いろいろあります「水晶玉」

無色透明な球体の水晶(石英)には、比較的小さいサイズのビーズからネックレス用の中位のサイズ、さらには水晶占い用の大きいサイズまでいろいろあります。
水晶の類似石として無色透明のガラスが挙げられます。さらに低品質の石英を高温で溶かして固めた溶融石英もあります。合成水晶も造られています。無色透明の球体としてはアクリル樹脂製もあります
無色透明球体の種類をまとめると、下の通りです。
<無色透明球体>

  • 水晶(石英)玉(天然または合成)
  • 溶融石英玉
  • ガラス玉(ビー玉)
  • アクリル玉

水晶玉の類似石として市場で一般に出会うのはガラス玉です。無色透明で厳選されたガラス玉では脈理(スワール)や泡(気泡)が見られません。特に光学用(レンズやメガネなど)のガラスにはインクルージョン(内包物、異物)が見られません。
そこで、水晶玉とガラス玉を識別する方法としてダブリング観察法があります。しかし、両者ともファセット・ラインがありません。それゆえ、紙に描いたボールペン・ラインのダブリングを観察します。

ダブリングの検知方法

A4サイズの紙面に引いた1本のボールペンのライン(線)を観察してダブリングを検知する方法です。

水晶玉をその線から8cm~10cm離します。10倍のルーペで水晶玉を観察します。ルーペはいつもの通り2.5cm離します。

すると、1本のライン(線)がはっきり見えてきます。水晶玉をゆっくりと回します。ルーペの焦点も同時に合わせます。あるところでその線が二重になります。焦点を明確に合わせても二重のままです。これが水晶玉のダブリングです。ガラス玉にはダブリングはありません。

右図はダブリングの状態を示しています。2本の線はかな
り接近しています。わずかに二重に見える現象を注意深くとら
える必要があります。

天然水晶と合成水晶をダブリング法で識別することはできません。両者を識別するには、鑑別機関が保有している赤外線分光機などの特殊機器が必要です。

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