「トパーズって、青?それとも黄色?」
そんな問いかけに、世代によって答えが変わるかもしれません。若い人にとっては鮮やかなブルーの宝石、年配の方にとっては落ち着いた黄色の宝石かもしれません。実はどちらも正解で、トパーズは実に多彩な色を持つ宝石なのです。
この記事では、一般的なイメージから少し離れて、ブルートパーズの背景や、希少で高価なインペリアルトパーズについてもわかりやすく解説します。さらに、ブルートパーズの「スカイブルー」「スイスブルー」「ロンドンブルー」という3つのカラー分類と、放射線処理による青色の誕生秘話にも触れていきます。
宝石に興味がある方、色の違いに戸惑ったことがある方にとって、この記事は「なるほど!」と思える発見が詰まった内容です。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
- トパーズに複数の色が存在する理由
- インペリアルトパーズの特徴と希少性
- ブルートパーズが一般的に多い背景
- スカイ・スイス・ロンドンのブルーの違い
- 放射線照射による色の変化と安全性
Contents
トパーズは「青?」「黄色?」えっ!これもトパーズ?!
トパーズは何色? と尋ねられたら、若い人は青色と答える人が多いと思います。年配の人は黄色と答える人が多いと思います。
トパーズの日本名(和名)は黄玉(おうぎょく)と呼ばれ、年配の人には黄色のイメージが定着しています。確かにトパーズは黄色や無色の産出が多いです。
しかし、最近、流通しているトパーズのほとんどは青色です。鮮やかな青色が多いです。
そのトパーズは手頃な価格で若い人も購入しやすいです。
トパーズは多彩な色で産出します。黄色を筆頭に橙色、ピンク色、赤色、淡青色、淡緑青色、褐色、そして無色です。トパーズの変化に富む色は、トルマリンやガーネットの多彩色に似ています。
トパーズは黄色から青、無色まで多彩な色を持つ。
シェリー酒の色「インペリアル・トパーズ」
トパーズの中で最も高価な色は、古くから「シェリー酒の色」と言われ、この色のトパーズは「インペリアル・トパーズ」と呼ばれています。
右上の写真はグラスに注がれたシェリー酒の色を示してい
ます。
右下の写真はインペリアル・トパーズの一例です。(写真:GIA)
インペリアル・トパーズの色を表現する言葉として、レディッシュ・オレンジ(赤色味を帯びた橙色)が使われます。実際には少し褐色味を帯びた色までも含まれます。
百貨店の宝石フロアや街中の宝石専門店には、インペリアル・トパーズやレッド・トパーズが並んでいますが、一般にこれらのトパーズの色に出会う機会は少ないです。


