豊かな色味を持つトルマリン

トルマリンは宝石の中でも色が豊富です。赤色、青色、緑色、黄色、紫色と多くの色が見られます。本体(組成)が同じで、色が違う場合を変種(バラエティ)と言います。
宝石の変種を表示する場合、国際的な約束事があります。色の名前を頭に付けて、その後に本体の名前を続けます。例えば、ピンク色のトルマリンなら、ピンク・トルマリンと表示します。
しかし、古くから使われて来た名前が市場で使われる場合もあります。例えば、赤色のトルマリンはレッド・トルマリンと表示されますが、ルベライトと呼ばれることが一般的です。
このように古い呼び名がそのまま使われる場合もあります。
トルマリンの色(色相)と一般名称、慣習名称は下表の通りです。

トルマリンの変種一覧

色相 一般名称 慣習名称 発色原因元素
赤色 レッド・トルマリン ルベライト(Rubellite) Mn
藍色(青) ブルー・トルマリン インディゴライト(Indigolite) Fe
ピンク色 ピンク・トルマリン
緑色 グリーン・トルマリン ヴェルデライト(Verderite) Fe+Ti
鮮緑色 クロム・トルマリン V
鮮青色~鮮緑青色 パライバ・トルマリン(Paraiba) Cu+Mn
黄色 イエロー・トルマリン
紫色 バイオレット・トルマリン シベライト(Siberite)
茶色 ブラウン・トルマリン
二色 バイカラー・トルマリン
無色 カラーレス・トルマリン アクロアイト(Achroite)
黒色 ブラック・トルマリン ショール(Schorl) Fe+Ti

補注1

パライバ・トルマリンは銅という元素によって鮮やかな青色から緑色味を帯びた青色に発色しています。最初に発見(1987年8月)された場所の名前が頭に付けられています。ブラジルのパライバ州で産出したからです。
その後、アフリカでも発見されています。地質学者や鉱物学者などは、ブラジルで発見されたなら、アフリカでも発見されるだろうと予測していました。それは、ウェゲナーの大陸移動説に基づいています。

補注2

トルマリンの中で、パライバ・トルマリンは最も高価です。最高級のパライバ・トルマリンは実に綺麗です。その色相はネオン・ブルーとも呼ばれています。

補注3

この他にトルマリンは西瓜すいか)の中味のような配色をしたものも産出します。
中心部が赤色(ピンク色)で外側が緑色をしたトルマリンです。ウォーター・メロン・トルマリンと言います。

本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社