硬さは宝石の重要な条件

宝石には条件が必要です。岩石や鉱物には見られない条件が必要です。宝石には世界共通の三条件があります。次の三条件です。①美しさ、②希少性、③硬さ です。
今回は硬さに焦点を合わせます。ある宝石を見るとき、宝石を購入するときに硬さを念頭におく人はほとんどいません。しかし、宝石の美しさを長く保つには、硬さ(硬度)が重要な役割を果たします。
宝石の硬さを表すには、宝石業界では国際的にモース硬度が使われます。モース硬度とは、ドイツの鉱物学者・モースが提案した10段階に分ける方法です。宝石A(鉱物A)と宝石B(鉱物B)をすり合わせて、表面にスリ傷が付いた方がより軟らかいと判定します。スリ傷が付かなかった方がより硬いと判定します。
モースは硬度の標準(指標)となる10種類の鉱物を挙げました。下の表の通りです。

最も軟らかい石として「タルク(滑石)」を挙げました。最も硬い石として「ダイヤモンド(金剛石)」を挙げました。硬度(モース硬度)9のコランダムとは、ルビーとサファイアの両方を表す用語です。両者の本体は同じもの(組成)です。色が違うだけです。
硬度7として「クォーツ」が挙げられています。私達の衣服や住居には目に見えないチリやホコリがあります。そのチリやホコリの中に微細なクォーツが混在しています。このクォーツが宝石にスリ傷を付ける元です。ですから、基本的に宝石の硬さはモース硬度7以上が望ましいと言えます。
硬度 標準石名
10 ダイヤモンド
9 コランダム
8 トパーズ
7 クォーツ
6 フェルスパー
5 アパタイト
4 フローライト
3 カルサイト
2 ギプサム
1 タルク

※硬度10が一番硬い

硬い宝石は、長く価値を保てる

ブルー・サファイアと信じて長い間、指にはめていたリング。そのリングの石を見る機会がありました。その石はブルー・サファイアでなく、ブルー・ガラスでした。ガラスのモース硬度は5.5です。モース硬度5.5で、ファセット(平らな研磨面)・カットされた石は、長い使用で相当に劣化(摩耗)します。ファセット・ラインがすり減り、ガードル部が欠けます。
ルビー(硬度9)やブルー・サファイア(硬度9)は長い期間の使用にも耐えます。耐久性があります。ダイヤモンド(硬度10)は圧倒的な硬さです。長期間使用されたと推測されるリング(リングの貴金属が変形、摩耗、スリ傷多発)のダイヤモンドは無傷です。ファセット・ラインの摩耗はまったくありません。耐久性の視点でも、ダイヤモンドはやはり宝石の王様です。

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