エジプトと聞くとミイラやピラミッドなどを想像する方も多いのではないでしょうか。映画や小説などの題材にも多く取り上げられている古代エジプトの文化はとても美しく、現在からみてもその文明は非常に高度であったと言われています。そんな古代エジプトを語る上で欠かせない存在のひとつが宝飾品の数々、今回は紀元前より古くから愛されるジュエリーとその歴史を解説していきます。

ツタンカーメンの指輪

ヨーロッパ史の源とも言われる古代エジプトで有名なジュエリーといえば、ツタンカーメンの指輪なのではないでしょうか。黄金のマスクで有名なツタンカーメンですが、黄金のマスクの出土と同時に複数の指輪も見つかっています。この指輪は左手の薬指と中指にはめられており、また、右手の付近にも置かれるようにしてあったそうです。左手の薬指にはめられていたラピスラズリのような指輪は結婚指輪かとも思われましたが、当時エジプトでは結婚指輪の風習は無く、ファラオの権威を表すものだったと言われています。結婚指輪の風習がないのも、古代エジプトでは結婚を契約と考えていなかったというのが面白いですよね。また、ゴールドの指輪には王が刻まれている他にエジプト神話に登場する神々が彫刻のように彫られていたりと、当時の指輪はファッションよりも権力や神の加護を受けるアイテムとして身につけられていたのです。

色鮮やかなジュエリーは古代エジプトより愛されていた

ラピスラズリのような青いガラスと、黄金のマスク同様ゴールドがあしらわれたツタンカーメンの指輪以外にも、当時のジュエリーはゴールドを中心に色鮮やかな宝石があしらわれた豪華な物でした。その中でも特に多く用いられた色は青で、ラピスラズリやターコイズをはじめとした宝石も多く用いられていました。青は命を象徴する色として王族たちは好んで着用しており、特に王の威厳を象徴していたと言われています。指輪やネックレス、イヤリングといった耳飾りなどの他に、顔料や宝石を砕いた粉をアイシャドウとして利用するなど、化粧にも多く使われました。ナイル川を起点として繁栄し、水を何より大事にした古代エジプト文明は青という色に生命の源である水そのものを見いだしたのかもしれませんね。

クレオパトラが愛したジュエリー

エジプトで最も有名といえる女王クレオパトラは、世界三大美女としても非常に有名です。美しさの象徴として現在でも語られているクレオパトラとジュエリーは切っても切れない関係にあり、その伝説とも言える有名なエピソードは現在でも多く残り、語られています。そんなクレオパトラは数あるジュエリーの中でもエメラルドをとても気に入っており、エメラルドのジュエリーを好んで身に着けた他に、緑の顔料やエメラルドを砕いた粉を化粧に取り入れるなど、その神秘的な緑色を特に愛していたといいます。その愛はとても大きく、エメラルドの鉱山を所有していたことでも有名です。

パールを溶かして飲んだというエピソードも

クレオパトラとパールについての有名なエピソードをご存じですか?ある宴の夜、ローマの軍人であるアントニウスと「一夜で莫大な金額を使うことはできないだろう」という賭けをしたクレオパトラは、自らの財力や権威を示すために目の前で大粒のパールを酢に溶かして飲んで見せたというエピソードがあります。そのパールというのはクレオパトラがその時耳につけていた大粒のパールの耳飾りだといわれており、当時でも価値の高かったパールをわざと溶かして飲んで見せることで、莫大な富と権力を示したというものです。実際には短時間でパールが溶けてしまうような酢を飲めるかどうかなど、様々な問題は生じてきますが、パールは美容に良いとされており現在でもパールをうたった美容グッズもあるほど、クレオパトラもパールの魅力に惹かれたのかもしれません。

現代で感じるエジプトの息吹

古代エジプトと聞くとエキゾチックな印象を受け、なかなか普段のコーディネートやジュエリーには取り入れづらいと思う方も多くいるのではないでしょうか。モチーフこそエキゾチックではありますが、古代エジプトで愛されていたジュエリーたちは、現代でも色褪せることなく溶け込んでいます。
K10WG エメラルド&ダイヤモンド ネックレス

クレオパトラの愛したエメラルドは一粒でも存在感があります。幸福の石とも言われているエメラルドとその輝きで、美しく賢い女王クレオパトラに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

K18YG フープピアス

角度のついたデザインが特徴のゴールドピアスは光を受けてきらりと輝くだけでなく、しっかりとした太めのフープがどこか力強さを感じさせます。デイリーでの使用はもちろん、セミフォーマルでも使用できる上品さがあります。

K18YG アコヤ真珠 ロングピアス

まるでクレオパトラが溶かして飲んでしまったと言われるパールの耳飾りを連想させるピアスは、コーディネートに取り入れやすいサイズ感ながら存在感抜群。ゴールドとパールの色合いとチェーンを使った華奢なデザインが女性らしさを引き立たせます。

まとめ

古くより愛されてきたジュエリーの魅力は、現在でも衰えることはありません。古代エジプトの歴史に触れながらジュエリーを身につけることで、その時代の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社