十字架と書けばどこか重々しく感じるかもしれません。しかしクロスといえばどこかカジュアルで、様々なデザインに流用できる優秀なツールになるはず。
クロスモチーフのデザインはジュエリーにも応用される人気デザインの一つですが、今回はモチーフとしての十字架に注目し、その由来から意味、そしてクロスジュエリー着用についてのジュエリー雑学をお話していきたいと思います。
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十字架モチーフ!やっぱりその起源はキリスト教にアリ!
クロスモチーフ、それは言わずもがなキリスト教における十字架を意味しています。ここでは何気なく身に着けているクロスモチーフの、気になる起源について考察していきたいと思います。
磔刑のキリストが十字架デザインの起源
イエス・キリストが背負う十字架、またはその磔刑像、これらのイメージがクロスジュエリーの源流になっていることは言うまでもありません。
新約聖書の出来事がクロスジュエリーとして伝えられてきたその訳は、キリストが負った苦しみを共有するという宗教的な意味合いが考えられます。
約2000年もの間、カトリック、正教会の間において、キリストへの愛だとか献身を示すツールとしてのシンボルが生まれては消え、十字架以外にも、魚、仔羊、ダビデの六芒星などのモチーフがイエス・キリストと関連付けられていきました。
特に魚のモチーフは初期キリスト教におき大変重要なシンボルで、しばしシンプルな魚をデザインした指輪など、現代にも多く伝えられています。
十字架がそのままジュエリーのデザインとして機能してきたのは、300年ころからと言われ、それ以降ネックレス、リングにブローチなど様々なクロスモチーフのジュエリーが作られていきました。
総じて宗教的な意味合いが強いデザインではありますが、ジュエリーが作られた時代背景、モードに使われる地銀、宝石により、シンプルなものから絢爛豪華なクロスジュエリーが作られ、イエス・キリストのシンボルとして伝えられていくのです。
また十字架モチーフは魂の救済、イエスキリストの栄光や力を意味するものとして身に着けられるようになりますが、その時代やキリスト教の宗派によって異なります。
例えば十字架が使われているロザリオでカトリック教徒は祈りを捧げますが、プロテスタントはロザリオを使いません。
このように一言でクロスモチーフと言っても、根源となるキリスト教における救いや愛の共通性こそあれど、宗派によってクロスの種類が明確に区別されていたり、そもそもクロスを身に着けないなど様々な相違点がある点は興味深いですね。
モダンモチーフのクロスデザインはカジュアルなお守り!?
ジュエリーに利用されるクロスデザインを=宗教的な価値観としてとらえている方はあまり多くはありません。
ロザリオはロザリオ、祈祷用の十字架はそれ専用のものを用意し、十字架モチーフのジュエリーは単なるお守り代わりとしてカジュアルに使いたい!そんな風潮が全世界のモードに影響を及ぼし、昨今では宗教的アイテムというよりは一種のお洒落として機能しています。
ダイヤモンドがセッティングされたクロスネックレス、男性用のシックなシルバージュエリー、クロスモチーフはシンプルでありながら、それ相応の宝飾デザインとして成り立ってしまうので、老若男女、場所を問わずクロスデザインは大人気。
実際は本来の十字架の意味合いを知らずにクロスモチーフを身に着けている方も多く、クールで主張しすぎないシンプルデザインこそが、クロスデザイン最大の強み。
無神論者が増えてきている昨今、本来の宗教的意味合いから、よりカジュアルでデザイン性の高いジュエリー、そしてちょっとしたチャームアイテムへと変貌してきているのです。
クロスジュエリーのススメと着用時の注意点
男女ともに人気の高い十字架デザインのジュエリーですが、ここでは着用時の注意点を紐解きながら、その魅力に迫ってみたいと思います。
海外渡航時のクロスモチーフは慎重に!?
日本の数珠をまるでパワーストーンの類のように身に着けている外国人も少なくありません。しかし本来の数珠の意味を知っている私たちにとっては、???と思うのが常。
日本と海外、そこにある大きな壁は宗教観そして文化という価値観の違いであり、それらがファッション用途の数珠の在り方に疑問を投げかけるわけです。
それと同様に例えばカトリック、正教徒である国の人々から見れば、我々日本人がオシャレ目的で身に着けている十字架を見て、本当にクリスチャンなのだろうか?と怪訝な顔をするともしばしば。(特にカトリック色の強い欧米国の場合は、その傾向が非常に強い点は覚えておいて損はありません!)
もちろん日本国内でクロスジュエリーを身に着ける分には大きな問題こそありませんが、渡航先の文化、価値観によっては、しばしクロスモチーフがゆえ、ある種の誤解を生んでしまう事もあるので、その点に関しては留意する必要性もあるでしょう。
日本における冠婚葬祭時の着用はOK?
冠婚葬祭での着用に関してですが、葬儀以外であれば、どんなシーンにでも利用できるのがクロスジュエリー最大の強みです。
ただし昨今ダイヤモンド、半貴石を散りばめた、存在感が強めのデザインも多いので、その場、その雰囲気にマッチするデザインのものを選んで着用するセンスを忘れてはいけません。
総括すると、クロスジュエリーに関しても、本来の意味、起源にあまり固執する必要はなく、その卓越したデザイン性の高さ、応用の幅を生かし、自分好みのクロスジュエリーを気軽に楽しむ、そんなスタンスでクロスジュエリーを選んでみてはいかがでしょうか?
まとめ
ジュエリーデザインとしては典型的なクロスモチーフですが、宗教的側面から見たら、なかなかつけづらいデザインかもしれません。
しかし宝飾用にデザインされた装飾性の高いデザインクロスを身に着ける分には、通常のジュエリーと同様に楽しめるモチーフであることは変わりません。
シックな大人の女性を演出するシンプルクロス、大切な人との絆、愛を願いに賭けてダイヤモンドクロスを身に着けるのも素敵ですが、ペアルックで二人デイリーユースで身に着けるなんていうのもオススメです!
心葉 ブラックダイヤモンド クロスネックレス K10