オーストラリアを代表する宝石オパール

オーストラリアで産出する宝石としては、オパールが広く知られています。オパールの二大産出国としてメキシコと共にオーストラリアが挙げられます。(最近では、エチオピアでも透明感のある美しいオパールが産出します。エチオピアン・オパールです。)
オーストラリアは特にブラック・オパールの産地として知られています。世界の95%近くを産出しています。(オパールの種類は、ブラック・オパールの他にホワイト・オパール、ファイア・オパール、ウォーター・オパールがあります。)
オーストラリアの主要都市には、オパール専門店がたくさんあります。宝石店を除いて、専門店でオパール購入するときは予備知識が必要です。貼り合わせ石が多く並んでいるからです。ダブレット、トリプレットなどです。比較的安価であると思って、購入しますと、貼り合わせ石である可能性が高いです。宝石店では、このような石は販売していません。
10倍のルーペで貼り合わせ石の側面を観察しますと、容易にわかります。1本または2本の黒い線が見えるからです。

ブラック・オパールを産出する場所は限られています。
シドニーの北西800キロにある「ライトニング・リッジ」(Lightning Ridge)地域です。(右図の大きい□の地域です。黒丸印はシドニー)

オパールだけではないオーストラリアの宝石

オーストラリアはオパールを含めて、次のような宝石を産出することで知られています。
  (1)オパール、
  (2)ピンク・ダイヤモンド
  (3)ブルー・サファイア
  (4)クリソプレーズ
オーストラリアはオパールの他にピンク・ダイヤモンドを産出します。西海岸の北部にアーガイル鉱山(右上図の北西海岸、小さい□の個所)があります。宝石業界の人によく知られている鉱山です。世界のピンク・ダイヤモンドの80%近くを産出しています。
ブルー・サファイアも産出します。しかし、黒色味または黒緑色を帯びた青色のため余りきれいではありません。これらの石はタイに運ばれ、加熱処理されて、黒色味を除去します。品質の良いブルー・サファイアに変わるものもあります。
クリソプレーズはオーストラリア・ヒスイとして販売されています。本物のヒスイではありません。クリソプレーズはクォーツ(石英)の仲間です。両者の識別は、10倍のルーペで石の内部を観察することです。小さな粒と短い繊維状の組織で判定します。クリソプレーズにはこの組織がありません。

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