希少宝石とは何か
宝石の三条件として、国際的に①美しさ、②希少性、③硬さ が挙げられています。今回、この中の希少性に注目して宝石の中でもさらに希少性がある宝石に視点を当てます。
希少宝石の定義がある訳ではありません。ですから、希少宝石を絞り込むことに「曖昧さ」(あいまいさ)が残ることになります。
ここで希少宝石に関する興味ある資料があります。それはアメリカの経済雑誌「フォーブス(Forbes)」に掲載されていた記事(2015年発行)です。そこに希少宝石が掲載されていました。以下の五大希少宝石が選ばれていました。
第1位:レッド・ダイヤモンド
第2位:ターフェアイト
第3位:グランディディエライト
第4位:セレンディバイト
第5位:ダイヤモンド
上記の5大希少宝石の選択には、アメリカおよび世界の宝石学者、有名宝石メーカーの部長クラスなど数十名が関与したものと推測されます。関与していない宝石専門家にとって、あるいは宝石愛好家、宝石コレクターにとっては異論も多いと思われますが、この雑誌を基に話を進めます。先ず、レッド・ダイヤモンドから始めます。
5大希少宝石解説
- レッド・ダイヤモンド(red diamond)(第1位)
- ターフェアイト(taaffeite)(第2位)
- グランディディエライト(grandidierite)(第3位)
- セレンディバイト(serendibite)(第4位)
- ダイヤモンド(diamond)(第5位)
確かにレッド・ダイヤモンドは産出が非常に希で、価値あるものである、との印象を持つ人も多いと思います。この宝石の赤い色は、ルビーのような鮮赤色でなく、少し暗い赤色です。アーガイル鉱山(オーストラリア)で産出し、カットされた1.56ct(カラット)のレッド・ダイヤモンドは¥2億円で落札(2013年)されました。
赤紫色の透明な宝石です。1945年にターフェ伯爵(アイルランド)によって発見されました。スリランカやタンザニアで希に産出します。
青緑色の透明な宝石です。1902年にマダガスカルでグランディディエ(フランスの博物学者、探検家)によって発見されました。マダガスカル、スリランカなどから産出します。最近は市場に少し流通しています。
青緑色、濃緑色の透明、半透明な宝石です。1902年にスリランカで発見されました。アラビア語のセレンディブ(serendib)=スリランカに由来する名前です。その他にミャンマーなどでも産出します。
希少な宝石ですが、デビアス社の広告宣伝で大衆化し、身近で見られる宝石になりました。しかし、1ct以上、Dカラー、フローレスの品質は希少です。