日本人はプラチナ好きな人種として知られています。皆さんの中でも、プラチナ製の婚約指輪、結婚指輪を身に着けている方も多いのではないでしょうか?
さて今回は大人の輝きがクールなプラチナ、そして同様の輝きを誇るホワイトゴールドをフォーカス!
似て非なる2つの金属、プラチナとホワイトゴールド、いったいどのような違いがあるのでしょうか?

プラチナとホワイトゴールドって何が違うの?

皆さんも化学の時間に学習したと思いますがプラチナは白銀、元素記号で表すとPt。ホワイトゴールドはつまるところ金なので、元素記号はAuですね!似たような色の金属ではありますが、全く異なる性質を持っています。

元々ホワイトゴールドはプラチナの代用品として使われてきましたが、現在はプラチナ同様、非常にメジャーで人気のある金属です。

ここではまずプラチナとホワイトゴールドの性質の違い、特徴を解説していきたいと思います。

プラチナの特徴

プラチナはホワイトゴールドよりも、落ち着いた輝きがあると言われ、ずっしりとした重量感が特徴です。そして永遠に色焦ることがない永久性から、永遠の愛と結び付けられ、婚約指輪や結婚指輪として人気を博しています。

プラチナは粘性という独特の粘り気があるため、強度のある宝石のセッティングが可能です。

地銀として使用する際は、プラチナを100%の純度でジュエリー加工するには柔らかすぎるので、パラジウムやイリジウム、ルテニウムなどを混ぜ、Pt999、 Pt950、 Pt900、Pt850などの合金として利用します。(日本国内ではその加工のしやすさから、Pt900が多く利用されています。)

デイリーユースで付けっぱなしにしても変色することがないその輝き、シルバーのように錆びない腐食性の強さはプラチナの大きな利点といえ、ダイヤモンドに相応しい地銀として人気を博しています。

ホワイトゴールドの特徴

ホワイトゴールド人気は欧米で非常に高いことで知られていますが、日本でもプラチナ同様ポピュラーな地銀として知られていますね!ホワイトゴールドは色味に白さを出すためにパラジウムなどを混ぜており、ゴールドの純度により22KWG、18KWG、14KWG、10KWGなどに分類されます。

ただしパラジウムなどの割金を混ぜたとしても、まだその色合いは不十分なので、通常表面にロジウムをメッキし、白見をより美しく、そして変色を防いでいるのです。

ホワイトゴールドはプラチナと異なり重量が軽く着け心地がよいのが特徴ですが、他の金属で割る割合が大きいほどその強度が増すため、例えば18KWGはPt900よりも耐久性に優れていますが、長年の使用でロジウムメッキが剥がれてくる場合もあります。

また価格に関してもプラチナより市場価格は抑えられるので、コストパフォーマンスに優れている点も見逃せません!
K18WG ダイヤモンド 0.05ct ピンキーリング

プラチナ?それともホワイトゴールド?それぞれの長所と短所まとめ

似ているようでやっぱり違うプラチナとホワイトゴールド、どちらの金属が優れているかは、結局は消費者の好き好みそしてライフスタイルにあるのです。

しかしどうしてもジュエリーの素材選びに甲乙つけがたいという方もいると思うので、ここではそれらのメリット、デメリットを比較しながらそれぞれの魅力に迫ってみたいと思います。

プラチナを選ぶメリットとデメリット

ここからはより頭に入りやすいように、メリットにデメリットを箇条書きで説明していきたいと思うので参考にしてみてください。

【メリット】
① ゴールドの1/3の産出量しかなく、資産価値が高い。
② 経年劣化で摩耗しても、粘性の強さによりセットされた宝石が落ちにくい。
③ 耐酸性、耐腐食性に優れデイリーユースに向いている。
④ 永遠にそのシックな色合いをキープできる。

【デメリット】
① 柔らかく摩耗しやすい。
② 市場価格だけでなく、加工費用もかさみやすい。

やはりメリットの方が目立つプラチナですが、ここでよく聞かれるプラチナの金属アレルギー反応についても少し触れておきたいと思います。一般的にプラチナのイオン化傾向は低く、イオン化しにくいと言われていますが、割金に使われるパラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属の一つなので、金属アレルギーが気になる方はプラチナイリジウム合金などを使用する方がベターです。

なおホワイトゴールドに関してもロジウムでメッキ処理をしているものの、割金としてパラジウムを利用することが多く、使い方次第ではメッキがはがれイオン溶出する可能性も考えられます。

金属アレルギーに関してはそれぞれどの金属にどの程度のアレルギーがあるのか分からないため、ジュエリー購入前にはパッチテストを行い危険因子について十分把握することが大切になってきます。

ホワイトゴールドを選ぶメリットとデメリット

私の周りでは非常にホワイトゴールド人気が高く、それは主に価格帯がゆえのことだと推測されます。(笑)それではここでは、そのホワイトゴールドのメリット、デメリットについて解説していきたいともいます。

【メリット】
① プラチナよりコストパフォーマンスに優れている。
② 耐久力があり摩耗に強い。
③ 軽い装着感がゆえ着け心地がいい。

【デメリット】
① 資産的価値の面でプラチナより劣る。
② ロジウム加工が取れると地銀の色が見えてしまう。
③ 酸化、硫化の可能性があるため、付けっぱなしの着用向きではない。

このようにホワイトゴールドにはその値段の手の届きやすさは魅力的ですが、プラチナとは異なるコーティング面での問題がデメリットになってきます。ただしコーティングが取れた際は、あらたにロジウム加工をすれば新品同様の輝きが出せるので、費用はかかりますが、あまり神経質になる必要はありません。

プラチナが第一選択になるのか、それともホワイトゴールドが推奨されるのかは、ジュエリーデザインの難解さ、加工の難しさ、そしてセッティングする宝石や利用頻度によって異なるので、その違いをよく理解して素材選びをしていきましょう。
Pt900 ダイヤモンド ハート ネックレス

まとめ

今回は気になるプラチナとホワイトゴールドの違いについて解説してみました。どちらが優れている、ジュエリーに向いているかに、明確な答えはありません。

勿論資産的価値を考えればプラチナに軍配があがりますが、どちらをチョイスするかはそれぞれの価値観、好みそして体質によりきり。同じような色、同じような金属だからこそ、両者の違いを把握して、よりしっくりくる、大切にできる素材を選びましょう。

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