通常イメージされるガーネットは、アルマンディン・ガーネット
ガーネットとして販売されているほとんどの石は、アルマンディン(Almandine)・ガーネットです。外観は暗赤色または黒赤色の石です。豆球ペンライトを当てると、赤色が強調されて、ルビーのように見えます。
ガーネットはこのアルマンディン・ガーネットに代表される赤色系だけではありません。オレンジ(橙)色系やグリーン(緑)色系もあります。
宝石をビジネスにしている人を除いて、多くの一般の方にとっては、オレンジ色系やグリーン色系のガーネットは馴染みがありません。
オレンジ色系のガーネットには、マンダリン・ガーネット(黄橙色)やタンジェリン・ガーネット(赤橙色)があります。グリーン色系のガーネットには、ツァボライトやデマントイド・ガーネットがあります。
流通している多くのガーネットは、アルマンディン・ガーネットと呼ばれている石です。
この石はアルマンダイト(Almandite)とも表示されます。アルマンダイトと表記する場合は特に後ろにガーネットを付ける必要はありません。
市販されているアルマンディン・ガーネットの多くはインド産です。ビジネスとして採掘可能かを問わなければ、世界の多くの国で採れます。
ガーネットとルビーの識別
アルマンディン・ガーネットに外観が似ている石は、比較的低級品のルビー(黒色味が強い天然ルビー及び黒色味を強くした合成ルビー)です。両者(アルマンディン・ガーネットとルビー)を識別する方法を探ってみましょう。
- 肉眼及び10倍ルーペ観察
- 単純色相観察
- 二色性観察
- カラー・フィルター観察(携帯器具)
- 二色鏡観察(携帯器具)
- 分光器観察(携帯器具)
側面(ガードル側)から観察すると、アルマンディン・ガーネット(以下、アルマンディンと表示)は茶色に見えます。ルビーは赤色に見えます。
ガードルの両側のあるファセット(平らな研磨面)に現れる色を注意深く観察します。アルマンディンは茶色のみです。ルビーでは赤色とオレンジ色が見られます。
アルマンディンは黒茶色、ルビーは暗赤色。
アルマンディンは両窓とも極薄茶色、ルビーは赤色とオレンジ色。
分光器は両者を明確に分けることができます。分光器は決定打になります。左側の図はアルマンディン・ガーネットです。右側の図はルビーです。