- 市販のペンライトは、急速にLEDペンライトに移行しています。
- このLED(Light Emitting Diode)ペンライトを使って、宝石のカラー・チェンジ効果を顧客の前で確認しようとする場合、不都合が生じます。
- 例えばこの不都合とは、アレキサンドライトの場合、LEDペンライトでアレキサンドライトを照らしても、赤紫色に変わりません。
- LEDペンライトは、従来の豆球(フィラメント、白熱)ペンライトと光の特性が違います。
- その違いは、LEDペンライトは青色が強く、豆球ペンライトは赤色が強いことです。
- 宝石のカラー・チェンジ効果を確認する視点では、LEDペンライトは太陽光に近く、豆球ペンライトはローソク光に近いです。
- アレキサンドライトのカラー・チェンジ効果が発見されたのは1830年です。この当時はまだ豆球(フィラメント)ライトは発明されていませんでした。エジソンがフィラメントを使って45時間の点灯に成功したのは1879年でした。
- ですから、アレキサンドライトを発見した当時、その石のカラー・チェンジ効果をみつけた光源(光)の種類は、太陽光とローソク光でした。ロシアのウラル山脈東側の鉱山でアレキサンドライトを発掘したときは、エメラルドと判断していました。
太陽光の下では、アレキサンドライトはエメラルドに見えたのです。その後、夜になって、部屋に置いていたアレキサンドライトがローソクの灯で赤紫色に変化していることに鉱夫が気付きました。そこで、この石はエメラルドではなく、新しい石であることが判りました。 - アレキサンドライトは、青色寄りの光と赤色寄りの光を別々に当てたときにカラー・チェンジ効果を示します。
- 青寄りの光は「太陽光」、「蛍光灯」、「LEDライト」です。赤色寄りの光は「ローソク光」、「豆球(フィラメント)ライト」です。
- アレキサンドライトのカラー・チェンジ効果を強く演出するには、LEDライト(青色寄り光源)と豆球ライト(赤色寄り光源)が適しています。
- LEDペンライトは、石の表面観察、内部観察には問題ありません。しかし、カラー・チェンジ効果を確認する場合には不適です。(最近のLEDペンライトの中には青色寄りが弱くなっているものもあります。)
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