宝石をより美しくする光の現象
シラー(Schiller)は、本来、「色が変わる」という意味を持っています。宝石分野で使われるシラー効果は、ひとつの特定の効果を表現するものではなく、多くの光学的な現象をまとめて表す用語です。日本語では「光彩効果」と呼ばれています。
宝石で見られる光学的な特殊な効果はいくつかあります。よく知られている用語としてスター効果やキャッツ・アイ効果が挙げられます。前者は6本の光条(光の線、帯)または4本の光条を示す現象、効果を言います。後者は1本の光条を示す現象、効果を言います。この他に特殊効果を表現するいくつかの用語があります。
光が魅せる多彩な効果
シラー効果は下のようないくつかの効果をまとめて表す用語です。またシーン(Sheen)効果という用語もしばしば使われます。シーン自体の意味は「輝き」です。シーン効果とシラー効果は同義語(同じ意味)です。両者とも日本語表記では「光彩効果」と呼ばれています。
各効果を示す宝石(上図の番号に適合する宝石例)
①スター・ルビー、スター・ダイオプサイド
②クリソベリル・キャッツ・アイ、ネフライト・キャッツ・アイ
③ムーンストーン
④ラブラドライト
⑤クォーツ(石英)の虹色効果、クラック(割れ)による干渉効果
⑥アベンチュリン・クォーツ(緑雲母石英)、アベンチュリン・ガラス(砂金石)
⑦オパール・ガラス(乳白色ガラス)
⑧真珠(アコヤ真珠、白蝶真珠、その他)
⑨アレキサンドライト、アレキ・タイプ・ガーネットなど
⑩プレシャス・オパール(対比:コモン・オパール、コモン・オパールは遊色効果を持ちません)
⑪ダイヤモンド(ファイア効果)など
補注:シーン効果の英語のつづりはSheenです。Seenではありません。