評価の1つであるクラリティーについてお話したいと思います。クラリティーとは前述のようにインクルージョンやブレミッシュがありますが、10倍のルーペで覗いた際にどれだけそれらを目視できるかを相対的に表したものです。

クラリティーはFLOWLESS~I3(Included)までの計11段階で評価されますが、最高ランクのFLOWLESSは市場にほとんど出回りません。バリバリ現役のインクルージョンが裸眼で確認できるI3ランクもあまり宝飾品に加工されませんので、通常VVS1(Very Very Slightly Inluided)~SI2(Slightly Inlcuded)のダイヤモンドをよく見かけます。

ダイヤモンドの4Cの中でも、特に消費者にとって品質判断の基準が難しい要素ではありますが、ダイヤモンド鑑定には欠かせず、なおかつダイヤモンドの面白さを助長する要素にもなっているのです。

希少価値大!ダイヤモンドのレアインクルージョンはコレ

ここでは本題であるインクルージョン紹介をしていきたいと思いますが、「これは欲しい!、これは貴重なり!」と思わず声が出てしまう、そんなインクルージョンを見ていきたいと思います。

以下でご紹介するのは「クリスタル」という種類のインクルージョンであり、ダイヤモンドの中に内包する形で他の宝石がインクルージョンとして点在するものの事です。一粒で二度おいしいではありませんが、自然の雄大さ、不可思議さを感じさせる姿に思わずホロリとしてしまいます。

①ダイヤINダイヤモンド
ダイヤモンドの中にダイヤモンドが混入しているものを言います。ネーミングそのままですが大変、大変レアなインクルージョンで、子持ちダイヤとの呼び名もあります。

②ガーネットダイヤモンド
こちらは深紅の宝石であるパイロープガーネットが内包したダイヤモンドになります。特にハッキリと目視できるガーネットがインクルージョンで入っている物は人気が高く、ガーネットらしい赤~オレンジ系の内包を楽しめる素敵なインクルージョンです。

③ルチルダイヤモンド
ルチル結晶が内包されたものもレアインクルージョンとして数えられます。ガーネットやダイヤモンドが封入されたものより人気は劣りますが、それでも高価で取引されています。

④グリーンダイオプサイドダイヤモンド
まるでエメラルドを覗いているかのようなエメラルドグリーン、グリーンダイオプサイドがインクルージョンとして含まれるダイヤモンドも少なくありません。マイナスイオンが発生しそうなその緑はクロムを含んでいることに起因します。

⑤オリビンダイヤモンド
オリビンとはつまりペリドットのことですが、薄緑のペリドット結晶がダイヤモンド内部に入り込むこともあります。こちらもあまり見られないレアタイプとして鉱物マニアのハートをくすぐるインクルージョンですね!

この他にも、グラファイト、スピネルやヘマタイトなどが結晶として内包されることもあります。インクルージョン自体はクラリティーにマイナス影響を与えますが、これらのインクルージョンは特にその希少性から高く取引されることも少なくありません。
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ダイヤモンドの品質評価に悪影響を及ぼすインクルージョン

ここでは上記と異なり、その品質にネガティブな評価を見せることが多いインクルージョンについて解説していきたいと思います。

思った以上に複雑ではありますが、ぜひダイヤモンド購入の際は10倍ルーペで覗き込み、それぞれの子の特徴をよく理解してから購入してくださいね!

避けるべきダイヤモンドのインクルージョンについて

上記でレア過ぎる結晶封入型のダイヤモンドをご紹介してきましたが、ここではクラリティーにマイナス評価を与える、購入の際に避けるべきインクルージョンについて解説していきたいと思います。

①フェザー
ダイヤモンド内部に見られる割れのことで、まるで鳥の羽のような様相からフェザーと呼ばれます。

②ピンポイント
ルーペで覗くと見える極小の点のことで、個々に存在するものもあれば、複数があつまって見えるものもあります。

③チップ
外部の衝撃から主にガードル部分に見られる小さなかけのことです。

④ニードル
ニードルとは無色透明の針状の内包物のことで、それらが複数あると必然的にそのクラリティーは低下してしまいます。

⑤クラウド
まるで雲もしくは雪の結晶を見ているような白色の点の集まりの事です。文字通り雲のようなインクルージョンで、大きくダイヤモンドの美観を損ないます。

⑥ブルーズ
ダイヤモンド表面の欠けやくぼみのことで、主に外部からの強い衝撃によって生じます。

上記ではダイヤモンドの代表的なインクルージョンを抜粋して紹介していきました。こうしてインクルージョンを文字として解説していくと、絶対インクルージョンがない方がいいに決まっている!と思ってしまうかもしれません。

しかし鉱物全体に言えることですが、全くインクルージョンがない物を見つけるのは至難の業、といるくらいに当たり前に大なり小なりの内包物を有しているのが通常です。そしてそれらの多くは10倍のルーペで見てようやく観察できるものであったり、セッティングする地銀やカラット、カラーによってほとんど気にならないものも少なくありません。

その為投資目的ではなく純粋にダイヤモンドを楽しむのであれば、若干クラリティー評価が低くても問題なく美しいダイヤモンドを実感できるはず。またインクルージョン自体もその宝石が持つ個性として大きなハートでお迎えする方が、逆にダイヤモンドをより愛せるのではないでしょうか?
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まとめ

今回はダイヤモンドのインクルージョンについて解説していきました。ダイヤモンドに魅せられた女性は多いと思いますが、ダイヤモンドを選ぶ基準として、ぜひこのインクルージョンに注視して選んでみてください。

こんな子もいるのね、あんなインクルージョンもあるんだ!とそれぞれのダイヤモンドの個性や主張が手に取るようにわかるはずです。4Cのクラリティー要素にダイレクトに影響を及ぼし、その品質を左右するので、大まかなインクルージョンの種類を頭に入れて、ダイヤモンド選びの参考にしていただければ幸いです。
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