価値を高める対称性とは何か

カット(切断、研磨)されたダイヤモンドを評価(品質→価格)する項目のひとつに対称性(シンメトリー)があります。
一般にダイヤモンドの対称性は良好です。一方、キュービック・ジルコニアの対称性はほとんど悪いです。
先ず、対称性(シンメトリー)とは何を意味するのでしょうか? 対称とは、ある操作(例えば、半分に折り畳むとか、回転させるとかの操作)を行うと重なり合うこと、を意味します。表現としては対称性が良いとか、悪いとか、対称性が無いと言います。
長方形を例に挙げて対称性を考えます。対称の種類は3つあります。ひとつは対称面、次は対称軸、対称心です。下左図の点線は対称面を示しています。下右図の黒点は対称軸と対称心を示しています。ダイヤモンドの対称性は対称面だけをとりあげます。

ダイヤモンドの評価基準はGIA(米国宝石学協会)が確立しました。ダイヤモンドの対称性が悪いと減点となり、評価(価格)も悪くなります。ですから、ダイヤモンドの研磨業者(ダイヤモンド・カッター)は対称性を上げるように厳格に研磨します。

キュービック・ジルコニアにはない、カットの繊細さ

下の図はダイヤモンドを上から見たものです。小さな円で囲まれた部分(点線円)を拡大して、対称性の良し悪しを考えてみます。

カットされたダイヤモンドを上から観察すると、ファセットは上図(右上)のように1点に集中しています。一方、キュービック・ジルコニアの現物を上から肉眼で見ると、きれいにカットされ、対称性を保持しているように感じられます。しかし、10倍のルーペで細部を観察すると、上図の右側下図に示したようにファセットが一点に集中してないで、外れていることが多いです。

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