遥か1300年ほど昔、日本の都であったとされる奈良。飛鳥・藤原を含めると3世紀から8世紀まで600年にわたり日本の政治・経済・文化の中心となっていました。法隆寺界隈の仏教建造物、奈良に残る文化財、そして紀伊山地の参詣道と霊場。3つの世界遺産に囲まれた古都奈良は日本国家のはじまりを感じさせてくれる場所と言えるでしょう。今でも奈良に残る平城京を訪れると至るところで当時の様子を想像することができます。そして文化を肌で感じることができます。その文化のひとつが独特の文様の美しさ際立つ天平文様です。今回は天平文化のひとつ、天平文様についてまとめてみました。
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奈良時代を代表する都「平城京」
「なんと素敵な平城京」でおなじみ奈良時代を代表する都『平城京』は今も奈良市内で当時の姿を感じることができるよう保存されています。
平城京は国が管理する部分と県が管理する部分に分かれます。国の管理地は奈良市街地にありながら大規模開発されることなく現代へとその姿を残しています。大切に整備、保護され当時の趣を感じ取ることができるようになっています。野鳥や動物の姿も確認でき、夏はつばめが夕刻になると一斉に戻ってくる「つばめのねぐら」としても有名です。一方、県の管理地では観光地化が進み、奈良時代をイメージしたお祭りや時代行列などが季節ごとに催され多くの人に喜ばれています。
平城京の敷地はとても広大で、地元の人にとっては散歩やスポーツなどに使用している暮らしと密接に関わった場所となっています。観光する場合はバスやレンタサイクルなどを上手に活用してくださいね。
平城京には天平文化を感じる建造物がいっぱい
平城京の中にはいくつか復元された建物があります。メインとなるのは大極殿と呼ばれる当時政治を執り行った場所。また正門にあたる朱雀門も平城京の映えスポットとなっています。歴史で習った有名な遣唐使船も見ることができますが、この造りの船ではるばる中国まで渡り文化学問などを私たちに伝えてくれた人がいたのかと実際に見てみると感慨もひとしおです。そのほか当時の暮らしぶりや平城京の建物の造りなど詳しく知ることができる資料館もあります。
いずれも朱色が美しく、天気の良い日に訪れると青空とマッチして圧倒的な存在感を放っています。それらの建物の細部で見られるのが天平文様と呼ばれる独特の模様です。
文化や建造物を鮮やかに装飾する天平文様
今、私たちの身の回りには美しい模様が溢れています。様々なモチーフを元にしたテキスタイルが好まれ、生活に取り入れられています。模様がひとつ入るだけで暮らしは明るくなりませんか?そんな模様は昔からあったんだなと天平文化に触れていると気が付かされます。そして天平文様は1300年経った今でも輝きを放ち、完成された美しさを見せてくれています。それらは東大寺奥の正倉院で大切に守られ、宝物として現代へと受け継がれてきました。シルクロードの終着地ともされる奈良の都には、さまざまな国の文化が混ざり合った気高さと気品が感じられる天平文様に彩られた名品がたくさん残っています。日本らしさとエキゾチック感が絶妙にミックスされ、独特の世界観を作り出しています。
天平文様によく使われているモチーフ
それでは一体どんなモチーフが天平文様に使われているのでしょうか。天平文様を見ていると、曼荼羅のように繰り返しのパターンで円形を作り出しているものやフチ飾りとして華を添えていることが見て取れます。その中で描かれているのは鳥や蝶などといった生き物や、花や蔓といった植物です。大極殿において天空の四方位を守るとされている霊獣である「玄武」亀とヘビ、「朱雀」鳥、「白虎」トラ、「青龍」龍も天平文様らしさが伝わる模様です。それらをところ狭しと配列した繊細で複雑な装飾に色鮮やかに彩色されたものが天平文様として数多く見られます。
複雑なデザインが美しい繊細なピアス3選
ご紹介する3つのジュエリーはそれぞれに複雑な細工が施された繊細なピアスです。揺れ動く様子も品格があり華やか。3つとも全体的な形状は雫型でまるで琵琶や蓮の花びらのような雰囲気です。蓮の花びらは大仏様が座られている台座となっていることも多く古来より特別視されてきたことがわかっています。そんな天平文化の雰囲気が感じられるような美しいジュエリーデザインのピアス3選です。遥か昔から美しいものは不変なのかもしれません。
K18YG&K18WG フックピアス
まとめ
奈良の都として名を馳せた、豊かな自然と古代ロマンの魅力に溢れた平城京についてご紹介しました。平城京で多用されている天平文様の美しさは格別の趣があります。そのデザインは1300年の時を経てなお美しいと感じるような文様ばかり。曲線美は今のジュエリーデザインにもつながっていると感じます。繊細なピアスを身に着け、遥か悠久の歴史を今一度感じてみませんか?