宝石の美しさとは何なのか

宝石の三条件(美しさ、希少性、硬さ)のひとつに「美しさ」があります。宝石の美しさには、色彩(赤色、青色、緑色など、さらに虹色など)の美しさの他に輝き、きらめきが挙げられます。
また宝石業界では、宝石の美しさを「この石はテリ(照り)がいいね」などと表現します。このテリは、石の表面の反射光と石の内部から返って来る光の合計を表しています。
宝石の美しさにおいて、色彩の美しさを除いて、輝き、きらめき、テリなどの美しさは宝石自身が持っている「屈折率」と密接な関係があります。

美しさに及ぼす屈折率の影響

屈折率とは、宝石の表面に光が当たって、光が宝石の内部に入るとき、宝石が光を曲げる力(程度)のことです。大きな屈折率を持つ

ダイヤモンド(2.42)は光を大きく曲げます。比較的小さい屈折率のクォーツ(1.54~1.55)では、光は少ししか曲がりません。(右図参照)
大きな屈折率を持つダイヤモンドは、表面から反射する光の量も多いです。結果として表面が輝きます。また、カット・スタイル(例えばラウンド・ブリリアント・カット)によって宝石の内部からも光がより多く返って来ます。

宝石は固有の屈折率を持っています。ですから、屈折率を測定すれば、逆に宝石の名称が判明します。ある石の屈折率が2.42という数値なら、この石はダイヤモンドです。
屈折率を測定する器具として屈折計があります。片手に乗る大きさの比較的小さな器具です。宝石鑑別機関には欠かせない器具です。
屈折率は空気(真空)を基準にしています。空気の屈折率は1.00です。水の屈折率は1.33です。ガラスの屈折率は1.51です。
宝石は、屈折率をひとつ持つ石(例えばダイヤモンド、ガーネットなど)とふたつ持つ石(例えばクォーツ、エメラルドなど)、さらに三つ持つ石(例えばアレキサンドライト、アイオライトなど)に分けられます。

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