| 色名 | 色味の特徴 | 主な表現用語 | 備考 |
|---|---|---|---|
| インペリアル・トパーズ | 赤みがかった橙色~褐色味のある橙色 | レディッシュ・オレンジ | 「シェリー酒の色」とも称される |
| レッド・トパーズ | インペリアルよりさらに赤みの強い色 | ― | 百貨店などでも稀に見られる |
インペリアルトパーズは希少で高価な赤橙色の宝石。
青いトパーズはもともとレアストーン
私達が普段に出会うトパーズの色はほとんど青色です。その青色は、アクアマリンと比較して、より鮮やかでより濃く、より美しい魅力的な青色です。そして手頃な価格ですので、市中にブルー・トパーズがあふれています。
なぜこれほどブルー・トパーズがあふれているのでしょうか? 自然に産するブルー・トパーズは比較的淡い青色で、産出も希です。産出量が非常に少ないのに、ブルー・トパーズが身近にたくさんあります。
不思議な現象ですが、1970年代後半からブルー・トパーズに激変が起こったのです。
この頃、無色透明なトパーズ(カラーレス・トパーズ)に放射線を照射し、その後加熱処理すると、無色から青色に変化することが発見されたのです。
宝石の歴史の中でも、ブルー・トパーズの改変(無色→青色)は特筆すべきことです。この発見によって、世界の多くの女性の指や耳、首元に美しい青色の宝石が輝くことになったのです。
カラーレス・トパーズは放射線照射と加熱処理で青色に変化します。この放射線照射に多少の不安を抱かれる人も居ると思われます。しかし、心配は要りません。私達が日常で自然界から受ける放射線の量と比較して、身に付けているブルー・トパーズから受ける放射線の量は、はるかに少ないです。安心して装着できます。
カラーレス・トパーズは比較的多くの国(例えば、スリランカなど)で産出します。このカラーレス・トパーズは主にドイツに送られて放射線照射と加熱処理が行われ、ブルー・トパーズに改変されています。
青いトパーズは人工処理で普及し市場に多く流通。
濃さの違う3種のブルー・トパーズ
市中で見られるブルー・トパーズの色は三種類に分類されます。ひとつはスカイ・ブルー、そしてスイス・ブルー、さらにロンドン・ブルーです。スカイ・ブルーは明るい淡い空色です。スイス・ブルーは明るい濃い青色です。ロンドン・ブルーは藍色味を帯びた濃い青色です。右の写真は上から順にスカイ・ブルー、スイス・ブルー、ロンドン・ブルーの例です。
スイス・ブルーとロンドン・ブルーの名称は、当初、レブロン社(アメリカ、化粧品メーカー)の青色系アイシャドーに使われていました。宝石業界がこの名称をブルー・トパーズにあてました。



カラーレス・トパーズに放射線を照射して加熱処理を行うと、ブルー・トパーズに変化します。放射線を照射する時間によって、色が決まります。スカイ・ブルーの色が最も照射量が少なく、ロンドン・ブルーの色が最も照射量が多いです。
コスト(製造原価)を比較すると、照射量が最も多いロンドン・ブルーが高いと言えます。市中の販売価格もロンドン・ブルーがより高いです。
次にドイツで放射線照射と加熱処理されたトパーズの原石写真を下に示します。左からスカイ・ブルーの原石、スイス・ブルーの原石、ロンドン・ブルーの原石です。
ドイツ企業の実験、努力によって、今では希望するブルーの色を造り出せると言われています。(原石写真:GUNTER MEELIS)



カラーレス・トパーズが放射線と加熱によって、美しいブルーの色に変化することは驚くべきことです。何かのきっかけで偶然に発見したと推測されますが、発見者は世界の宝石業界に大きな貢献をしたと言えます。美しいブルー・トパーズは、今日も世界中の女性を輝かせています。
| 名称 | 色の濃さ | 色味の特徴 | 照射量(相対) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| スカイ・ブルー | 明るく淡い | 空のような爽やかな水色 | 少 | 最も軽い照射処理 |
| スイス・ブルー | 明るく濃い | 鮮やかで明快なブルー | 中 | 名称は化粧品に由来 |
| ロンドン・ブルー | 濃く深い | 藍色味を帯びた落ち着いたブルー | 多 | 製造コスト・価格ともに高め |
ブルートパーズは照射量で色と価格が変化する。
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まとめ
トパーズはその多彩な色で、宝石の中でも個性の光る存在です。黄色や無色のトパーズが本来多く産出される中で、現在流通する多くのブルートパーズは無色の石に放射線と加熱処理を施して得られたものです。この技術革新により、ブルートパーズは広く手に入りやすい宝石となり、多くの人々の手元で輝いています。
また、自然が生み出す赤橙色の「インペリアルトパーズ」は極めて稀少で、宝石としての価値も非常に高い存在です。ブルー系では、スカイ、スイス、ロンドンという3つの階調に分類され、色味の違いと共に価格にも差が生じています。
トパーズはその美しさだけでなく、色の多様性や製造背景を知ることで、さらに奥深い魅力を持つ宝石だと感じられるでしょう。
- トパーズには多くのカラーバリエーションがある
- インペリアルトパーズは特に希少で高価
- 現在流通するブルートパーズは人工的に青くされたものが多い
- ブルートパーズは3つの濃淡に分けられる
- 放射線処理されたブルートパーズは安全に使用できる


