眼鏡屋さんの定番:超音波洗浄機

眼鏡(メガネ)店の店頭、または店内には必ず「超音波洗浄機」が置かれています。顧客へのサービスの一環として、無料で手軽に使用できます。

右の写真は超音波洗浄機の一例です。
超音波洗浄機は、メガネのガラスやフレームの隅々に付着した汚れ(小さなゴミや身体の脂質など)を除去してくれる便利な機器です。
メガネ店の店頭に置かれた超音波洗浄機の中に指輪を入れて、宝石を洗浄する方もおられます。また彫金受託企業の現場では、貴金属に対して日常的に超音波洗浄が行われています。

ジュエリーへの利用は要注意

宝石に関して、すべての宝石が超音波洗浄に適しているわけではありません。宝石の中には、超音波洗浄を絶対に避けるべき宝石があります。あるいは回避した方が無難な宝石、まったく気にする必要がない宝石などがあります。超音波洗浄に対する宝石の適性度合いを知っておくことが大切です。
超音波洗浄に対する宝石の適性を3つのレベルに分けて考えると、次の通りです。
  (1)超音波洗浄不可宝石
  (2)超音波洗浄回避宝石
  (3)超音波洗浄可能宝石

超音波洗浄不可宝石

超音波洗浄を行うと、宝石が致命的なダメージを受ける宝石がいくつか挙げられます。
エメラルドを超音波洗浄機に入れることは厳禁です、このことは宝石を取り扱う多くの業界人に知られています。その理由は、ほとんどの天然エメラルドには「含浸(がんしん)処理」が施されている事実があるからです。
超音波洗浄を行うと、含浸物(以前は松ヤニ、カナダバルサムなどの液→固化、現在はエポキシ樹脂)が部分的に除去、白濁してエメラルドの透明性が損なわれるからです。
同様にトルコ石(ターコイズ)、着色ヒスイなどはダメージ(損傷)を受けます。

超音波洗浄回避宝石

今、市場で人気がある「タンザナイト」や「クンツァイト」は強い「劈開(へきかい)」という特性を持っています。(劈開とは、一定の力を加えると、ある特定の方向で比較的容易に割れる性質)。 ですから、超音波洗浄は避けるべきです。超音波洗浄機に入れて、直ぐに破損に至るわけではありませんが、危険性がある宝石です。オパールはしばしば「カン(微細なヒビ割れ)」を持っています。そのカンが広がる可能性があります。

超音波洗浄可能宝石

多くの宝石は超音波洗浄が可能です。ルビーやブルー・サファイア、水晶(無色透明、アメシスト、シトリンなど)、着色以外のヒスイなど。さらに貴金属は問題ありません。

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