巨大な大陸が移動しているなんて・・・
1912年、ドイツのウェゲナー(気象学者)は驚くべき学説を発表しました。大陸は移動している、という学説です。しかし、周囲の科学者達は冷ややかでした。
ある科学者は:「ウェゲナー先生、この巨大な大陸が移動していると言うのですか? 誰がこの大陸を動かすというのですか? 世界中の海のクジラが集まって、大陸を押しているとでも言うのですか?(笑)」
ウェゲナーは「・・・・・・・・・・」
この説の発表当時、大陸を動かす原動力を説明できませんでした。ですから、間接的な多くの証拠資料を提示しても、多くの科学者達は賛同しませんでした。
間接的な証拠も当時の常識を覆せず
その間接的な証拠資料は説得力のあるものでしたが。例えば、南アメリカ大陸とアフリカ大陸をくっつけると見事に一致するのです。また、古代生物のある種は両大陸に分布していました。その生物(ミミズの一種)は大西洋を渡
ることなど不可能でした。両大陸はかってひとつの大陸であった、と仮定するとうまく説明できるのでした。
ます。
しかし、間接的な証拠資料はあっても、当時、大陸が移動することなど考えられませんでした。ウェゲナーの大陸移動説は壮大な説でした。今の各大陸は、かってはひとつの超大陸(パンゲア大陸、図最上)であったという説です。そして約2億年前から移動(図中)が始まって、現在のような大陸(図最下)に分かれたという説です。
やはり大陸は動いていた
やがて、この大陸移動説は忘れ去られました。しかし、再び脚光を浴びるときが来ました。1968年、デュゾー・ウィルソン(カナダ、地球物理学者)がプレート・テクトニクス理論を発表し、この巨大な大地、大陸は移動していることを証明し、かつ移動させる原動力は地球内部の高温による対流である、という理論を出しました。
現在、地球内部の高温は、原始地球形成時の隕石衝突による衝突熱、さらに放射性元素(ウラニウム、トリウムなど)の崩壊熱に原因していると考えられています。
宝石発見の歴史の中で、パライバ・トルマリンの発見も特筆されることです。ネオン・ブルーの眼の覚めるような美しさは魅力的です。ブラジルのパライバ州で発見されました。大陸移動説を基にすると、やがてアフリカ大陸でも発見されるだろうと推測されました。そしてその大陸でも見つかりました。